1986年リリース、バンドとしては通算8枚目のアルバム。後期の代表作として知られているこの作品、当時のUKチャート最高90位はちょっと低すぎるんじゃないかと思うけど、USでは最高70位と、彼らにしては珍しく、本国よりアメリカでの評価が高い。やはりシングル"Dear God"がカレッジ・ラジオ・チャートにランクイ・ンしたことが大きかったのだろう。いくらインディー・チャートとはいえ、イギリスや日本と比べてセールスの規模が圧倒的に違うため、影響力はハンパない。
さすがに総合チャートへは届かず、一般リスナーにまで浸透したわけではないけど、Donovanを意識した、ちょっぴりフォーキーでネオ・アコっぽいサウンドは、R.E.M.ファンに代表される、ちょっとダサめの大学生らの支持を受け、カレッジ・ラジオではそこそこヘビロテされていた。
ここ日本においても、これまでロック~ニュー・ウェイヴの文脈で語られていたXTC、このアルバムから「密室ポップ」を強調したプロモーションが展開されたことによって、新たなファン層を獲得し、その後のBig in Japanの流れの源流になる。
13. Dying
再びColin登場。アメリカのフォーク寄りのシンガー・ソングライター的なナンバー。でもやっぱり英国人、コード進行はどこか変。
さすがに総合チャートへは届かず、一般リスナーにまで浸透したわけではないけど、Donovanを意識した、ちょっぴりフォーキーでネオ・アコっぽいサウンドは、R.E.M.ファンに代表される、ちょっとダサめの大学生らの支持を受け、カレッジ・ラジオではそこそこヘビロテされていた。
ここ日本においても、これまでロック~ニュー・ウェイヴの文脈で語られていたXTC、このアルバムから「密室ポップ」を強調したプロモーションが展開されたことによって、新たなファン層を獲得し、その後のBig in Japanの流れの源流になる。
XTCとしても転換点となったアルバムであり、その後、連綿と続く箱庭ポップ路線の礎となっている。これまでよりかなりポップス寄りに傾いたサウンド・メイキングはもちろんだけど、それ以上に、完成までに至る制作過程が何かと取沙汰されているアルバムでもある。
プロデューサーのTodd Rundgrenは、当時、長年所属していたBearsvilleレーベルと契約終了(解除?)、自身のバンドUtopiaもセールス不振で解散、ソロ活動もパッとしてなかったため、アーティストとしては開店休業中の状態だった。ただ印税生活で食っていけるほどのセールス実績もなく、取り敢えず長年音楽業界に携わっていたおかげで無闇に顔だけは広かったので、他人のプロデュース依頼はしょっちゅうあり、それが本業となりつつあった。Todd自身はチャートを賑わせたことはないけど、The BandやGrand Funkなど、アメリカでもメジャーどころのアーティストをプロデュースしており、業界内での評価は高かった。
それまでのプロデュース実績から言って、なぜイギリスの偏屈バンドのオファーを請け負ったのか、今となっては定かではないけど、まぁ大方は金のためなんじゃないかと思われる。それか業界内で顔が広いのが災いして、いろいろな義理やしがらみなんかがあったのかもしれないし。
それまでのプロデュース実績から言って、なぜイギリスの偏屈バンドのオファーを請け負ったのか、今となっては定かではないけど、まぁ大方は金のためなんじゃないかと思われる。それか業界内で顔が広いのが災いして、いろいろな義理やしがらみなんかがあったのかもしれないし。
片やAndyの方も、立場は違えど事情は差し迫っていた。Steve Lillywhiteによる革新的なドラム・サウンドの導入、ニュー・ウェイヴ版Lennon & McCartneyとも形容された、Colin Mouldingとの相互作用による楽曲レベルの向上など、音楽的・業界内評価は上がっていたのだけど、やはりモノを言うのはセールスである。ましてやステージ・フライト発症のため、ライブ活動からは引退、レコーディングと作曲活動を優先したため、プロモーションも満足に行なわれず、活動は次第に地味になっていた。
