好きなアルバムを自分勝手にダラダラ語る、そういったゆるいコンセプトのブログです。

UKポップ馬鹿とヘルマン・ヘッセとの類似点 - Prefab Sprout 『Andromeda Heights』

folder  小説家よしもとばななが「王国1 アンドロメダ・ハイツ」で引用したことで、やや幅広いジャンルで認知度のある、Prefab Sprout通算7枚目のアルバム。本国UKを含むヨーロッパではそこそこのチャート・アクションを展開し、健在ぶりをアピールした。

 前作『Jordan The Comeback』から7年、あのBostonにも負けず劣らず振りのブランクの長さは、熱心なファンでさえも20世紀中のリリースはおろか、もはや活動自体がフェード・アウトしてしまったのではないか、と危惧する者も少なくなかった。取りあえずはリリースされたこと、そしてバンドがまだ存続していたことを、俺を含めたファンは素直に喜んだ。
 
 7年も経過すると、バンドにもいろいろ変化が現れる。メンバー変更が著しく、まったく別のバンドに変貌してしまうことも珍しくはない。
 Prefabの場合も例外でなく、今回のクレジットを見ると、演奏が「Andromeda Heights Orchestra」名義となっている。そして肝心のメンバーも、Paddy McAloonとその弟Martin、そして紅一点Wendy Smithの3人だけとなっている。もともとPrefabというバンドに執着がなく、メンバー中、生粋のミュージシャンだったNeil Conti(Dr)の名はない。バンド自体もほぼ開店休業の状態が長く続き、7年も手持無沙汰だったのだから、まぁ誰も止められないところ。

 もともと『Prefab Sprout』と"バンド"を名乗ってはいるものの、サウンドの性質上、演奏のアンサンブルやバンド・マジックを売りにしているのではなく、リーダーでありメイン・ソングライターであるPaddyのコンセプトを具現化するためのプロジェクトのようなものだから、逆にコンパクトな編成の方が小回りが利きやすくなったはず。何しろ実弟とフィアンセ(この頃になると関係性は微妙になってるけど)がメンバーなのだから、意思の疎通もしやすくなった。

prefab-sprout_2638

 同世代のミュージシャンと比べて作曲センスが抜きんでており、Burt BacharachやCole Porterなど、往年の大作曲家らと比べられることの多いPaddy、『Jordan The Comeback』リリース後、音沙汰はなかったけど、表に出ない時期においても、膨大な数の作曲とレコーディング・データを残している。
 このPaddy、とにかく曲を書くのが好きな男で、極上のメロディ・ラインや上手い比喩のフレーズを思いつくと、すぐさまピアノやギターを抱えて口ずさんだりするのが日常のため、結果、かなりの量のデモ・テープを製作している。
 特にこの時期、Paddyは創作意欲のピークに達していたようで、ピーク・ハイのミュージシャンがよく口にするように、「神が降りてきた」状態が長く続いた。とにかく次から次へと新しいアイディアが湧き出てくるため、レコーディングするのが間に合わないくらいである。
 一時期のStevie WonderやPrinceがそうだったように、彼もまた、音楽のミューズとの蜜月を過ごした男だった。
 
 これが前2者のようにソロ・アーティストなら、いくらでもマイペースで作業できるのだけどれど、彼はバンドのフロントマンだったため、そうそう自分勝手な活動には限界がある。いくらワンマン・バンドとはいえ、メンバー達だって人間だ、7年もほったらかされたら死活問題である。
 創作活動に没頭するがあまり、ツアーへ出る時間も惜しむようになり、ますますスタジオに籠りがちになるPaddyへの不信感はますます募り、メンバーは次第に距離を置くようになる。メンバー中、最も信頼関係が良好であったはずのWendyもまた、その独裁振り引きこもり振りにすっかり愛想が尽きたのか、このアルバムでは簡単なコーラス程度の貢献しかしていない。
 せっかくの女盛りをないがしろにされたらそりゃ、一応義務的には付き合うかもしれないけど、もうビジネス上の接点しかないよね。気持ちはわかる。

