_SL500_ 初出は1978年リリース、「第一期ナイアガラ」と称される、コロンビア時代にリリースされた大滝詠一のベスト・アルバム。「ベスト」と称してはいるけれど、この時期はナイアガラにとってセールス的には暗黒時代とされており、まともに採算が取れた作品がなかったため、本人曰く、「セレクション・アルバム」という体裁となっている。
 ヒット曲もないのにベスト・アルバムなんて…、という自虐的なところもあるのか、本人的にリリースにはあまり前向きではなく、当時の音楽雑誌「ヤング・ギター」で収録曲を公募、人気投票で選ばれた曲を入れる、という、ある意味丸投げ的な構成となっている。

 で、今回取り上げるのは、このオリジナル『デビュー』ではなく、ソニー移籍後に再編集された『デビュー・スペシャル』の方。こちらは1987年リリースとなっており、俺世代としては多分、こちらのヴァージョンの方が馴染みがあるはず。オリジナルも一応、『Niagara Black Vox』での入手は可能だったけど、当時の10代に5枚組ボックス・セットは高根の花だったし、北海道の中途半端な田舎では、現物すら目にすることもできなかった。今も数年ごとに改訂が行われている書籍『All About Niagara』において、カバー・ジャケットや解説を読むことによって、何となく内容を掴んだ気にはなっていたけど、肝心の音については想像上の産物であることが長く続いていた。
 『Each Time』プロジェクトもひと段落つき、オリジナル・アルバムをまとめた『Niagara CD Book I』に続き、企画色の強いアルバムをまとめた5枚組『Niagara Black Book』に収録されたのが、この『デビュー・スペシャル』。『Vox』と違ってこちらは単品での発売も行なわれたので、予算の乏しい若きナイアガラーは、やっと幻の音源にありつくことができたのだった。

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 オリジナルからの収録は4曲のみで、あと5曲が未発表のライブ・テイクという構成は、オリジナル至上主義のユーザーだったら許しがたいスタイルだけど、そもそも当時のオリジナルの売り上げが数千枚程度だったため、比較のしようがない、というのが現実だった。それよりも何よりも、どんな形であれ一部だけでも復刻されたことは歓迎されるべきことだった。少なくとも、これでオリジナル復刻を待望することはできる。

 そんな事情もあったため、俺の『デビュー』とのファースト・インプレッションはこの87年版だったため、今でも俺の中の『デビュー』といえばこちらになる。
 その後、『デビュー』は2011年に『Niagara CD Book I』リイッシューにて、オリジナル・フォーマットでの復刻が実現、しかも2014年にはiTunesでの配信も開始され、より身近に入手しやすくなった。ほぼ封印状態だったにもかかわらず、大滝自身、何かしら思うところがあったのか、近年になってから公私にわたって清算モードに入っている。『Each Time』の30周年エディション完成を見て鬼籍に入ったのは、見事な締めくくりだったんじゃないかと思われる。

 というわけで、永遠に続くんじゃないかと思われたナイアガラ・アーカイブの更新作業は、大滝の死をもって終わりを見る。残された音源がいわゆる最終稿として、今後は語り継がれてゆくのだろう。だろうけど。
 いい意味でも悪い意味でも、長く活動してきたアーティストほど、黒歴史、なかったことにしておきたい作品というのは生まれてくるものだ。当時のポテンシャルでは実現できなかったけど、今のスキルならもっとうまく表現できる-、そう思い立ってリミックス・リマスターに手を付けるアーティストも少なくない。
 一度、日の目を見た音源は、記録に残り、また記憶に残る。アヒルの雛が初めて白鳥を見て「お母さん」と認識するように、初めて聴いたヴァージョンがオリジナルなのだ。
 なので、俺的に『デビュー』といえば、今も『デビュー・スペシャル』がオリジナルである。中古レコード店の目立つ場所にディスプレイされていた初版『デビュー』のアナログ盤は、とても手が届かない価格に設定されており、気軽に購入できるものではなかった。今ならダウンロードなりオークションなりで入手は可能だけど、正直今さら感の方が強い。多分、手に入れただけで満足してそれほど聴きこまないと思うし、実際、ダウンロードすらしていない。やはりファースト・インプレッションの衝撃は大きいのだ。

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 ただ今後、このヴァージョンが復刻されるかといえば、それはちょっと怪しいところ。これまでの20周年リマスターなどで蔵出し公開された未発表音源も、すっかり置いてきぼりにされてるし、正史じゃないものは上書きアップデート、淘汰されていくものかと思われる。
 各アルバムの既発・未発表アーカイブを時系列にまとめたボックスが、全ナイアガラーの望みなのだろうけど、まぁいつになることやら。