で、タチが悪いことに、それをまたレーベルのせいにする被害妄想を広言するものだから、目も当てられない。確かにCulture Clubばかりに力を入れていたVirginにも非はあるけど、堅実なレーベル運営としてはそれが当然だし、何かとイチャモンをつけてロクに働こうともしないアーティストを飼い殺しにするのも、わからないではない。
双方険悪の状態が続き、意思疎通もままならぬまま、業務連絡的にVirginがプロデューサーを指名、契約に縛られたバンドは受け入れざるを得なかった、という次第。
で、タチが悪いことに、それをまたレーベルのせいにする被害妄想を広言するものだから、目も当てられない。確かにCulture Clubばかりに力を入れていたVirginにも非はあるけど、堅実なレーベル運営としてはそれが当然だし、何かとイチャモンをつけてロクに働こうともしないアーティストを飼い殺しにするのも、わからないではない。
双方険悪の状態が続き、意思疎通もままならぬまま、業務連絡的にVirginがプロデューサーを指名、契約に縛られたバンドは受け入れざるを得なかった、という次第。
そんなこんなで、アメリカとイギリスを代表するへそ曲がり二人が、それぞれの事情を抱えて仕方なくタッグを組むのだから、まぁ一つや二つ、衝突が起こっても不思議ではない。
もちろん双方、才能とスキルを充分に持ったミュージシャンなので、共同作業のうち、お互いに顔を見合わせ、ニンマリ笑う瞬間だってあったと思う。ブースを隔ててアイ・コンタクトを取り合う、理想的なプロデューサーとミュージシャンとの構図も、わざわざ言うのは恥ずかしいけど、何度かあったんじゃないかと察する。
リリース直後は、2人の衝突具合がクローズ・アップされ、お互い、メディアを通して罵り合いを続けていたのだけど、お互い年を取ったせいなのか、近年では回顧ネタの定番として、使い回しの鉄板エピソードをそれぞれ披露しあっている。
もちろん双方、才能とスキルを充分に持ったミュージシャンなので、共同作業のうち、お互いに顔を見合わせ、ニンマリ笑う瞬間だってあったと思う。ブースを隔ててアイ・コンタクトを取り合う、理想的なプロデューサーとミュージシャンとの構図も、わざわざ言うのは恥ずかしいけど、何度かあったんじゃないかと察する。
リリース直後は、2人の衝突具合がクローズ・アップされ、お互い、メディアを通して罵り合いを続けていたのだけど、お互い年を取ったせいなのか、近年では回顧ネタの定番として、使い回しの鉄板エピソードをそれぞれ披露しあっている。
パンク/ニュー・ウェイヴのフォーマットを使って、変拍子使いまくりのギター・ポップ・サウンドでデビューした後、当時はまだほとんど注目されていなかったダヴ・サウンドで丸ごと一枚アルバムを作ってしまい、それにも飽き足らず、せっかくの初ソロ・アルバムなのに、またまたダヴでもう一枚作ってしまう男、Andy Partridge。
歴代のプロデューサーとことごとくケンカ別れしてきた男であり、レコーディング後はいつも出来映えに不満タラタラなので、二度と同じプロデューサーと仕事をすることはないけど、だからと言ってセルフ・プロデュースはできない男でもある。偏執狂的な完璧主義と優柔不断とが相まって、レコーディング作業を終わらせることができないことを一番よく知っているのは、Andy本人である。
アメリカ人Toddがプロデューサーとして送り込まれたということは、当然、アメリカ市場も視野に入れたVirginの戦略であり、バンド側としては不本意な面も多々あっただろうけど、結果として出来上がったサウンドは、Virginのほぼ思惑通りに仕上がった。
コードとは無関係に流れるメロディ、リバーヴをかけたドラム・サウンドなど、マニアックなギミック中心だった今までのXTC像と違って、このアルバムはインドア志向、ライブ感の薄い室内型ポップにまとめられている。マニアックな音像は変わらないけど、メロディを引き立たせた曲が多いため、これまでよりファン層を広げるきっかけ作りができたのは、やはりToddの功績が大きい。当時のAndyは認めてなかったけど。
大きく分けて、耳に馴染みやすいキャッチーなA面曲と、地味な室内四重奏を思わせるB面曲に大別されるのだけど、しばらく意識的に聴き込んでいけば、次第に大英帝国特有の、ペーソスやら皮肉やら嫌味やら揶揄やら中二病やらが、ジクジクとかさぶたの下から滲み出てくるはずだ。