_SL290_

 こうして話を進めていると、何だかPaddyがメチャメチャ付き合いづらい奴だと思われてしまいそうだけど、いや実際、音楽に殉ずることを喜びと思ってしまう男なので、実生活での付き合いはちょっとめんどくさそうなのだけど、真面目な男であるのは確かである。
 これといった遊びも道楽もせず、ただひたすら最上の楽曲を作ろうと、身を粉にして働いていただけである。ただ漫然と、ダラダラスタジオに籠っていたわけではない。すべての曲は、それぞれのコンセプトに基づき、テーマごとに熟考し練られた物ばかりである。ただ、それがちょっと度を過ぎていたわけで、しかもひとつのプロジェクトを完成してから次へ進むのではなく、思いついた先から次々手を付けてゆくため、曲の断片やサウンド・チェックまがいのテイクも数多く存在する。

 今世紀に入ってからリリースされた『Let’s Change The World With Music』、『Crimson/Red』の2作とも、実はこの時期に構想が練られ、レコーディングされた作品である。未完成状態のまま、10年前後投げ出されたテイクを、Paddyがサルベージしてリニューアルした、何とも微妙な作品である。俺は好きだけどね。
 その他、Michael Jacksonの生い立ちをテーマにしたアルバム『Atomic Hymnbook』、天地創造からElvis Presleyまで、清濁併せ呑んだ壮大な世界の歴史を語り尽くすコンセプト・アルバム『Earth: The Story So Far』など、中途半端な状態で投げ出されてしまったアルバムはまだまだある。これらが日の目を見る機会が訪れるのは、いつのことになるのやら。

 ファン有志が運営するHPを確認したところ、こういったアルバムがまだ15作くらいはあるらしいのだけど、前述したように、まともな形になっているのは、ごく少ないはず。革新的(と思える)コンセプトとテーマが次々と浮かんでは消え浮かんでは消え、を繰り返すうち、実際のレコーディング作業が追い付かず、結局曲の断片ばかりが残ってしまったのが真相だろう。
 
 これまではThomas Dolbyという有能なプロデューサーがいたため、「あうん」の呼吸で作業工程を整えてくれていたけど、当時はThomasもPaddyばかりに構っていられず、ちょうど自分のビジネスに没頭していた頃だったので、スケジュールが合わず、やむを得ない形ではあるけれど、初めてのセルフ・プロデュース作となっている。
 で、また悪いことに、ちょうどこの時期からPaddyが自前のスタジオ(Andromeda Heights)を構えたため、時間やコストを気にすることなく、レコーディング作業に没頭することが可能となり、ますますアルバム・リリースは遅延遅延遅延の連続になった。で、またメンバーが暇を持て余す。

7f71b819

 『Jordan The Comeback』が好セールスを記録したことによって、確立したサウンド・コンセプトに自信を得たのか、今作は『Jordan』の進化形、さらなる珠玉のメロディとクワイエット・ストーム的なサウンドを追求している。
 よって、"Cars & Girls"、"King Of Rock’n’ Roll"のようなギター・ポップ的なサウンドは姿を消しており、もはやロックの文脈では語れなくなっている。
 これまではアクセント的な意味合いで使用されていたストリングスの割合が多くなり、シンセで代用していたホーンも生音になっている。
 そのため、リリース当時は「AORみたい」と揶揄されており、いわゆるロキノンを中心としたロック・リスナーの受けは、あまり良くなかった。俺は好きだったけどね。
 
 リリースから十数年経ち、ギター・サウンドを中心とした洋楽シーンもずいぶん変化した。巡り巡った今になって聴いてみると、よくある「Steely Danのエピゴーネン』的な、単純なAORというカテゴライズでは収まりきれず、「Prefab Sprout’s Music」とでも言うべき、オンリー・ワンのサウンドを追求していたことがわかる。
 もちろん使用機材の音の古さは仕方ないとしても、最近のヒット・チャートの音楽と違って、リズムやエフェクトのインパクトではなく、しっかりメロディで勝負しているのが、彼の強みであり、そしてビッグ・セールスを見込めない弱みでもある。
 地味かもしれないけど、確実にスタンダードになりうる音。
 それが当時、Paddyの目指していたところである。


