folder ローリングストーン誌のウェブサイトで公開されている『幻の未発表アルバム15選』という記事があるのだけど、これがなかなか面白い。評価の定まったアーティストの未発表アーカイブものは、確実なニーズが読めることもあって、近年ではコルトレーンや殿下の発掘モノが記憶に新しいところだけど、世の中にはまだまだ、知る人ぞ知る未発表作品が埋もれたままになっている。
 ビートルズやボウイのように、何曲か差し替えて世に出た作品もあれば、ジェフ・ベックやキッスのように、もはや知るのは本人のみといったモノもあったりして、こういうのっていろいろ想像して楽しめる。キッスなんかは正直俺、そんなに興味ないんだけど、幻のアルバムにまつわるエピソードや経緯を知りたくなるのは、ベテラン・ユーザーならわかってくれるんじゃないかと思う。ルイス・シャイナーが『グリンプス』を著した想い、俺には手に取るようにわかる。
 ここに載ってる以外にも、毎年のようにお宝音源をリリースしているディランなんかは、まだまだネタがありそうだし、キャリアの長いポール・マッカートニーなんかも、掘り下げればいくらでもありそう。
 ニール・ヤングが唯一、2枚ピックアップされているけど、イヤイヤ、まだこんなモンじゃない。現在進行形で自身のウェブサイトで大量のアーカイブを公開しており、しかも新作もリリースし続けているため、今からファンになっても、絶対追いつけない。
 他にも、「細けぇことは後回し」と連日連夜セッションを重ね、まとめるのは後で考えるはずだったのが、志半ばで亡くなっちゃったジミヘン、ここにはリストアップされていないけど、真面目にしっかり楽曲を書き、コンセプトもある程度まとまっているのに、体が弱くてレコーディングが進まないパディ・マクアルーンなど、人にはそれぞれ事情がある。

 ローリングストーンというメディアの性質上、主にロック中心のラインナップなのだけど、唯一のソウル勢で選ばれていたのが、マーヴィン・ゲイ。
 今ではだいぶ名誉回復した『離婚伝説』リリース後、妻には去られ、セールスもドン底になっていたマーヴィンは、起死回生の一発として、時流に合わせたディスコ・チューン「Love Man」をレコーディングする。マーヴィン的には、次世代のセックス・シンボルとして頭角をあらわしていたリック・ジェームスや殿下を蹴散らして、再びスターダムに返り咲くビジョンを描いていた。
 そんな皮算用で、「Love Man」をメイン・トラックに据えたアルバムを制作していたのだけど、またタイミングの悪いことに、450万ドルもの追徴課税がマーヴィンに課せられる。支払いを済ませるには稼がねばならず、手っ取り早い手段として、ワールド・ツアーを行なうことになった。
 なったのだけど、借金返済のためという、すごく後ろ向きな動機のツアーだったため、マーヴィンのテンションは上がらなかった。無気力なステージは客にも不評で、ほどなくツアーは中止となる。プロモーターからの損害賠償もあってさらに借金が増え、追い詰められた彼は自殺を図ることになるのだけど、これはまぁ余談。
 そんなドサクサもあって『Love Man』セッションは中止に追い込まれ、その後も再開されることはなかった。ずっと後になって、当時の編集アルバム『In Our Lifetime』のデラックス・エディションに一部が収録された。ボツ曲を集めたアルバムのさらにおまけ。ヒドイ扱いだな。

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 マーヴィンが所属していたモータウンは、黎明期~全盛期にかけて、シングル中心の戦略で知られていた。当時のメイン・ユーザーがティーンエイジャーだったこともあって、単価の高いアルバムには、あんまり力を入れていなかった。
 「すでにリリース済みのシングル曲をいくつかと、ちょっとデキの悪い穴埋め曲、それでも足りなかったら、適当なカバー曲を少し」というのが、当時のアルバム構成の定番だった。「バラ売りでそこそこ儲けたけど、せっかくだからまとめ売りして、もう少し資本回収しとっか」というユルい方針のもと、特にソウル系のアルバムはそんな方針で作られていた。
 いたのだけれど、時代は変わる。ラジオ・オンエア用に3分程度でまとめられていたヒット・ソングは、60年代中盤あたりから、5分・6分と長くなってゆく。それに伴って、アルバムに求められる役割も、徐々に変化してゆく。
 単なる寄せ集めでしかなかったベスト・ヒット的なアルバムは徐々に減り、代わりに、一貫したテーマで括られたコンセプト・アルバムが主流となってゆく。明るい未来を信じていれば、すべてオッケーでハッピーだった頃とはうって変わり、ベトナム戦争やら公民権運動やら物騒な事象を反映してか、メッセージ性の強いアーティストが台頭するようになる。
 人畜無害なポップ・ソングがリアルに響かなくなった者たちが彼らを見い出し、そして時代のカリスマとして祭り上げた。その影響は広範に渡り、もっぱら歌詞やメッセージには無頓着だったソウル/ファンク系のアーティストにも、深く浸透してゆく。これがニュー・ソウル。

