好きなアルバムを自分勝手にダラダラ語る、そんなユルいコンセプトのブログです。

Marvin Gaye

1973年のモータウン事情 その1 - Diana Ross & Marvin Gaye 『Diana & Marvin』

folder 1973年リリース、それぞれモータウンを代表する大物シンガー2人によるデュエット・アルバム。日本で例えると、山下達郎と竹内まりやが揃ったようなものである、と思ったのだけど、夫婦や恋人関係じゃないんだよな、この2人。
 一説には2人揃ってレコーディングされたものではなく、お互いバラバラにヴォーカル録りしたというエピソードも残ってるくらいなので、親密な間柄からは程遠い関係性が窺える。会社で言えば、第1・第2営業部の部長同士の共同プロジェクトといった方が正解かもしれない。そこは2人とも大人だから、親密さをアピールしてはいるけど。

 当時の2人のアーティスト・パワーからして、US26位UK6位という成績は、はっきり言っちゃえば大コケしたという印象。1+1のそれぞれ1は大きいため、相乗効果を狙ってはいたはずだったのだけど、単純な足し算効果も得られなかったのは、いま見ても不思議。6組ものプロデューサーを起用した贅沢なプロダクションで臨んだ結果、ジャケット・イメージ通りのトロけそうなメロウ・チューンを揃えているのね。
 Wiki を調べてみて驚いたのが、なんとこのアルバム、オリコン1位を獲得している。確かに名曲が詰まったアルバムではあるけど、そこまで当時の日本人に希求するほどの内容ではない。さすがに信憑性に欠けるので他のデータでも調べてみると、こっちではチャート・インすらしていない。一体、どれが正しいんだか。この時代は情報が錯綜している。

 1973年のモータウンがどんな顔ぶれだったのかというと、MarvinとStevie Wonderを中心とした革新派と、旧来のモータウン・ポップ・ソウルを遵守した保守派との2つに大別される。この他にもサブ・レーベルとして、Mo-westがSyreetaなど、保守・革新どちらにも分類されないオルタナ・ソウルを展開していたのだけど、大きな潮流には育たなかった。もう少し経てばCommodoresの登場によって、一気にディスコ・シーンへすり寄った音作りも導入されるようになるのだけど、それはもう少し後の話。
 革新派で前面に出ていたのがMarvinとStevieなのだけど、この2人ともそれぞれ独自の活動を展開していたため、派閥とは言えないゆるい結びつきだった。そもそもこの2人がコラボしてるところなんて見たことがない。オンリーワンの音楽性を持つニュー・ソウル勢が結束することはなかった。
 で、保守派の筆頭がDianaだったと言いたいところだけど、彼女は当時、モータウンの象徴的存在であって実績的にはそこそこ恥ずかしくない成績程度、実際のヒット・メーカーはJackson 5勢だった。Michael も本格的にソロ活動を始めたこともあって、この年だけでもライブを含めてアルバム4枚・シングル10枚をリリースしている。アメリカ公式だけでこれだけの物量なのだから、各国独断でリリースしたアイテムも含めると相当なものになる。実際の彼らの人気のピークはもうちょっと前に頂点に達しており、1973年は緩やかな下降カーブを描いていた頃なので、在庫総ざらえ感が否めない。

Diana & Marvin -  Inside 2
 

 これまでのモータウンのヒット必勝パターンが通用しづくなってきたのがこの1973年であり、そのヒット製造ラインにおんぶに抱っこだった保守派もまた、生き残りを賭けて各自模索していたため、強固な一枚岩とは言えなくなってきている。
 保守派の代名詞的存在とも言えるTemptations も意外に早くポップ・ソウル路線からの離脱を果たし、60年代末から隠れ革新派Norman Whitfieldプロデュースによる一連のプログレッシブ・ソウルへの傾倒具合を強めている。とは言っても彼ら、内実までエキセントリックなキャラクターになったわけではなく、ステージでは相変わらず気持ち良さそうに”My Girl”も歌っていたし、オーソドックスなコーラス・グループというスタイルを変えることはなかった。たまたまオルタナティヴな若手プロデューサーNormanが担当についたため、「まぁ好きにやってみろや」といった鷹揚な態度でサウンドを作らせていたらしい。「懐の深いベテラン上司をバックにつけた、若手社員主導による社内ベンチャー」と言えばわかりやすいかもしれない。リーダー格だったEddie Kendricksあたりが「ケツ持ちはやるから好きにやってみろ」とか言ってたのかな。
 日本で例えると、中田ヤスタカがダークダックスをプロデュースするようなものである。いや、ちょっと違うかな。