 この第1期ナイアガラをリアルタイムで聴いていたユーザーというのは、かなりごく少数だったため、今をもって初期ナイアガラーとしてデカい顔をしている者も少なくない。まぁ当時の出荷イニシャルはせいぜい4ケタ行けばいい方だったため、先物買いとしてはかなりの目利きがそろっていたことは間違いない。俺だってリアルタイムで接していれば、多分今でも筋金入りのナイアガラーとして巷説垂れていたかもしれないし。
 妄信的なナイアガラーによって、この時期の作品は崇め奉られており、ソニー時代よりも評価が高い場合が多い。特にレココレなんて読んでいると、コロンビア時代の作品はどれも傑作揃いのような紹介がなされている。
 マニアの間では聖典とされてはいても、外部の人間からすると大した価値もなく見えてしまうのはよくあることで、実際、第1期ナイアガラの作品がどれも傑作揃いというわけではなく、むしろ玉石混合、ていうか当たり外れが多い。多羅尾伴内楽団?あんなのただのエレキ・インストじゃねぇか。本人だって参加してるわけじゃないし。確かにコロンビア時代の作品もきちんと作られているモノもあるし、実際、俺も好きな作品は多いけど、少なくとも多羅尾伴内楽団を礼賛する人間は、どうにも信用できない。何でも手放しで礼賛するのはいかがなものかと。

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 なにゆえにコロンビア時代の作品クオリティに波があるのかといえば、そもそものレーベル契約の時点で問題がある。大滝の考えとして、ナイアガラを単なる個人レーベルではなく、自らのプロデュース作品をメインとしたリリース形態、その中にはもちろん大滝ソロも含まれるけど、あくまでワン・オブ・ゼムというのが当初の構想だった。レーベル第1弾が自身のソロではなく、シュガー・ベイブというところに、それが顕著に表れている。
 自宅スタジオに設置するための16チャンネル・テープレコーダーを譲り受けることを条件にコロンビアと契約、その際の包括事項として、3年で12枚のアルバム制作を請け負うことになる。普通の個人レーベルだと、正直レーベルとは名ばかり、単にジャケットの隅っこに印刷されているトレードマーク以上の意味合いはないのだけれど、本格的な独立レーベルとして始動したナイアガラにとって、この包括契約はビジネスであり、何が何でも遵守しなければならないものだった。

 設立当初はシュガー・ベイブもいるしココナツ・バンクだっているし、ナイアガラ・トライアングルの3者でローテーションしていけばうまく行くんじゃね?と軽く考えていた大滝だったけど、肝心の2バンドが相次いで解散してしまったことによって、ほぼ独りで企画を回さなければならなくなり、早い段階で初期構想は瓦解する。その後のやっつけ仕事、自転車操業の始まりである。
 どうにかリリースされた12枚のアルバムのうち、大滝名義のオリジナル・アルバムはわずか3枚。オリジナルじゃない大滝名義のアルバムが、『デビュー』と『CM Special』という企画盤である。1年に1枚のペースで新作オリジナルを制作するのは、この時代においては珍しいことではないのだけれど、そういったアーティスト活動よりはむしろ、プロデューサー業、アルバム量産のためのネタを絞り出すことが、当時の彼の中では最も大きなウェイトを占めていた。
 前述の多羅尾伴内楽団や『Let’s Ondo Again』などはPeter Barakanが絶賛したことによって伝説の作品扱いされているけど、正直、それほど楽しんで聴けるものではない。外人からの視点だと、エキゾチックな趣味に先見性を見出した、というところなのだろうけど、ライト・ユーザーを惹きつけるようなものはそんなにない。ていうかネタじゃねぇかこんなの。

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 すっごくひいき目に見て、Beatles誕生以前のポップスやロックンロールをバックボーンとしたモダンな視線でのオマージュという、自らの音楽的ルーツと対峙した楽曲、特にメロディ・タイプのものは今も古びることもなく、愛聴できるものも多い。無から有を創り出すのではなく、過去のレジェンドの遺産に敬意を払い、そこに歌謡曲や音頭など、日本独自のエッセンスを付加してオリジナリティを産み出したことは、もっと評価されてもいい。
 ただ問題だったのは時間的な余裕。アーティスト大滝詠一の創作環境・プロセスは、優先順位からすればかなり後回しにされ、プロデューサー多羅尾伴内として、完パケ品納入を第一義として考えなければならなかった。作品のクオリティは後回しにされ、常にケツカッチンのスケジュールの帳尻合わせとして、とにかく録って出しの突貫作業が日常化していた。