 で、この当時、すでに世界的なディストリビューターとなっていたモータウンは、そういった新しい潮流には慎重だった。どれだけ大規模なグローバル企業とはいえ、根っこはベリー・ゴーディが一代で築き上げた個人企業である。裸一貫でのし上がってきたオーナーの鶴の一声は絶対で、どれだけトレンドが変化しようとも、旧来の方針を崩すことはなかった。
 誰からも愛される、人畜無害なポップ・ソウルは、根強い需要のあるジャンルだった。ゴーディとスモーキー・ロビンソンによって確立されたヒットの方程式は、一般企業でいえば社是や営業方針のようなものであり、そう易々と変えられるものではなかった。
 モータウン黎明期から深く関わり、社内ではそれなりのポジションを築いていたはずのマーヴィンでさえ、経営陣にとっては、コマの一つでしかなかった。「歌いたい歌」と「歌わされる歌」とでは大きな差があり、入れ込み方も違ってくるのだけど、方程式にはずれたサウンドを許すレーベルではなかった。
 ナット・キング・コールのようなシンガーになりたかったマーヴィンにとっては、代表的ヒット曲である「Ain't No Mountain High Enough」も「Stubborn Kind of Fellow」も邪道でしかなかった。「本当の自分はこんなんじゃないんだ」と思い詰める反面、あくまで仕事と割り切りながら、ステージではにこやかに振る舞っていた。
 とはいえ、ゴーディの姉アンナと結婚していたマーヴィン、多少は製作に関与できる立場にあったことを利用して、スタンダード・ナンバー中心のアルバムをいくつかリリースしている。正直、自己満足の極みであんまり面白い作品ではなく、実際売れ行きも良くなかったけど、オーナー親族だからできたワガママと言える。
 ちなみにこの夫婦の年の差は、なんと17歳。アンナ41歳に対してマーヴィン24歳。全然関係ないけど、小柳ルミ子と大澄賢也が13歳差だった。ペタジーニなんて25歳差。だから何だってんだ。

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 実質的な婿入り状態でストレスも溜まっていたのか、「俺がやりたい音楽はこんなんじゃねぇんだ!」と開き直って作られたのが「What’s Going On」だけど、当初はこの曲、シングル・リリースが危ぶまれていた。
 モータウン社内で毎週月曜の朝に行なわれるシングル選定会議にて、ゴーディはこの曲に難色を示した。従来のベルトコンベア・システムから明らかにはずれたメッセージ性とサウンド・アプローチは、ヒット仕掛け人の興味を引かなかった。
 取り敢えず稟議は通ったけど、出荷枚数を絞ってリリースされた「What’s Going On」は、予想を超える大ヒットとなる。そればかりでなく、リリース当時から時代を、いやソウル・ミュージック全般を代表するアンセムとして、不動の地位を確立した。
 その反響も冷めやらぬうちに、突貫工事で同名アルバムが制作されることになる。

 で、さらにその後、アルバム『What’s Going On』リリース以降のセッションを中心にまとめたのが、この『You’re the Man』。『What’s Going On』と『Let’s Get it On』との空白をつなぐミッシング・ピースという位置づけである。
 とはいえマーヴィン、この時期に何もしていなかったわけではない。ていうか、まとまった形にはなっていないけど、かなり多くの音源が残されている。
 『What’s Going On』の成功によって、いわゆる社会派ソウル・シンガーというポジションを得たマーヴィン、期待のかかった次回作として、政治問題に焦点を当てた「You’re the Man」をリリースするのだけど、これがUS50位の大爆死。思いっきり肩透かしになった影響で、この時のセッションはほとんどがお蔵入りしてしまう羽目となった。今回のアルバムは、これが核となっている。
 ちなみに他の収録曲だけど、良い意味で言えば、バラエティに富んでいる。言ってしまえば、まとまりがないとも言える。
 モータウン所属のルーティンとして、従来路線のポップ・ソウルも入っていれば、前述の自己陶酔型スタンダード・バラードなんかも脈絡なく収録されている。共通しているのは同時期のレコーディングというだけで、そんな支離滅裂なラインナップを強引にまとめたのが、『You’re the Man』というアルバムなのだ、って結論。
 ある程度まとまったコンセプトで行なわれた『Love Man』セッションとは、成り立ちが大きく違っている。
 なので、ひとつのコンセプト・アルバムとして捉えるのではなく、いわゆるドキュメンタリーとして、「この時期のセッションをざっくりダイジェストでまとめました」的な、ビートルズの『Anthology』みたいなアルバムと考えた方が、スッキリする。