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 60年代をSupremesのメイン・ヴォーカルとしてスターダムの階段を駆け上がったDianaだったけど、次第にグループの勢いも落ち着いてきたため、70年代に入ると共にSupremesを卒業している。それを機に、モータウン定番のポップ・ソウルから音楽性を一新、アダルト・オリエンテッドなバラード・シンガーを志すようになる。
 US1位を獲得した”Touch Me in the Morning”を始めとして、ネスカフェのCMソングで有名になった”マホガニーのテーマ”(Theme from Mahogany ) など、日本のお茶の間レベルでも一定の認知はあった。カテゴリー的にはソウルではあるけれど、彼女が発する透明感のあるウィスパー・ヴォイスには黒人ヴォーカル特有のダイナミズムが希薄で、逆にオーソドックスにジャジー・テイストなサウンドとの親和性が高い。なので、彼女にとって この方向性は間違っていなかった。
 この時期のDianaはモータウン、ていうかオーナーBerry Gordyの方針として、単なるシンガーの枠に収まらないオールマイティなエンターテイナーを志向していた。その一環としての新たな試みが映画界への進出、それも結構真剣に女優としてのキャリアを歩んでいた。アカデミー主演女優賞にもノミネートされた「ビリー・ホリディ物語 (Lady Sings the Blues)」や、そこそこのヒットになった「マホガニー物語 (Mahogany) 」など、まぁカネに物を言わせた部分もあるだろうけど、とにかくハリウッド・セオリーに基づいた映画に次々と出演している。 多分DianaもGordyも理想像として描いていたのがBarbara Streisandのライフスタイルだったのだろうけど、あいにくDiana、彼女ほどのカリスマ性も足りなければ、真性のエンターテイナーに求められる『品格』が足りなかったのが決定的だったんじゃないかと思われる。
 こういった活動方針は先に述べたGordyの意向もあったけど、Diana自身の野心の目覚めも大きかったんじゃないかと思われる。単なるいちシンガーというだけでなく、ハリウッドへの進出を足がかりとして、行く末はセレブリティの仲間入りを目論んでいた節もある。実際はスタッフの尽力であったにもかかわらず「デビュー前の Jackson 5を発掘した」と喧伝してフィクサー気取りになったり、いい意味でも悪い意味でも、モータウンの中では別格扱いになっていた。

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 そういったDianaのお姫様気取りを面白く思わなかったのがMarvinである、と言いたいところだけど、そう単純な構図でもなかったんじゃないかと思われる。1970年代のMarvinはモータウンの枠組みにとどまらず、もっと広いフィールドで活動していた。ニュー・ソウル・ムーヴメントの最高傑作である『What's Going On』 をリリース、ここで「シリアスな社会派メッセージを訴える孤高のシンガー」というスタイルを確立すると、その次はまったく逆のベクトル、思いっきり個人的な「ただただ女の子とエッチしたいだけの精力みなぎる男」を描いた『Let's Get it On』によって、聖俗併せ持った奇妙なスタンスを獲得した。当時のMarvinの動向はソウル・シーンに限らず最重要項目であり、ミュージシャンなら誰もが彼の次のアルバムを心待ちにしていた。
 そんな状況だったので、Marvin的には自身の音楽活動と夜のクラブ活動で精いっぱいであり、モータウン内の勢力争いからは一歩身を引き、「俺関係ねぇし」といった態度を貫いていた。いたのだけれど、それもまた単純には行かない。当時のMarvinはオーナーGordyの姉と結婚していたのだけど、この頃から夫婦関係がこじれ始め、後に離婚をめぐる泥沼にはまり込むことになる。のちにMarvin、「妻Annaへの慰謝料稼ぎのために作られた」と揶揄されることになるアルバム『Hear My Dear』(邦題『離婚伝説』っ)において、延々未練がましい愛を歌うことになる。
 オーナーの身内と結婚しちゃってるのだから、一応Marvin自身もオーナー一族のひとり、完全に知らんぷりするわけにもいかない。業務命令で嫌々Dianaと組まされても、それなりにやる気をアピールしなくてはならない。いわゆる入り婿状態だったから、微妙に肩身も狭いだろうし、発言権も少なそうだしね。まぁ、黎明期から互いに屋台骨を支えてきたいわゆる戦友でもあるし、最近の女王さま的態度はちょっと鼻につくけど、別に俺メインじゃないからいっか、という感じで引き受けたんじゃないかと思われる。
 もともとモータウンでもドラマーとして入社して、「いつかNat King Coleみたいになれればなぁ」と思ってた人なので、強烈なスポットライトは好まず、むしろ裏方気質の人である。なのでこのアルバムでのMarvin、「そういった華やかな部分はDianaに任せとけばいいんじゃね?」的に開き直ったのか、悠然とした態度でサポート役に徹している。メインじゃない分だけプレッシャーも少ないので、ここではめっちゃロマンティックな歌声を披露している。
 このくらいはやればできる人なのだ。