アンドロメダ・ハイツ
プリファブ・スプラウト
SMJ (2013-10-23)
売り上げランキング: 203,588



1. Electric Guitars
 透明感を感じさせるアコギのアルペジオから始まる、タイトルとは打って変わって静かな曲。この曲でのアコギの音は、エンジニアCalum Malcolmのベスト・ワークの一つ。
 前作までのThomasでもアコギは結構フィーチャーされていたけど、エンジニア出身のミュージシャンという出自の彼の場合、エレ・ポップ的なエフェクトをかけることが多いので、メジャー・コードならしっくりはまるのだけれど、落ち着いた曲になると、その音だけがきれいに浮き出てしまっている。
 純粋に素直な響きを求めるのなら、Calumの方が良い仕事。

 

2. A Prisoner Of The Past
 "Be My Baby"っぽいドラム・ビート(Complexじゃないよ、もちろんRonettesの方)から、壮大なホーン・セクションで幕を開ける、ゴージャス・サウンド。元祖ポップ馬鹿であるPhillip Spectorが現役なら、こういったサウンドを志向していたんじゃないかと思われる、現役ポップ馬鹿Paddyによって丁寧に作られた曲。
 この人の声質はどちらかといえば、それほどインパクトの強い声ではないのだけど、これだけ音を重ねた分厚いサウンドでも埋没することなく、ヴォーカルをしっかり届かせることができるのは、自分の声質を熟知しているからだろう。
 Calumのミックスも歌を引き立たせているし、Paddy自身も最終マスタリング工程まで想定した上でのサウンド作りを行なっている。

 
 
3. The Mystery Of Love
 間奏のSaxがAORっぽいのと、サビでのWendyとのデュエットが心地よい、シンプルな小品。
 『Jordan』あたりから、抽象的だった歌詞に宗教観が加わることになり、歌詞だけ読めば、非常に高尚な、ていうか聖人君子的な内容。
 日本でいい大人が「恋の謎」なんて歌を歌うことは、あまり考えられない。あまりに高尚過ぎるため、訳詩を読むと、むしろ気恥ずかしささえ感じてしまうくらいである。
 
4. Life's A Miracle
 やはりヨーロッパという風土では、幼少の頃からキリスト教的思考が根付いているため、「人生とは奇跡なんだ」という、日本人ならこっ恥ずかしくてネタでしか言えないことも、サラッとさり気なく歌えるのだろう。
『Jordan The Comeback』の項でも書いたけど、コンセプトに捉われることなく、素直にサウンドとメロディに心奪われることが、日本人としては最も受け入れられやすいスタイルと思う。

 
 
 ここまで書いてきて思ったのだけど、もしかしてゆとり世代の若い人なら、結構素直に聴き入れられるのかな?
 
5. Anne Marie
"Bonny"(『Steve McQueen』)、" Nancy"(『From Langley Park to Memphis』)、"Diana"(『Protest Songs』)、"Michael"(『Jordan The Comeback』)と、連綿と続く、アルバム一枚に必ず一曲は入る人名シリーズ。
 実名の誰かに向けて送ったのではなく、単に短編小説のお題的な、不特定の誰かを対象として描いた歌詞なのだと思う。こういった抽象性が好きな人である。
 未練がましい男の泣き言が、不穏なメロディによって奏でられる。
 
6. Whoever You Are
 大々的にストリングスをフィーチャーした、オーケストラをバックに朗々と歌い上げている曲。Patti LaBelleあたりが歌ったら、もっとゴージャスになるんじゃないかと思われる。
 膨大な作曲量を誇るPaddyだけど、この曲のように「これって、僕より他の人が歌った方がいいんじゃないか」とジャッジした上でボツになった曲も、相当数あるんじゃないかと思われる。そのうちのいくつかはCherやJimmy Nailがサルベージしているのだけど。
 
7. Steal Your Thunder
 ちょっぴりだけ静かなスウィング・ジャズ風のオープニングの、Paddyとしては珍しいタイプの曲。まぁ歌のパートに入ってしまえば、いつものPaddyなのだけど。
 サウンドはすごく磨き上げられているけど、歌詞の内容は相変わらず、自分からアプローチできず、待ちの姿勢のままグダグダ思い悩む、Paddyそのまんまである。Wendyをもっと構ってあげればよかったのに。

a11ab03e

8. Avenue Of Stars
 喧騒とした都会のビル街、見上げると、満天の星空がビルの隙間から見え隠れし、大きな星を形作っていた…。アルバム・ジャケットを想起させる歌詞が、それを彩るサウンドとマッチしている。
 派手な曲ではない。でも、80年代を通過してきた者にとって、数多の整理されたヒット曲よりむしろ、こういった何気ない情景の切り取りの方が、心の琴線をさり気なく刺激する。
 