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 とはいえ、伏魔殿と化したモータウンの倉庫には、まだ手つかずの未発表音源が、膨大に残されているはず。『What’s Going On』なんて、10年ごとにデラックス・エディションがリリースされているけど、常に発掘音源が追加されているもの。
 まだまだあるよ、きっと。


You're The Man
You're The Man
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Marvin Gaye
Motown Records (2019-04-26)
売り上げランキング: 6,558



1. You're the Man
 ソウル・チャートでは7位と健闘したのだけど、大統領選挙を皮肉った題材が白人層には不評だったのか、総合チャートでは大苦戦してしまったシングル。そんなフィルタリングとは無関係に、マーヴィン流ソフト・ファンクの完成形として成立している。丁寧に重ねられた多重コーラス、コンガやパーカッションを多用したオーガニックなリズム・パターン、FunkadelicやIsley Brothersの影響もそこかしこに窺えるギター・カッティングなど、どれもこれまでに培った文法だけど、それらがすべて高いレベルにブラッシュ・アップされているのが、この曲の完成度を押し上げている。
 『Let’s Get It On』デラックス・エディションには2つのオルタネイト・テイクが収録されており、ヴァージョン1はだいぶ完成形に近いけど、ヴァージョン2はリズムがモッサリかつ無駄なストリングスが勢いを殺してしまっている。この辺はモータウンの従来の流れなんだろうな。



2. The World Is Rated X (alternate mix)
 初出は1986年、コンピレーション・アルバムのプロモーション・シングルという、何だかよくわからない経緯でリリース。言っちゃえばラジオや雑誌への宣伝で作られたモノなので、チャートに入るはずもなく、一般に知られる前に幻となってしまう。
 タイトルからして物々しそうだけど、「You’re the Man」より一般ウケしそうなエモーショナルなポップ・ソウルなので、セッション丸ごとボツになってしまったのは、とんだトバッチリ。オフィシャルに発売されたのはその6年後、コンピレーションの未発表目玉トラックのひとつとして、やっと日の目を見た。

3. Piece of Clay
 レア・グルーヴ界隈では、プログレッシブな長尺イントロが印象的なファンク・チューン「Share My Love」で知られ、ロック好きにはマーク・ボランの最期の恋人として知られるグロリア・ジョーンズ。モータウンの伝説的なプロデューサー・チーム「クラン」の重要メンバーだったパム・ソーヤーが、グロリアとマーヴィンを引き合わせて作られた、ゴスペルライクな泥臭いバラード。冒頭の長いディストーション・ギターが強いインパクトだけど、なんか全体的にジェフ・ベックっぽい。
 プロデュースのアクが強すぎるためか、マーヴィンのキャラはちょっと薄め。

4. Where Are We Going? (alternate mix 2)
 『Let’s Get It On』デラックス・エディションが初出となった、かなりポップ寄りのチューン。手掛けたのは、当時、ブルーノートとモータウンを股にかけて、ソウル/フュージョンのヒット・アルバムを連発していたミゼル・ブラザーズ。ジャズ界の大御所Donald Byrdにすり寄って、ライト・フュージョンのアルバムを作らせたり、ジャクソン5を泥臭くない大人のポップ・ソウル路線に導いたりなど、どんなアーティストでのポップでライトにイメチェンしてしまうのが特徴。過剰なプロデュース・ワークが持ち味であるけれど、それでいてキャラクターや持ち味を殺したりはしない、なかなか策士の兄弟である。
 当時のマーヴィン定番のソフト・ファンク風味はほとんどないけど、成長したポップ・ソウルといった点において、マーヴィンとの相性はかなり良い。せっかくなら、もっと彼らとのコラボレーションを聴きたいところだけど、今のところ存在が明らかになっているのは、これと「Woman of the World」のみ。
 いやいや、もっとあるでしょホントは。



5. I'm Gonna Give You Respect
 ここから4曲は、自らアーティストとしても活動していたプロデューサー:ウィリー・ハッチが手掛けている。代表作とされるのが、映画『Foxy Brown』のサウンドトラックで、シングルでは目立った成績は残していない。
 如何ともしがたい泥臭さと垢抜けなさは、いわば古き良きモータウンの伝統に則った作風ではあるけれど、時代的にはちょっと乗り遅れている印象。マーヴィンの繊細さにアグレッシブなストリングスやブラスを加えた『Foxy Brown』を作った人だから、センスはいいはずなのだけど、まぁプロデューサーとしては無難なサウンドになっちゃうんだろうな。