Diana & Marvin
Diana & Marvin
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1. You Are Everything 
 今回はじめて知ったのだけど、これって、アメリカではシングル・カットされていないのだった。これだけ有名な曲なのに、なに考えてんだモータウン。
 UK6位なぜかオランダ6位という、なんとも微妙な成績を残している。チャート以上のインパクトがある、「70年代ソウル・バラードの一番搾り」と言っちゃってもよいキラー・チューン。もともとオリジナルは当時のフィリー・ソウルのトップ・グループStylistics 1971年のヒットだけど、今じゃすっかりこっちのヴァージョンの方が有名。線の細いヴォーカルのDianaに比べて、ここぞとばかりにエロさ全開のMarvinの印象が強い。
 だからシングルにしなかったんだな、Gordy。



2. Love Twins 
 心地よい流麗なストリングスと、金属的な響きのウーリッツァーとのコントラストが印象的なミディアム・ナンバー。ストリングス・オンリーだったら甘くなりがちなところを、ノイジーなエフェクト的エレピとの対比によってサウンドが引き締まり、ただユルいだけじゃない、ひと味違うスロー・ファンクに仕上げている。

3. Don't Knock My Love 
 言わずと知れた「ドリフの早口言葉」のテーマ・ソング。ある年代以上の日本人にとっては、確実にDNAに刷り込まれてしまっているナンバーである。
 もともとはソウル・シンガーWilson Pickett作曲による泥臭いファンキー・チューンなのだけど、ここでは強烈なブラス・セクションによるリフレインによって、メロディアスなダンス・チューンに仕上げている。
 ここで特筆すべきなのは、やはり志村けん。当時の日本人のどれだけが、サザン・ソウルにまで目配りしていただろうか。しかも、このイントロをコントのテーマに使おうだなんて、並みのセンスではない。彼監修による『Free Soul』コンピレーションなんてのも聴いてみたい気がするけど、きっと照れちゃってダメなんだろうな、そういうのって。

4. You're A Special Part Of Me 
 USポップ・チャート12位を記録したシングル・カット第1弾、メロウなフィリー・ソウル・ナンバー。ここでのDianaとMarvinの力関係はほぼ互角、Marvinもユニセックスなファルセットからマニッシュなシャウトまで多彩な技を披露しているけど、ここではもう少しDianaががんばっている。ていうか、ヴォーカル・ミックスそのものがDiana 寄りになっているのに気づく。気づいてからクレジットを見ると、プロデューサーに「Berry Gordy」の名。
 なんだ、そういうことか。

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5. Pledging My Love 
 オリジナルが1954年ということなので、ロックンロール創世記にリリースされたソウル・バラードのカバー。こうして歌い上げるナンバーはMarvin の専売特許、スタンダード・ナンバー特有のバタ臭さも少なく、しかもエモーショナルにキメてしまうのは、やはり持って生まれた才能である。
 こういったソウル色の薄いナンバーはDianaとも相性が良い。キャッチーさは少ないけど、2人の声質には最もフィットしたナンバー。

6. Just Say, Just Say
 これを最後にモータウン所属のお抱えソングライターから卒業、後に自らアーティストとしてヒットを連発することになるAshford & Simpson、彼ら夫妻による珠玉のミディアム・バラード。なんと、これもシングルじゃなかったんだ。
 ここはさすが夫婦デュオによる製作だったためか、最も自然にデュエットっぽい仕上がりになっている。きれいに絡み合うユニゾン、互いの見せ場となるソロ・パート、どれをとってもきちんと計算されている。

7. Stop, Look, Listen (To Your Heart) 
 イントロが1.と似てるよなぁ、といつも思ってたのだけど、同じStylisticsのカバーだった。こういった世界観は当時のフィリー・ソウルが最強だった。
 Marvinにとってはメロウ過ぎるけど、Dianaには最も居心地の良い世界。ただ単にメロディアスなだけではなく、サビの「Stop」「Love」「Listen to Your Heart」、この流れが最高に心地よい。