9. Swans
 シンプルなAOR的バラードの小品。ブリッジ的に短い曲だが、美メロが凝縮されて詰め込まれている。
 
10. The Fifth Horseman
 エフェクトされたハープが、次作『The Gunman and Other Stories』を想起させる、次回の予告編といった感じのサウンド。この曲だけ、どこかサウンドの毛色が違って聴こえる。
 
11. Weightless
 朗々とブロウするSaxが、夕暮れ時をイメージさせる。
 ソ連の宇宙飛行士Yuri Alekseyevich Gagarinを題材にするミュージシャンは、そうなかなかいないと思う。
 サウンドのどの辺が無重力なのかは意味不明だけど、素直にサウンドの心地よさを満喫できれば、それでよい。
 
12. Andromeda Heights
 静謐としたサウンドに乗せて、穏やかながら熱のこもったヴォーカルで、キリスト教条主義的な歌詞を歌い上げるPaddy。
 この透徹とした世界は、Hermann Hesseの『ガラス玉演戯』の世界観と酷似していると思うのだけど、いかがだろうか。




 そしてまた4年のブランクを置いて、次作『The Gunman and Other Stories』がリリースされる。
 Prefab Sproutについてはまだ語り尽くし切れない部分があるので、続けて次回に持ち越し。


Prefab Sprout (Original Album Classics)
Prefab Sprout
Sony Bmg Europe (2009-04-07)
売り上げランキング: 281,251
38カラット・コレクション
プリファブ・スプラウト
エピックレコードジャパン (1999-12-18)
売り上げランキング: 180,022

「お前が欲しいんだぜベイベェ」をアルバムまるまる一枚使って表現 - Marvin Gaye 『I Want You』

i want you  久しぶりにMarvinのレビュー。前回『What’s Going On』の後、こちらも有名な『Let’s Get It On』をリリースしているのだけれど、こちらはすっ飛ばして、まずは個人的に好きな『I Want You』をご紹介。
 
 1976年リリース当時のデータを見ると、ビルボード総合チャートでは最高4位、R&Bチャートでも堂々の1位、UKでも4位にランクインしている。
 後期Marvinの代表作である『What’s Going On』『Let’s Get It On』にも引けを取らない売り上げを誇っているのだけど、あまりに両盤の評価が高すぎるのか、現状『I Want You』はあまり語られることの少ないアルバムである。Amazonでのレビュー数でも、その差は歴然としている。

 俺の個人的な位置づけとしては、両盤で確立した多重コーラスを更に深化させたサウンドは、フュージョン~スムース・ジャズへの重要な橋渡しになっていると思うのだけれど、あまりそういった掘り下げ方はされていないようである。デラックス・エディションも制作され、当時のアウトテイクも多数発掘されてるし、もっと評価されてもいいはずなのだけれど、依然日本での評価は可もなく不可もなく。
 
 Marvinにとって転換期の作品である『What’s Going On』は、それまでの享楽的なポップ・ソウルとは一線を画した、いわゆる社会的メッセージ性の強い作品だった。ベトナム戦争、公民権問題、人種差別などなど、これまでの「強いアメリカ」が世界情勢的に通用しなくなり、これまでは巧妙に隠されていた綻びが見え隠れしてきた頃、Marvinに限らず、先鋭的なアーティストは赤裸々なメッセージを声高に叫び、若者たちの支持を得た。

iwantyou 2

 翻って『Let’s Get It On』はもっと個人的なメッセージ、要するに「今夜お前とヤリたいんだぜベイベェ」といった本能的な事柄を、これまたありのままに打ち出してきた。
 普通のミュージシャンなら『What’s Going On』路線を継承し、そのまま「愛と平和の人」に成り下がってしまうところだけど、そこは案外俗物のMarvin、外野の忠告など無視して自分のやりたい事、ていうかその時のマイ・ブームをそのままコンセプトにしてしまうことによって、聖人君子に祭り上げられるムードを一掃した。
 清濁併せることによって重層的な深みが生まれ、結果的にアーティストとしては上手い路線変更となったのは、まぁ単に結果オーライだと思うけど。
 