6. Try It, You'll Like It
 同じ泥臭さでも、これはまた別路線で、サザン・ソウルに挑戦したナンバー。サウンドはしっかり作られているし、マーヴィンも頑張ってシャウトしてるけど、まぁ柄じゃないんだよな。

7. You Are That Special One
 マーヴィンというより、ミラクルズやテンプスなど、和声コーラス・グループに歌わせた方が映えるチューン。もっとリズム・セクションを大人しくさせて、10年後にレコーディングしたら、「Sexual Healing」並みに化ける可能性も窺える。

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8. We Can Make It Baby
 エモーショナルなポップ・ソウルという点においては、充分な秀作。ウィリーにとってもマーヴィンにとっても、いわばルーティンとなったセッションだけど、商売っ気に走れば、保守的なファンにはそれなりに好評だったはず。こんな良質な楽曲が埋もれてしまうとは、モータウンの品質基準が相当高かったか、それともやはり、時代の変化だったのか。

9. My Last Chance (Salaam Remi remix) 
 エイミー・ワインハウスやフージ-ズを手掛けたプロデューサー:サラーム・レミがリミックスを手掛けている、ってのがウリになるのかどうか、そんなツッコミは抜きにして、まぁ良質のポップ・バラード。単にメロウに流れ過ぎず、メリハリの効いたオケがバランスをうまく取ってるけど、こういう曲ならスモーキー・ロビンソンの方がうまいんだよな。

10. Symphony" (Salaam Remi LP mix) 
 テイストとしては『What’s Going On』のラストを飾るバラード「Wholy Holy」に近い。2019年の感覚でリミックスしているおかげもあって、サウンドにエッジが立っている。なので、こういったバラード特有のモワッと感はかなり軽減されている。

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11. I'd Give My Life for You (Salaam Remi LP mix) 
 ゴージャスなオーケストラをバックに、陶酔しながら歌うマーヴィン。本人がやりたいと言ってるのだから、周囲がどうこう言うのはお門違い。まぁモータウンがプレッシャーかけるのは当然として、一般ユーザーからすれば買わなきゃいいだけの話だし。

12. Woman of the World
 再びミゼル・ブラザーズのプロデュース。コーラス・アレンジやコール&レスポンスに古き良き伝統を引き継いで入るけど、基本リズムやアンサンブルは、マーヴィンの意向が大きく反映されている。ドナルド・バード『Street Lady』が初出だけど、オリジナルはこっち。これもソフィスティケイトされたポップ・ソウルとして高レベルだけど、当時のファンク路線とは違うよな、やっぱ。

13. Christmas in the City
 クリスマスをテーマとしたインスト。ソウルの枠を軽く飛び越えたムーグの独創的な使い方なんかは、のちの「After the Dance」にもリンクしている。まぁクリスマスっぽさなんかないので、テーマに捉われる必要はない。

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14. You're the Man (alternate version) 
 『Let’s Get it On』デラックス・エディションのヴァージョン2の方。前述したように、まだ手探り状態っぽいデモの段階。まぁ設計図のひとつとして、歴史的資料としての位置づけ。

15. I Want to Come Home for Christmas
 ベトナム戦争で捕虜となった友人や弟に捧げられた、帰還を願うクリスマス・ソング。当初、シングル発売の予定だったが、泥沼状態だったベトナム関連をテーマとすることをモータウンは良しとせず、当時はお蔵入りとなった。
 演奏やアレンジは至ってシンプルに、ストレートに思いのたけを込めたヴォーカルは、この時期では群を抜いたクオリティ。ブリッジ部分のクールなモノローグを挿入するあたり、この辺は稀代のサウンド・クリエイター:マーヴィン・ゲイのセンスが炸裂している。

16. I'm Going Home
 1995年にリリースされた4枚組アンソロジー『The Master (1961–1984)』で日の目を見た、『What’s Going On』セッションの未発表曲。マーヴィンにしては珍しい、シンプルなブルース・スケールのナンバー。そりゃマーヴィンだから、それなりの形にはなっているけど、やっぱ何かフィットしないよな、当たり前だけど。

17. Checking Out (Double Clutch)
 ラストも『What’s Going On』セッションのアウトテイクだけど、最後にとんでもないものが。ほぼダビングなし、ファンク・スタイルのスタジオ・セッションに、マーヴィンのポエトリー・リーディングで構成された一品。真摯なメッセージをストレートに伝えるため、メロディを抜いた語りという手段はとても有効だけど、まぁシングルにしてもアルバムに入れるにしても、ちょっと難しい。やってみたはいいけど、収まりどころがなくて未発表になったと思われる。なので、見方を考えれば、こういったコンピレーションに入れるのが、最もフィットする。



The Master 1961-1984
The Master 1961-1984
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