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8. I'm Falling In Love With You
 ソフト・サウンディングながらも不思議なグルーヴを感じさせるミディアム・スロウ。Marvinのエモーションに煽られたのか、それとも「静」と「動」の対比を意識したのか、ここでのDianaのヴォーカルは熱い感情を秘めながらも、クレヴァーなスタイル。感情をむき出しにできるMarvinとはそもそもスタイルが違いすぎるので、敢えて引きずられないような抑え加減が絶妙。そうか、こういった歌い方もできるんだ。
 作曲クレジットのMargaret Gordyって誰だっけ?と思って調べてみると、Berry Gordieの当時の愛人Margaret Johnsonのペンネーム。他ではDianaのソロ・アルバムくらいでしかクレジットされていないので、実力のほどは測りかねるけど、少なくともこの曲はなかなかのもの。もしほんとに書いてたらね。
 ちなみに豆知識、このBerryとMargaretの間に生まれたのが、後にモータウンよりデビューすることになるRockwell。一発屋とも言えぬくらい微妙なセールスで終わってしまったけど、今ごろ何してるんだか。

9. My Mistake (Was To Love You)
 US19位にチャート・インした、ちょっとメロウながら8.同様ファンキーなサビを持つポップ・チューン。こういった曲調の時のMarvinは最強。ていうかDianaじゃなくってTammi Terrellとやって欲しかったと思ってるのは俺だけじゃないはず。
 作曲に携わっているGloria Jones、聴いたことあるよなぁと思って何気に調べてみると、やっぱりMarc Bolanの奥さんだった。さらについでに調べてみると、パソコンの中に彼女のソロ・アルバムが入っていた。レアグルーヴの流れで聴いてたんだな、確か。一曲目の”Share My Love”はなかなか奇妙なプログレッシヴ・ソウルでオススメ。



10. Include Me In Your Life
 ラストはポップでジャジーなテイスト。コール&レスポンスで2人のシンプルな掛け合いが絶品。地味だけど曲順的にはしつこくならず、最適な位置。モノローグの掛け合いも収録されているので、せめてこれくらいは一緒にレコーディングしたものだと信じたい。




 かなりメロウな作り、AOR的・フィリー・ソウル調など、従来のモータウン・スタイルとはまた性質の違ったサウンドになっている。もちろんMarvin的要素は薄く、かなりDianaのフィールドに寄せたサウンド構成になっているにもかかわらず、でもMarvinが全然負けてる気がしないのは、Marvinファンのひいき目だけじゃないと思われる。だってDianaって、聴いてても面白くないんだもん。俺的にはMarvinのヴォーカルの強さばかりに耳が行ってしまう。Dianaファンだったら「Marvinうぜぇ」って思うのかな。

 1973年のモータウンについてはもうちょっと語っておきたいので、次回のStevie Wonderに続く。



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ある意味、モータウンの正直者 - Marvin Gaye 『Let's Get It On』

marvin_gaye_1973_-_lets_get_it_on_a-scaled10001 で、Stevie同様、モータウン特有のヒット・ソング製造システムになじめず、ニュー・ソウル・ムーヴメントの時流に乗って、大傑作『What's Going On』をリリース、これまでのソウル・ミュージック界に革命を起こすほどの好評、そしてアーティストとしての絶対的なスタンスを確立したにもかかわらず、それでもまだスタンダード・ジャズへの憧れが断ち切れず、コンプレックスでウジウジしていたのが、このMarvinである。

 Stevieの場合はまだ未成年だった事もあって、まぁ若気の至りで少々はっちゃけても、周囲の大人たちが生温かく見守ることによって許される部分もあったけど、この時のMarvinはすでに32歳、それなりに分別のある大人の年齢である。普通の会社でいけば働きざかり、主任程度になっていてもおかしくないポジションである。
 モータウンの中でも中堅クラスのトップに位置し、当然それなりのセールス実績を要求される立場のため、表立っては言われはしないけど、いろいろとプレッシャーや重圧もあったんじゃないかと思う。

 シングル・チャートでブイブイ言わせてた絶頂期にもかかわらず、Nat King Coleのカバー・アルバムを強行リリースするなど、「俺はほんとはこんなチャラいポップシンガーじゃないんだホントはシナトラみたいなスタンダード・ナンバーを歌いたいんだ」というコンプレックスに苛まれ苦しみ続けたのが、Marvinの素顔である。どれだけヒット・ソングを連発し、ポップ・アーティストとしてのステイタスが上がったとしても、ストレスは比例して募るばかりだった。

 だったのだけど、やはりMarvinもショー・ビジネスの世界に生きる男、清廉潔白な理想とは裏腹に、かなり俗っぽい一面もあったらしい。口では何かとボヤきながらも、環境に適応して、いろいろゴニョゴニョしてたらしく、そこはやっぱりただの男である。