 ほぼ趣味的に作ったと思われる『Trouble Man』のサントラ仕事も終えて、次に出したのが、この『I Want You』。タイトルそのまんま、「お前が欲しいんだぜベイベェ」を二番煎じ的にやってはみたものの、いやシングルも売れた(ビルボード総合15位、R&B1位)のだけど、いまいち前作のインパクトが強すぎたせいもあるのか、まぁアベレージは維持しましたよ、という程度の売り上げ。
 
 前2作と比べて多少薄味にはなっているのは、一応理由がある。このアルバム制作に当たって、Marvinはサウンド・コンセプトにおいて、主要的に関わっていない。
 大部分のベーシック・トラックを作ったのはLeon Ware、当時モータウンの専属作家兼エンジニアだった人である。もともとは自分用のソロ・アルバム用に制作した"I Want You"を、たまたま耳にしたMarvinが気に入ったため、完成直前だったヴァージョンをオクラ入りさせ、Marvin自ら多重ヴォーカルを被せて完成させた、というのが一連の経緯である。そこからアルバム制作に向けてコンセプトを膨らませていったのだろう。
 
il-cantante-soul-marvin-gaye-nel-1976images

 いささかムラッ気はあれど、いまだ会社の屋台骨を支える大スター,片や才能はあれど表舞台へ出るチャンスに恵まれなかった裏方スタッフとでは、社内での力関係は歴然としている。
 作品のクオリティは理解できる。ただ営業的にも経営的にも、ポッと出の新人より、大スターの看板で売った方が良いに決まってる。
 作った方は、それはそれで複雑だ。自社スタジオで作った音源だから、営業政策的に会社が強く言ってくるのは当然だ。大スターに認められたことは、それはそれで喜ばしいとして、でも自分のためにとっておいた自信作をかっさらわれるのだから、あまりいい気はしない。
 双方、事は荒立てたくない。互いの妥協点を見出すため、何かと駆け引きがあったようだ。

 Marvin、イコール会社側が出した条件として、曲を譲り受ける代わりにプロデュースを任せたい、との懐柔策が提示される。
 まぁいいようにこき使われるわけだけど、何しろ大スターMarvin Gayeのアルバム、ある程度のセールスは見込まれるわけだから、印税の取り分だって今までより破格だし、何より業界に顔を売り込むチャンスである。
 互いの利害関係が一致したおかげで、"I Want You"を柱としたアルバムは完成した。
 Leon自身もこれで注目を浴びることとなり(レコード会社との取引があったことも考えられる)、古巣モータウンから本格的デビュー(『Musical Massage』)、こちらも高評価を得ることになる。


アイ・ウォント・ユー
マーヴィン・ゲイ
USMジャパン (2011-05-25)
売り上げランキング: 126,430




1. I Want You (Vocal)
 柔らかなストリングスに交じって、丁寧に重ねられた多重ヴォーカルが厳かに響き、小さなヴォリュームでディストーション・ギターがスパイスのようにリズムを刻む。
 Marvinの伝えたいことはただ一つ、「お前が欲しい」。たった一つの言葉を伝えるために作られた、大掛かりな舞台装置。Leonだけでは物足りなかったサウンドが、エモーショナルなMarvinのヴォーカルによって完成される。

 
 
2. Come Live With Me Angel 
 基本、1.と同じテイストの曲というより、このアルバムのほとんどが"I Want You"のヴァージョン違いみたいなものだけど、ややリズムが強くなっている。ささやきかけるようなヴォーカルが、またエロい気分にさせる。
 
3. After The Dance (Instrumental)
 Arpとエレピによって作られた、同じくエロいムードの曲。このアルバム制作前にサントラ仕事を手掛けているせいもあって、どことなく映像的な構成になっている。
 
4. Feel All My Love Inside  
 こうして続けて聴いてみると、バック・トラックはほとんど同じに聴こえてしまうし、Marvinのヴォーカルもどれもみな同じウィスパー・ヴォイスなのだけれど、単体で評価するのではなく、総体としてのアルバムの一構成要素として捉えた方がわかりやすい。中盤から女性の喘ぎ声が入っているのが、Marvinのほんとにやりたかったこと。
 