コードとは無関係に流れるメロディ、リバーヴをかけたドラム・サウンドなど、マニアックなギミック中心だった今までのXTC像と違って、このアルバムはインドア志向、ライブ感の薄い室内型ポップにまとめられている。マニアックな音像は変わらないけど、メロディを引き立たせた曲が多いため、これまでよりファン層を広げるきっかけ作りができたのは、やはりToddの功績が大きい。当時のAndyは認めてなかったけど。
大きく分けて、耳に馴染みやすいキャッチーなA面曲と、地味な室内四重奏を思わせるB面曲に大別されるのだけど、しばらく意識的に聴き込んでいけば、次第に大英帝国特有の、ペーソスやら皮肉やら嫌味やら揶揄やら中二病やらが、ジクジクとかさぶたの下から滲み出てくるはずだ。
1. Summer's Cauldron
どこからともなく聴こえてくる、虫の鳴き声、緩やかなピアニカの調べ。朗々と歌い上げるAndyのヴォーカル。薄くバックに流れる、不安げなシンセの和音。夏の夜長、怪しげな楽団がアコースティックな響きを奏でる。
時代だけに、ドラムの音だけが騒々しく浮いているが、これはこれで良い。
時代だけに、ドラムの音だけが騒々しく浮いているが、これはこれで良い。
2. Grass
前曲からシームレスに続くメドレー。この繋ぎだけでも、Toddの今回のベスト・ワークに数えられる。
ちょっぴりチャイナ風のオープニングから、オーガニックな響きのアコギのストロークが気持ちいい。実際、PVもイギリスの田舎の農場を舞台に作られている。イギリス英語に詳しい人ならご存知だと思うが、いわゆる「ハッパ」の隠語である。
ラストのコーダで再び、前曲の不安げなシンセ和音と虫の鳴き声で終わる。
ちょっぴりチャイナ風のオープニングから、オーガニックな響きのアコギのストロークが気持ちいい。実際、PVもイギリスの田舎の農場を舞台に作られている。イギリス英語に詳しい人ならご存知だと思うが、いわゆる「ハッパ」の隠語である。
ラストのコーダで再び、前曲の不安げなシンセ和音と虫の鳴き声で終わる。
3. Meeting Place
2.に引き続き、Colin作。良い意味であまり捻らないポップ・ソング。
Andyよりもわかりやすく、シングル向けの曲を書く人でもある。
Andyよりもわかりやすく、シングル向けの曲を書く人でもある。
4. That's Really Super, Supergirl
おもちゃみたいなビート・ボックスのオープニングから始まる、Andyらしい凝った作りのポップ・ソング。このアルバムではアコギに専念することが多く、間奏のギターソロもColinによるもの。豆知識だけど、たまたまスタジオにEric Claptonから譲られたのギブソンが置いてあり、それを使用した、とのこと。
XTCとしてはポップで可愛らしい、シングル向きの曲であり、実際バンド側もシングル・カットを主張したのだけど、Toddは却下した、とのこと。よくわからん。
XTCとしてはポップで可愛らしい、シングル向きの曲であり、実際バンド側もシングル・カットを主張したのだけど、Toddは却下した、とのこと。よくわからん。
5. Ballet for a Rainy Day
Andy作による、珍しくストレートにムーディーな曲。次のアルバム・タイトルである、『Oranges & Lemons』が歌詞冒頭に出てくる。一見ロマンチックな曲だけど、ドラムはゲート・エコーを使用しており、XTCっぽさを主張している。
6. 1000 Umbrellas
前曲と繋がり、弦楽四重奏をバックに、Andyが本アルバムでのベスト・ヴォーカルを聴かせる逸品。
サウンドが注目を浴びるあまり、取り上げられる機会は少ないが、よく響くAndyのヴォーカルは結構表現力もあり、ライブ映えするはずである(もう多分しないだろうけど)。特に低音域の通る声は、サウンドをも凌駕する。後年制作される、『Apple Venus』シリーズの前哨戦といった趣き。
でも、この頃の方が若さがあって良い。
前曲と繋がり、弦楽四重奏をバックに、Andyが本アルバムでのベスト・ヴォーカルを聴かせる逸品。