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 そこそこ器用だったおかげもあって、作詞・作曲・演奏もひと通りこなすことができ、モータウンにも重宝されることによって、表舞台に出るチャンスも多かったことが、Marvinの持って生まれた幸運であり、才能でもあった。それにつけ加えて、シュッとしたスマートな見映えもまた、Marvinにとっては都合の良い方向に働いた。モータウンのセックス・シンボル担当として、ティーンエイジャーを含む女性らへのアピールは絶大で、その官能的な美声も相乗効果となって、多くのファンを獲得した。

 社長Berry Gordyの姉Annaと結婚したのが、純粋な理由だったのか政略的なものだったのかどうか、この時点では何とも分かりかねるけど、後のアルバム『Hear My Dear』において、延々2枚組ほぼすべてを使い切って、離婚にいたる想いやら泣き言やらを収録しているくらいだから、まぁ政略半分愛情半分くらいはあったんじゃないかと思う。
 そういった経緯もあって、レーベルの中ではかなり経営陣にも近い立場となり、このままコンスタントに活動していれば順風満帆だったはずなのだけど、やっぱNat King Coleへの憧憬は捨て難かったらしい。

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 なので Marvin、多忙を極めている間にも時間を作って、コッソリとスタンダード・ナンバーを録音しており、そのうちの幾つかは実際にリリースされている。いるのだけれど、モータウン的には別路線をあまり好ましく思ってなかったため、まともにプロモーションもせず、最低限の枚数だけプレスして、ほんとただ流通させただけ。なので、セールス的には惨敗している。
 内容的にも、まぁ自慢のクルーナー・ヴォイスを最大限に活かしたカクテル・ムード満載、大人のラウンジ・ミュージックめいたもので、とうぜんレベルは高いのだろうけど、これって別にMarvinじゃなくてもいいんじゃね?的な仕上がり。誰も彼にその方向性は求めていなかったのだ。

 Marvinの没後、便乗商法で過去の音源が発掘され、この辺の未発表トラックもまとめてリリースされているのだけれど、あまり評判は芳しくないようである。俺自身、この辺の音源はほんとサラッと聞き流しただけ、何の印象も残っていない。

 こうして書いてみて、「これって似たような人いたよな」って思ったのが、EXILEのATSUSHI。俺的認識としては、EXILEが増殖して、そこからtribeが派生、最近では3代目が人気を上回りつつある、ってところなのだけど、合ってるかな?
 で、その激動の流れから独りはずれ、現在独自路線を貫いているその姿は、かつてのMarvinとダブって見えてしまう時がある。彼の場合、EXILEの時は常にサングラスを外さず、見た目オラオラ系のリア充御用達アンちゃん的風貌にもかかわらず、ソロ活動ではサングラスを外し、するとそこにはEXILEとはかけ離れたつぶらな瞳、という往年の少女マンガ的パターン。オフコースや尾崎豊をこよなく愛し、もっぱらアコースティックなバラード系がレパートリー。
 これもEXILE的にはガス抜きの一つだと思われる。ダンス系の彼らのイメージとして、線の細いニュー・ミュージック的な側面はあまり受け入れられるものではない。EXILEグループも最近では世代交代の波が押し寄せ、3代目の方に人気がシフトしているため、以前より負担も少なくなっただろうけど、まぁこれからどうなるか。少なくともATSUSHIに『Let’s Get It On』は作れそうにない。その辺を求められるキャラでもないしね。

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 で、Marvin、前作『What's Going On』ではベトナム戦争などの社会問題を題材に選ぶことによって、ジャケットもなんだか聖人君子的な佇まいだったのだけど、ここでは一転、「お前とやりたいんだぜベイベェ」と、まるで正反対の顔を見せている。リリース当時なら、そのあまりのイメチェンに驚いたと思うけど、当然俺が初めて聴いたのは、リリースからもう20年近く経ってから、別に時系列に沿って聴いてたわけじゃないので、ただ単に訳詞を読んで、何だかエロい曲と思っただけ。ただ、そのあまりに直接的な内容から、モータウンの営業スタッフらの苦労が偲ばれる。

 一見、それぞれのテーマ設定が極端過ぎるため、この2枚のアルバムは接点がなさそうだけど、ものすごくこじつけて言えば、結局のところ、どちらのメッセージも人間の根源に基づくものであるし、彼にとっては、どちらも本質的には同じものなのだろう。


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1. Let's Get It On
 USでは2週連続1位だったにもかかわらず、なぜかUKでは最高31位までしか上がらなかった。やはりあまりに直接的なタイトル・メッセージが、むっつりスケベな英国人には敬遠されたのか。
 粘っこいWah Wah Watsonの特色あふれるワウ・ペダル・ギターは、ちょっと奥に引っ込んだミックスのMarvinのヴォーカルの官能をさらに引き立たせる。
 この時期のMarvinのサウンドはまだ多重コーラスにさほど力を入れておらず、緩やかなボンゴと程よいストリングスで構成されていて、良質なAORのルーツとしても聴くことができる。これがもう少し後になると、怒涛の多重コーラスの嵐で、むせ返るくらいのMarvinの体臭が堪能できる。