 で、この『デビュー』製作の経緯だけど、かなり気合を入れて作られたコロンビア時代最後のソロ『Niagara Calender』のセールス不振によって契約延長が事実上なくなり、契約消化のために作られたものである。ナイアガラ・レーベルも閉鎖が決まり、今さらアーティスト・エゴをごり押しするほどの気力もないので、だったらみんなに決めてもらった方がいいんじゃね?的な投げやりな選曲となっている。
 当時の「ヤング・ギター」の発行部数がどのくらいだったのかは不明だけど、読者の中の大滝ファンの総数がどれだけいたのか、またその中でどれだけ応募があったのかも不明だけど、どちらにしろ多くの人数ではなかったと思われる。なので、ファンの要望がどれだけ反映されているのかといえば、それはもう真相は闇の中。

 『デビュー』『デビュー・スペシャル』両方の収録曲を見ると、前者がほぼ3分の2、後者の半分がアップテンポのリズム・タイプで占められている。もともとコロンビア時代の大滝、メロディ・タイプの楽曲はそれほど多くない。当時の志向がリズムであったこと、また単純にスタジオ経費を抑えるため、メリハリのあるリズム主体のセッションの方が、時間も短縮できるところにあったのだろう。ソニー時代のようなメロディメーカーで売ってたわけじゃないし。
 「もし」というのは無粋だけど、『デビュー』のメロディ・タイプがもう少し多かったら、「もし」ミックスやセッションの過程で時間的余裕があったとしたら、もっと違う可能性もあったのかもしれない。ただ、ここでメロディ・タイプを使い切ってしまうと、後のロンバケには至らなかったかもしれないわけで。
 将来的に、両アルバムをまとめた完全版が作られればよいのだけれど、それにはまだ時間が必要なのかな。


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1. 空飛ぶくじら
 ここから4曲目までが、最初で最後の「ファースト・ナイアガラ・ツアー」1977年6月20日渋谷公会堂の音源。10日間で大阪・東京・仙台・名古屋・福岡を回るというハード・スケジュール。レコーディングもあったから、時間がそれしか取れなかったんだろうな、きっと。たまにyoutubeで上がってるけど、このツアーは映像が残されており、一般発売が熱望されているのだけれど、さていつになることやら。
 ソロ・シングル2枚目としてリリースされたのが初。作詞の江戸門弾鉄は松本隆のペンネーム。第1期ナイアガラとは、イコール松本隆の不在とも称されるのだけど、この曲はもともとはっぴいえんどのソロ・プロジェクトの流れで制作されたので、長いブランク前の貴重なコラボという位置づけにある。
 これまで泥臭いロック/時々フォークをサウンドのコアとしていたはっぴいえんど時代から一転、ここではクラリネットという非ロック的楽器を大きくフィーチャーしており、もともとのバックボーンであるポップスへの傾倒、リスペクトと覚悟とが窺える。

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2. 空色のくれよん
 『風街ろまん』収録、こちらも松本との共作。オリジナル同様、カントリー・テイストのゆったりしたサウンドなのだけど、大きく違うのはやはり大きくフィーチャーされた細野のベース。基本はルート音をなぞったシンプルなプレイなのだけど、音が太い。大滝自身のヴォーカルにさほど変化はないのだけれど、ボトムの効いたベース・サウンドは十分オルタナティヴ。
 ここで聴けるヴァージョンはもっとまったりした風合いが強いため、むしろこちらが大滝の意図だったんじゃないかと思われる。ヨーデルの部分も気持ち良さそうだし。

3. 田舎道
 こちらも初出ははっぴいえんど、3枚目の『Happy End』より。こちらもオリジナルと比較すると、はっぴいえんどヴァージョンが「ロックンロールをなぞろうとしたけど噛み合わなくて、なんか不思議なオルタナ」に仕上がっちゃってるのに対し、ここでは大滝の意図にうまくはまった正調ロックンロール。Little Richard 「Tutti Frutti」のワンフレーズを挟む余裕すら見せている。
 Keith Richardsも言ってたけど、ロールしてないとダメなんだな、やっぱりロックは。

4. ウララカ〜はいから〜ロン・ロン〜サイダー
 『大瀧詠一』『風街ろまん』、元ネタのPhil Spector「Da Doo Ron Ron」を挟み、ある意味、当時もっともよく知られたいた「サイダー」で締めるメドレー。基本リズムはすべて同じなので、アレンジしやすかったんだろうしライブにおいてもキラー・チューン的なポジションだった。

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5. Sheila〜シャックリママさん〜Love's Made A Fool Of You
 この曲のみ、1981年6月1日新宿厚生年金会館、ロンバケ発売記念コンサートでの音源。こちらも昔から完全版がネットで回っていたし、今も多分丁寧に探せば入手はたやすいと思われる。正規発売が待たれている音源のひとつ。多分、ロンバケ40周年かな、オフィシャルは。
 3.4.同様、こちらもオールディーズ/ロックンロールから『Niagara Moon』、Buddy Hollyのメドレー構成なのだけど、長期ブランクを挟んで晩年まで大滝組としてリズムを担った上原裕がドラムをプレイしており、バンドのグルーヴ感が違っている。盟友鈴木茂、松任谷正隆も参戦して、一時引退状態だった大滝のバックアップに力を貸している。