サウンドが注目を浴びるあまり、取り上げられる機会は少ないが、よく響くAndyのヴォーカルは結構表現力もあり、ライブ映えするはずである(もう多分しないだろうけど)。特に低音域の通る声は、サウンドをも凌駕する。後年制作される、『Apple Venus』シリーズの前哨戦といった趣き。
でも、この頃の方が若さがあって良い。
7. Season Cycle
レコードでは、ここまでがA面。
2部構成となっているが、仰々しくなく仕上がっているのは、プロデューサーのまとめ方が良かったのだろう。
数少ない共通項である、Beatlesライクな小品。
レコードでは、ここまでがA面。
2部構成となっているが、仰々しくなく仕上がっているのは、プロデューサーのまとめ方が良かったのだろう。
数少ない共通項である、Beatlesライクな小品。
8. Earn Enough for Us
前曲より更にビート・ポップ成分を強調した曲。
パワー・ポップ系の若手がカバーすると、意外とイイ線いけるんじゃないかと思う。
前曲より更にビート・ポップ成分を強調した曲。
パワー・ポップ系の若手がカバーすると、意外とイイ線いけるんじゃないかと思う。
9. Big Day
サイケ調のポップ・ソング。このアルバム・リリースの前後に、モロサイケ・サウンドのシングルを変名で制作(The Dukes of Stratosphear『25 O' Clock』)、その流れに続く、趣味全開のサウンド。
10. Another Satellite
同じく、サイケ・サウンドが続く。ドヨ~ンとしたエフェクトを利かせたギターがサウンドを支配、気だるいアフロ・ビートのパーカッションがリズムを切る、よく聴けばやっぱり変な曲。
同じく、サイケ・サウンドが続く。ドヨ~ンとしたエフェクトを利かせたギターがサウンドを支配、気だるいアフロ・ビートのパーカッションがリズムを切る、よく聴けばやっぱり変な曲。
11. Mermaid Smiled
基本、アコギのストロークで歌われているのだけれど、微かに聴こえるアフロ・パーカッションのうねり。ピッコロ・トランペットの響きとのマッチングは、やっぱりTodd。こんなシンプルな曲でこんな組み合わせ、どっか変。
基本、アコギのストロークで歌われているのだけれど、微かに聴こえるアフロ・パーカッションのうねり。ピッコロ・トランペットの響きとのマッチングは、やっぱりTodd。こんなシンプルな曲でこんな組み合わせ、どっか変。
12. Man Who Sailed Around His Soul
スパイ映画のテーマ曲みたいなオープニング。この曲だけちょっと毛色が違い、70年代ジャズ・ファンクっぽいサウンド・アレンジが展開されている。もっとファンクっぽくやっても面白かったんじゃないかと思う。ライブやってればねぇ…。
スパイ映画のテーマ曲みたいなオープニング。この曲だけちょっと毛色が違い、70年代ジャズ・ファンクっぽいサウンド・アレンジが展開されている。もっとファンクっぽくやっても面白かったんじゃないかと思う。ライブやってればねぇ…。
13. Dying
再びColin登場。アメリカのフォーク寄りのシンガー・ソングライター的なナンバー。でもやっぱり英国人、コード進行はどこか変。
14. Sacrificial Bonfire
初回ヴァージョンはこの曲でラスト。ここまでシンプルなフォーク・ナンバーを複数収録しているアルバムは、これまでのXTCではなかったこと。この辺から既にAndyとColinとの方向性の違いが明確になってきている。
初回ヴァージョンはこの曲でラスト。ここまでシンプルなフォーク・ナンバーを複数収録しているアルバムは、これまでのXTCではなかったこと。この辺から既にAndyとColinとの方向性の違いが明確になってきている。
15. Dear God
華やかなA面と比べ、B面は比較的地味な曲が並ぶのだけれど、この曲は別格。XTCの曲なのに、冒頭ワン・コーラスまるまる、変声期前の少年にリードを取らせること自体、XTCとしてはかなりの異例だった。
サイケ時代のアシッド・フォークを模したサウンド、タイトル通り、神への不信感、というよりは、現実の前にはあまりに無力な宗教への疑心を歌った歌詞など、宗教観に疑問を持ち始めるアメリカの若者にとっては受け入れやすいものだった。