 
2. Please Stay (Once You Go Away)
 比較的モータウンの通常フォーマットに近いメロディとサウンド。とはいっても、バックを担当しているのが主に西海岸のスタジオ・ミュージシャンのため、演奏にメリハリがあり、特にドラムのPaul Humphrey、終盤のフィル・インは語り草となっている。

3. It I Should Die Tonight
 流麗なストリングスを主体として、アクセントに使われたヴィヴラフォンの響きが印象的な、ジェットストリーム的スロウ・ナンバー。中盤でダブル・ヴォーカルを披露しているけど、まだ濃密さは少ない。このアルバムのMarvin、比較的ヴォーカル処理はフラットなので、彼の素の声を堪能したいのなら、『What’s Going On』よりは、むしろこのアルバムの方がオススメ。

4. Keep Getting' It On
 タイトルでもわかるように、1.から派生してできたナンバー。ていうかこのアルバム、1.から4.までは同じセッションで録音されたものなので、ここまでが一つの組曲と考えても良い。ただ、前作と比べて曲の関連性・繋がりはちょっと緩やかというか、ちょっとアバウト。まぁその辺はあまり気にせずに。
 俺的には、1.よりもう少し軽いセッションっぽいので、この4.の方が気軽に聴けるのだけれど、いかがだろうか?

5. Come Get To This
 もともと西海岸界隈でストリングス中心のアレンジを一手に引き受けていたGene Pageなる人との共同アレンジによる、こちらも3.同様、シャッフルの入ったスタンダード風ナンバー。シングルとして、US21位UK51位はまぁまぁの成績か。
 ディナー・ショーっぽいアレンジだから、本人としても気に入っていたはずなのに、ライブではなぜか、熱い官能的なナンバーとなっている。何をしたいんだ、この人…。



6. Distant Lover
 で、こちらもライブでは血管がブチ切れそうになるほど、クライマックスで取り上げられていたナンバーなのだけど、ここでは比較的大人しく、スロウなポップ・ソウルの仕上がり。5.同様、ここではシンプルなアレンジなのだけど、ライブになるとエモーショナル全開エロ満載の激情バラードに変貌する。Marvinがセックス・シンボルだったことがよくわかるナンバー。



7. You Sure Love To Ball
 俺だけじゃなく、誰もが大大大好きなDavid T. Walkerのメロウなギター・プレイが全編で堪能できるナンバー。US50位はまぁ仕方ないかな、シングル向きのサウンドじゃないしね。『What’s Going On』で確立したファルセットの使い方が絶妙で、これがストリングスと絡んでくると、そりゃあもう、女性ウケは間違いない。

8. Just To Keep You Satisfied
 ラストは正統ハリウッド映画のサントラっぽいテイストの、まさしくMarvinとしてはズッパマリのスタンダード。せっかくJames Jamerson(B)を使っているのに、それほど持ち味が発揮されていないことが、ちょっと残念。



 このアルバム、やはり前半4曲の組曲風セッションがメインで、残りは結構時期もバラバラに録音されているため、前作ほどの統一感はちょっと薄い。それだけ『What’s Going On』が素晴らしすぎるのだけれど。
 後年リリースされているデラックス・エディションには、Herbie Hancockとのセッションなどが収録されており、この辺をうまく膨らませてくれれば、1.を核として、もうちょっとコンセプトもしっかりしたアルバムになったと思うのだけれど、まぁ勢いで作りました感が否めない。
 そういった反省もあって、しっかり作り込んだ『I Want You』や『Trouble Man』なんかがリリースされるのだけど、過渡期的アルバムと思ってもらえればいいんじゃないかと思う。




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「お前が欲しいんだぜベイベェ」をアルバムまるまる一枚使って表現 - Marvin Gaye 『I Want You』

i want you  久しぶりにMarvinのレビュー。前回『What’s Going On』の後、こちらも有名な『Let’s Get It On』をリリースしているのだけれど、こちらはすっ飛ばして、まずは個人的に好きな『I Want You』をご紹介。
 
 1976年リリース当時のデータを見ると、ビルボード総合チャートでは最高4位、R&Bチャートでも堂々の1位、UKでも4位にランクインしている。
 後期Marvinの代表作である『What’s Going On』『Let’s Get It On』にも引けを取らない売り上げを誇っているのだけど、あまりに両盤の評価が高すぎるのか、現状『I Want You』はあまり語られることの少ないアルバムである。Amazonでのレビュー数でも、その差は歴然としている。