6. 指切り
 この音源も1曲のみ、1981年12月3日渋谷公会堂、前代未聞かつ後年も例がない、伝説のヘッドフォン・コンサートからの1曲。
 『ナイアガラ・トライアングル Vol.2』発売に先駆けて行なわれた、佐野元春・杉真理を従えたジョイント・コンサートなのだけど、普通のライブと大きく違う点があった。PA、スピーカーなど音響増幅の機材がステージ上に配置されてなかったこと、ヘッドフォン持参で集まった観客は会場入り口でFMウォークマンを渡され、ラジオ音声でライブ音源を聴くという、かなり画期的なスタイルのライブだった。親会社ソニーのバックアップがあったからこそ生まれた企画であり、販促の一環だったと思うのだけど、そこに物好きな大滝がうまく乗っかった形である。
 オリジナル・ラブやシュガー・ベイブがカバーしているように、一般リスナーだけじゃなく同業者からも人気の高い曲。大滝曰く、Al Green的なヴォーカルを模倣しようとしてファルセットも多様したりしたのだけど、できあがったのはソウルともポップスとも言えぬ奇妙な質感のサウンドに仕上がった。国籍不明・ジャンル分け不能なその楽曲は、プロから素人まで、あらゆる者を惹きつける吸引力を持つ。

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7. 水彩画の町
 ラスト3曲はオリジナル『デビュー』より。1978年5月、大滝のハウス・スタジオ「Fussa 45」で行なわれたセッションを中心に構成されている。セッション・メンバーを見ると注目なのは、ソロ初期から交流のあったムーンライダーズ勢の多さ。彼らもまた、メインのバンド活動ではなかなか芽が出ず、セッションや歌謡曲のバック・バンド、CMソング製作で息を繋いでいた点は、大滝と共通している。
 参加メンバーの中でも特筆すべきなのは、同じように本業ではなかなか注目されていなかった山下達郎のストリングス・アレンジの絶妙さ。カントリー・テイストのアレンジに彩りを添えるが如く、大滝のソフト・サウンディングを引き立てるような柔らかな調べは、楽曲のグレードを確実に上げている。オリジナルの『大瀧詠一』では流麗なフォークでしかなかったのに、ここでは華麗なカントリー・ポップに仕上げている。

8. 乱れ髪
 こちらも『大瀧詠一』が初出。アレンジもほぼ一緒、ヴォーカルスタイルもオリジナルをほぼなぞっている。ていうか下手にリアレンジできないほど、この曲は完成されている。前述の山下ソリーナ、軽いエコーが彩りを添えている以外は、ほぼそのまんまである。
 大滝が書いた楽曲の中でも1、2を争うクオリティであり、ヴォーカルもこれ以上はないという解釈でまとめられている。

 割れた 鏡の中
 畳の青が 震える
 何を そんなに
 見てるんだい

 外は 乱れ髪のような 雨
 ごらん 君の 髪が降る
 ごらん 君の 髪が降る

 西野カナやいきものがかりに慣れた感性では処理しきれない、あまりに斬新な歌詞世界が、大滝のクルーナー・ヴォイスを求め、そして見事に応えている。

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9. 外はいい天気だよ
 ラストは『Happy End』より。オリジナルには「だよ」がついていない。「だよ」をつけたことによって、特に駒沢裕城が奏でるスチール・ギターの響きが、ほのかなカントリー・テイストを漂わせている。この曲を聴くたび、俺は春ののどかな陽気の午後を連想してしまう。
 はっぴいえんどヴァージョンもまた、大滝の意図通りにカントリー・アレンジをなぞっているのだけれど、やはり強く印象に残るのはクセの強いリズム。大滝自身のヴォーカルはそれほど後年と変わらないのだけど、ドラムとベースの自己主張が強く、いびつな響きとなっている。
 ポップス/カントリーとしては歪んだ仕上がりではあるけれど、オルタナ・バンドとしてのはっぴいえんどであるのなら、これはこれで正しい。変に丸く収まらず、ただのフォークでさえストレートに聴こえない、バンド・マジックというのを体現した集団。
 同じ演奏・アレンジながら、はっぴいえんどヴァージョンと違って角が取れてマイルドになったサウンドが、ここでは展開されている。
 こうして比較してみると、はっぴいえんどという存在が、日本のポピュラー・ミュージックにおいて「静かなる異端」だったことが証明されている。やっぱり変わってるよな、この人たちって。



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