オリジナル・リリースではアルバム未収録(やはりToddの横槍が入った)、シングルのみのリリースの予定が、突然のスマッシュ・ヒットによって、急遽アルバムに収録された、という事情があるため、リリース時期や国によって、曲順に結構違いがある。
サイケ時代のアシッド・フォークを模したサウンド、タイトル通り、神への不信感、というよりは、現実の前にはあまりに無力な宗教への疑心を歌った歌詞など、宗教観に疑問を持ち始めるアメリカの若者にとっては受け入れやすいものだった。
オリジナル・リリースではアルバム未収録(やはりToddの横槍が入った)、シングルのみのリリースの予定が、突然のスマッシュ・ヒットによって、急遽アルバムに収録された、という事情があるため、リリース時期や国によって、曲順に結構違いがある。
アメリカでそこそこのセールス実績を残せたため、密室ポップ・サウンドへの方向性に手応えをつかんだXTC(特にAndy)、大英帝国テイストのパワー・ポップ路線をさらに強め、『Oranges & Lemons』、『Nonsuch』とメジャー・サウンドを意識したアルバムを立て続けにリリースする。2作とも、Toddとのレコーディング時に得たノウハウを巧みに吸収し、シングル候補となる曲も多い、ポップ小品集ではある。
あくまで「小品集」である。『Abbey Road』張りに片面すべてを組曲風に繋げ、トータルでの作品のパワーの相乗効果を持たせた『Skylarking』との最大の違いが、ここ。
あくまで「小品集」である。『Abbey Road』張りに片面すべてを組曲風に繋げ、トータルでの作品のパワーの相乗効果を持たせた『Skylarking』との最大の違いが、ここ。
このアルバムのレコーディング当時、バンドがセッションを済ませた後、Toddはかなりの時間、スタジオに残ってコンソールを操っていたらしい。結果、XTCを素材とした、Todd色の濃いアルバムが出来上がった次第。バンドが良い顔をしないのも、まぁ当然である。
この後、ライブ活動を再開しなかったことが、バンドの崩壊・自然消滅にも繋がる。
ステージで容易に再現できるようなサウンドではなかったのだけど、やはりバンドの求心力を考えると、短期でもツアーに出れば、状況はまた違ったんじゃないだろうか。
多少の危機感とレコード会社からの要請だと思うけど、この時期、ラジオ局でのスタジオ・ライブを頻繁に行なっており、その音源も正規・非正規ともリリースされているのだけど…、
ステージで容易に再現できるようなサウンドではなかったのだけど、やはりバンドの求心力を考えると、短期でもツアーに出れば、状況はまた違ったんじゃないだろうか。
多少の危機感とレコード会社からの要請だと思うけど、この時期、ラジオ局でのスタジオ・ライブを頻繁に行なっており、その音源も正規・非正規ともリリースされているのだけど…、
そうじゃないんだよっ!
バンドは生き物なんだから、動き続けなきゃダメなんだよ、
人前に出ないで演奏しなくちゃ、
バンドも楽曲も、
そしてメンバーたちのやる気も死んじゃうんだよっ。
バンドは生き物なんだから、動き続けなきゃダメなんだよ、
人前に出ないで演奏しなくちゃ、
バンドも楽曲も、
そしてメンバーたちのやる気も死んじゃうんだよっ。
『Apple Venus』以降、XTCとしての活動は次第にフェードアウトしてゆき、Andy監修による大量のデモ・テープ集、初期のライブ・アーカイヴなど、まるでRobert Frippのように、過去の遺産で食いつなぐ商売をダラダラと続けている。最近になって、『Skylarking』のニュー・バージョン(レコーディング段階でToddが機材の繋ぎ方を間違えてしまい、バンド側意向として、正しい極性でミックスし直された)がリリースされたのだけど、「なんだそれ?」である。
もうそんなものに興味はない。あの時代の輝きは、あの時代だけのものだ。
もうそんなものに興味はない。あの時代の輝きは、あの時代だけのものだ。
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