 俺の個人的な位置づけとしては、両盤で確立した多重コーラスを更に深化させたサウンドは、フュージョン~スムース・ジャズへの重要な橋渡しになっていると思うのだけれど、あまりそういった掘り下げ方はされていないようである。デラックス・エディションも制作され、当時のアウトテイクも多数発掘されてるし、もっと評価されてもいいはずなのだけれど、依然日本での評価は可もなく不可もなく。
 
 Marvinにとって転換期の作品である『What’s Going On』は、それまでの享楽的なポップ・ソウルとは一線を画した、いわゆる社会的メッセージ性の強い作品だった。ベトナム戦争、公民権問題、人種差別などなど、これまでの「強いアメリカ」が世界情勢的に通用しなくなり、これまでは巧妙に隠されていた綻びが見え隠れしてきた頃、Marvinに限らず、先鋭的なアーティストは赤裸々なメッセージを声高に叫び、若者たちの支持を得た。

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 翻って『Let’s Get It On』はもっと個人的なメッセージ、要するに「今夜お前とヤリたいんだぜベイベェ」といった本能的な事柄を、これまたありのままに打ち出してきた。
 普通のミュージシャンなら『What’s Going On』路線を継承し、そのまま「愛と平和の人」に成り下がってしまうところだけど、そこは案外俗物のMarvin、外野の忠告など無視して自分のやりたい事、ていうかその時のマイ・ブームをそのままコンセプトにしてしまうことによって、聖人君子に祭り上げられるムードを一掃した。
 清濁併せることによって重層的な深みが生まれ、結果的にアーティストとしては上手い路線変更となったのは、まぁ単に結果オーライだと思うけど。
 
 ほぼ趣味的に作ったと思われる『Trouble Man』のサントラ仕事も終えて、次に出したのが、この『I Want You』。タイトルそのまんま、「お前が欲しいんだぜベイベェ」を二番煎じ的にやってはみたものの、いやシングルも売れた(ビルボード総合15位、R&B1位)のだけど、いまいち前作のインパクトが強すぎたせいもあるのか、まぁアベレージは維持しましたよ、という程度の売り上げ。
 
 前2作と比べて多少薄味にはなっているのは、一応理由がある。このアルバム制作に当たって、Marvinはサウンド・コンセプトにおいて、主要的に関わっていない。
 大部分のベーシック・トラックを作ったのはLeon Ware、当時モータウンの専属作家兼エンジニアだった人である。もともとは自分用のソロ・アルバム用に制作した"I Want You"を、たまたま耳にしたMarvinが気に入ったため、完成直前だったヴァージョンをオクラ入りさせ、Marvin自ら多重ヴォーカルを被せて完成させた、というのが一連の経緯である。そこからアルバム制作に向けてコンセプトを膨らませていったのだろう。
 
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 いささかムラッ気はあれど、いまだ会社の屋台骨を支える大スター,片や才能はあれど表舞台へ出るチャンスに恵まれなかった裏方スタッフとでは、社内での力関係は歴然としている。
 作品のクオリティは理解できる。ただ営業的にも経営的にも、ポッと出の新人より、大スターの看板で売った方が良いに決まってる。
 作った方は、それはそれで複雑だ。自社スタジオで作った音源だから、営業政策的に会社が強く言ってくるのは当然だ。大スターに認められたことは、それはそれで喜ばしいとして、でも自分のためにとっておいた自信作をかっさらわれるのだから、あまりいい気はしない。
 双方、事は荒立てたくない。互いの妥協点を見出すため、何かと駆け引きがあったようだ。

 Marvin、イコール会社側が出した条件として、曲を譲り受ける代わりにプロデュースを任せたい、との懐柔策が提示される。
 まぁいいようにこき使われるわけだけど、何しろ大スターMarvin Gayeのアルバム、ある程度のセールスは見込まれるわけだから、印税の取り分だって今までより破格だし、何より業界に顔を売り込むチャンスである。
 互いの利害関係が一致したおかげで、"I Want You"を柱としたアルバムは完成した。
 Leon自身もこれで注目を浴びることとなり(レコード会社との取引があったことも考えられる)、古巣モータウンから本格的デビュー(『Musical Massage』)、こちらも高評価を得ることになる。


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1. I Want You (Vocal)
 柔らかなストリングスに交じって、丁寧に重ねられた多重ヴォーカルが厳かに響き、小さなヴォリュームでディストーション・ギターがスパイスのようにリズムを刻む。
 Marvinの伝えたいことはただ一つ、「お前が欲しい」。たった一つの言葉を伝えるために作られた、大掛かりな舞台装置。Leonだけでは物足りなかったサウンドが、エモーショナルなMarvinのヴォーカルによって完成される。