5. I Wanna Be Where You Are
 少しテンポが速く、ややシャッフル気味のリズムが、まったりムードだったアルバムにメリハリをつけている。でも、ほとんどブリッジ扱いのため、1分少々で終わってしまう。もうちょっと長く聴きたい人には、デラックス・エディションがオススメ。6分ほどの完成版を聴くことができる。

f0134963_044614

6. I Want You (Intro Jam 1)
 ほんとイントロのみ。次の曲とのつなぎだけど、要はすべての曲が"I Want You"のバリエーションで、すべてがひと繋がりで一曲を成していることを言いたいのだろう。
 
7. All The Way Around
 テンポが"Marcy Marcy Me"っぽい、ミドル・テンポの曲。アレンジ次第では、純正モータウン風ポップ・ソウルに聴こえてしまいそうだけど、共同プロデューサーであるLeonの手腕によって、レベルを一段も二段も上げている。
 
8. Since I Had You 
 マリンバとメロディアスなベースで構成されている、シンプルな曲。と思いきや、Marvinの多重コーラスに交じって甘い囁きがほのかに響く。
 当時のMarvinはセックス・シンボルとしても人気を得ていたということだけど、確かにこの甘くとろけるようなヴォイスなら、どんな女性でも口説けたことだろう(だからこそ、後に収拾がつかなくなり、修羅場にはまり込むのだけれど)。
 
9. Soon I'll Be Loving You Again 
 『What’s Going On』で確立した、破裂音の少ないコンガでリズムをキープする、ヴォーカルを引き立たせる曲。とにかくこのアルバムは良い意味でワン・パターンで、隙間なく自分のバック・ヴォーカルで埋め尽くしている。ナルシスト全開。
 
10. I Want You (Intro Jam 2)
 再びブリッジ的な小品。しかも今度は少し長めに尺を取ってある。ブラスがちょっと『金曜ロードショー』のオープニングを思い起こさせる。水野晴郎の怪しげな笑顔を思い出してしまうのは、俺だけだろうか?
 
11. After The Dance (Vocal)
 3.のヴォーカル入りヴァージョン。やはりサウンドのテイストは"I Want You"だけど、こちらは少しラウンジ・ジャズ風。もともとはこういった路線に進みたかった人だから、ノッてるのがよくわかる。
 これもシングル・カットされているけど、全米総合74位とチャート的には低迷。
 地味だけどいい曲、いい曲だけど地味。言葉通りの曲であり、まぁ妥当な評価ではある。Marvinに求められているのは、もっとエネルギッシュでアグレッシヴ、しかもちょっとセクシーなエロさこそが、ファンのニーズである。
 





 本作リリース後、アーティスト的ビジネス的には順調と思われたのだけれど、先妻との離婚の泥沼(やっかいなことに、彼女はモータウン社長Berry Gordy, Jr.の姉であったため、社内的にも微妙な立場に追い込まれた)、本人の麻薬依存など、私生活でのトラブルが頻発する。
 慰謝料を稼ぐためでもあるが、そのストレスと苦悩をそのまんま表現したのが、次作『Hear My Dear』である。
 ちなみに当時の邦題が『離婚伝説』(!)、こちらもそのまんまだけど、これは日本のディレクターにも責任がある。なんていうか、悪意むき出し皮肉たっぷりのタイトルである。女性週刊誌や内部告発本みたいなネーミングだな、こりゃ。



The Very Best of Marvin Gaye [Motown 2001]
Marvin Gaye
Universal UK (2001-07-17)
売り上げランキング: 10,098
Master 1961-1984
Master 1961-1984
posted with amazlet at 16.02.19
Marvin Gaye
Motown (1995-04-25)
売り上げランキング: 149,665

少年のように無邪気に笑える大人でい続けることは、とても難しいことだと思う - 佐野元春『No Damage』

 1983年にリリースされた、佐野元春4枚目のアルバム。当時、中学生だった俺の周りでは佐野元春の存在自体、知ってる者は誰もいなかったので、今回改めて調べてみて、4週連No.1を獲得していたことは、ちょっとビックリ。まさかそんなに売れてたとは思わなかった。ちなみに、年間チャートでも17位にランク・イン、トータル売り上げは36.5万枚に達している。
 ちなみにその年の年間チャート1位は『Flash Dance』のサントラ。ほぼ100万枚に迫る、ダントツのトップである。そういえばヒットしてたよな。
 
 前年の"Someday"やナイアガラ・トライアングルへの参加によって、先物買いの音楽ファンには多少の知名度はあったものの、当時、佐野元春は決してメジャーな存在ではなかった。北海道の片田舎の中学二年の周囲で流行っていたのは、オフコースかユーミンであり、あとは地元つながりの松山千春、ちゃんと聴いたことはないけど名前だけは辛うじて知ってる山下達郎くらいであり、元春の名前を知る者は誰もいなかった。少なくとも俺の周りでは、テレビの露出もなく、メジャーなヒット曲もない元春は、まだ知る人ぞ知る存在だった。
 
 現在の達観した表情というか、飄々とした物腰からは想像しづらいけど、デビューするまではいろいろ紆余曲折があった人である。バンドとしてポプコンに出場、独特のポップ・センスが評価されて、一応それなりの評価は得たけど、デビューするまでには至らず、バンドは空中分解、その後たまたま知り合った佐藤奈々子の制作ブレーンとして、音楽業界に足を踏み入れる。ブレーンといえば聴こえは良いが、要は何でも屋であり、デモ・テープ制作からマネジメントなど、ほとんどすべての付帯業務を一手に担い、その甲斐あってどうにかデビューにこぎ着けるけど、ほぼ同期デビューだった竹内まりやや杏里、尾崎亜美ほどのスター性・大衆性はなかったので、セールス的には苦戦、仕事でプライベートでこじれにこじれた挙句、男女の関係の破局と共にコンビは解消。ごく短期間、広告代理店のサラリーマンとして勤務、それと並行して作ってたデモ・テープが認められて、念願のソロ・デビュー、といった流れ。

1378847457

 Bruce SpringsteenやJackson Browne張りの熱いライブ・スタイルが口コミで好評を得、徐々に評判は上がって行ったが、大きなヒットを生み出すまでには至らなかった。
 当時の元春の歌詞の最大の特徴として、シーン設定のNowhwre性と英単語の多用が挙げられる。当時の日本人にとって、元春の歌詞世界は感情移入しにくく(現実に"NYから流れてきた寂しげなAngel"と接点のある日本人がどれだけいるのか?多分今もあまり変わらないけど)、まだまだ歌謡曲が元気だった時代において、そのバタ臭さを受け入れる余地は、あまりに少なかった。

 空気が変わったのは、大滝詠一との出会いである。ナイアガラ・トライアングルへのユニット参加を経て、飛躍的に世間の注目度が高まった。
 その絶好のタイミングでシングル『Someday』をリリース、同名アルバム共にスマッシュ・ヒットを記録し、ようやく一定のステイタスを築こうとした頃だった。
 
 そうした追い風の状況だというのにもかかわらず、元春は敢えて活動休止を宣言、単身NYに渡ることになる。
 前から考えていたのか、それとも周囲の急激な変化に戸惑いを覚えていたのか、ほんとのところは本人にしかわかりえないけど、このタイミングで日本に踏みとどまり、国内をベースに活動を続けていれば、日本のロック&ポップスの歴史も少し変わってたんじゃないかと思う。ベストテンの常連アーティストになっていたかもしれないし、バンド・ブーム以前の日本のロックの礎を築いてきたうちの一人であるからして、今頃サザンくらいのポジションにいたかもしれない。
 ただ、NYにて制作された傑作『Visitors』は作られなかっただろう。

nodamage01

 NYへ発つ直前、ファンへの置き土産として残していったのが、ここまでの総決算としてまとめられたこのアルバム、『No Damage』である。ヒット・シングルが入ってるわけではないので、グレイテスト・ヒッツではない、とは本人の弁。
 