 
 
2. Come Live With Me Angel 
 基本、1.と同じテイストの曲というより、このアルバムのほとんどが"I Want You"のヴァージョン違いみたいなものだけど、ややリズムが強くなっている。ささやきかけるようなヴォーカルが、またエロい気分にさせる。
 
3. After The Dance (Instrumental)
 Arpとエレピによって作られた、同じくエロいムードの曲。このアルバム制作前にサントラ仕事を手掛けているせいもあって、どことなく映像的な構成になっている。
 
4. Feel All My Love Inside  
 こうして続けて聴いてみると、バック・トラックはほとんど同じに聴こえてしまうし、Marvinのヴォーカルもどれもみな同じウィスパー・ヴォイスなのだけれど、単体で評価するのではなく、総体としてのアルバムの一構成要素として捉えた方がわかりやすい。中盤から女性の喘ぎ声が入っているのが、Marvinのほんとにやりたかったこと。
 
5. I Wanna Be Where You Are
 少しテンポが速く、ややシャッフル気味のリズムが、まったりムードだったアルバムにメリハリをつけている。でも、ほとんどブリッジ扱いのため、1分少々で終わってしまう。もうちょっと長く聴きたい人には、デラックス・エディションがオススメ。6分ほどの完成版を聴くことができる。

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6. I Want You (Intro Jam 1)
 ほんとイントロのみ。次の曲とのつなぎだけど、要はすべての曲が"I Want You"のバリエーションで、すべてがひと繋がりで一曲を成していることを言いたいのだろう。
 
7. All The Way Around
 テンポが"Marcy Marcy Me"っぽい、ミドル・テンポの曲。アレンジ次第では、純正モータウン風ポップ・ソウルに聴こえてしまいそうだけど、共同プロデューサーであるLeonの手腕によって、レベルを一段も二段も上げている。
 
8. Since I Had You 
 マリンバとメロディアスなベースで構成されている、シンプルな曲。と思いきや、Marvinの多重コーラスに交じって甘い囁きがほのかに響く。
 当時のMarvinはセックス・シンボルとしても人気を得ていたということだけど、確かにこの甘くとろけるようなヴォイスなら、どんな女性でも口説けたことだろう(だからこそ、後に収拾がつかなくなり、修羅場にはまり込むのだけれど)。
 
9. Soon I'll Be Loving You Again 
 『What’s Going On』で確立した、破裂音の少ないコンガでリズムをキープする、ヴォーカルを引き立たせる曲。とにかくこのアルバムは良い意味でワン・パターンで、隙間なく自分のバック・ヴォーカルで埋め尽くしている。ナルシスト全開。
 
10. I Want You (Intro Jam 2)
 再びブリッジ的な小品。しかも今度は少し長めに尺を取ってある。ブラスがちょっと『金曜ロードショー』のオープニングを思い起こさせる。水野晴郎の怪しげな笑顔を思い出してしまうのは、俺だけだろうか?
 
11. After The Dance (Vocal)
 3.のヴォーカル入りヴァージョン。やはりサウンドのテイストは"I Want You"だけど、こちらは少しラウンジ・ジャズ風。もともとはこういった路線に進みたかった人だから、ノッてるのがよくわかる。
 これもシングル・カットされているけど、全米総合74位とチャート的には低迷。
 地味だけどいい曲、いい曲だけど地味。言葉通りの曲であり、まぁ妥当な評価ではある。Marvinに求められているのは、もっとエネルギッシュでアグレッシヴ、しかもちょっとセクシーなエロさこそが、ファンのニーズである。
 





 本作リリース後、アーティスト的ビジネス的には順調と思われたのだけれど、先妻との離婚の泥沼(やっかいなことに、彼女はモータウン社長Berry Gordy, Jr.の姉であったため、社内的にも微妙な立場に追い込まれた)、本人の麻薬依存など、私生活でのトラブルが頻発する。
 慰謝料を稼ぐためでもあるが、そのストレスと苦悩をそのまんま表現したのが、次作『Hear My Dear』である。
 ちなみに当時の邦題が『離婚伝説』(!)、こちらもそのまんまだけど、これは日本のディレクターにも責任がある。なんていうか、悪意むき出し皮肉たっぷりのタイトルである。女性週刊誌や内部告発本みたいなネーミングだな、こりゃ。



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北海道の中途半端な田舎に住むアラフィフ男。不定期で音楽ブログ『俺の好きなアルバムたち』更新中。今年は久しぶりに古本屋めぐりにハマってるところ。
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