 レコード会社主導のベスト・アルバムとは違って、いわゆる契約消化的なものではなく、本人監修の元、きちんとしたコンセプトにのっとって制作されたアルバムになっている。本人としては認めないと思うけど、その後のキャリアにおいても重要な曲がてんこ盛りなので、ざっくりした初期ベストと考えてもいいんじゃないかと、俺は勝手に思ってる。
 レコード時代のA面/B面が、Boy’s Side/Girl’s Sideに振り分けられているけど、あくまで便宜的なものであって、それほど厳密なコンセプトに縛られているわけではないので、あまり深読みしなくてもよいと思う。もしかすると、元春自身ににしかわからないこだわりがあるのかもしれないけど、少なくとも俺的にはよくわかんない。


No Damage
No Damage
posted with amazlet at 16.02.07
佐野元春
エピックレコードジャパン (1992-08-29)
売り上げランキング: 7,880



1. スターダスト・キッズ
 Bruce SpringsteenとPhil Spectorの幸せな融合。一発目でこの曲が流れた瞬間、田舎の中学生にとっては結構衝撃だった。
 後年になって、この曲のオリジナル・ヴァージョン(今アルバム収録はリミックス・ヴァージョン。初出はシングル"Downtown Boy"のB面だった)を聴いてみたら…、なんかすっごくショボかった。いくらB面とはいえ、なんでこんなサウンドにしたのか、これが良いと本気で思っていたのか。ちょっとチープなガレージ・サウンドに憧れたのか。
 結果的にリミックスして大正解だった曲。

2. ガラスのジェネレーション
 初期の代表曲。ちょっとモータウンっぽい導入部から始まる、ポップ・ロックのお手本みたいな曲である。「つまらない大人にはなりたくない」というメッセージに、当時何万人ものティーンエイジャーが耳を傾けただろう。かつてPete Townshendが歌った「年取る前に死んじまいたい」というより、ずっと前向きな言葉だ。
 他にも「見せかけの恋ならいらない」「君はどうにもかわらない 悲しいけれど」など、必殺フレーズがボコボコ飛び出してくる、ほんと油断ならない曲である。

51DT2hbsx1L

3. SOMEDAY 
 ここまでほぼ曲間がなく、メドレー形式で曲が続く。アルバム本来のコンセプトである「パーティー・シーンでのBGM」として、このように疾走感のある構成は正解だと思うけど、当時の日本において、果たして実際にパーティー・シーンで使用した者がいただろうか?元春的には多分、アメリカン・グラフィティ的なシーン設定で制作したんじゃないかと思われるけど、そもそもそういったパーティー・シーンが存在したのか?という疑問も残るが、まぁそれはそれで。
 これもロック史にとどまらず、日本の歌謡史にも残る傑作。のちに元春自身述懐しているように、大滝詠一との出会いが大きかったと思われる。Phil Spectorサウンドを大々的に導入した、奥行きと厚みのあるサウンドは、当時の日本のロック・シーンでは結構画期的だった。テクノ・ポップに代表されるシンセ中心の音作りと逆行した、バンド全員でせーので音を出して構築してゆく手法は、すでにこの頃から時代遅れになりつつあったけど、結果的にこのアルバムのサウンドは後年まで残り、逆に当時のトレンドだったテクノ・ポップは時代の徒花として、風化し忘れられていった。
 
 「ステキなことはステキだと無邪気に 
       笑える心が好きさ」

 
 元春の歌詞の中で、一番好きなフレーズだ。今では45歳でヒネクレまくってしまった俺だけど、この言葉は俺の中で長く心に留まっている。


 
4. モリスンは朝、空港で
 地味なサウンドの曲で、こちらはシャッフルなリズムの、ちょっと不思議な感触のナンバー。アウトロ辺りからオフ気味に収録されている、ラウドに弾きまくってるギター・ソロが、ミスマッチ感を演出してるのがなかなか。
5. IT’S ALRIGHT 
 2枚目のアルバム『Heart Beat』に収録。疾走感というか、ほんとノリ一発のロックン・ロール・ナンバー。語呂と気分と思い付きで羅列した歌詞はロックン・ロール・クラシックへのオマージュであるため、まぁそんなに意味はない。意味なんてあるもんか、踊れ踊れ。
 
6. Happy Man 
 ドラムの音がモロ80年代なパーティー・ソング。こちらも何も考えなくてもよい、ほんとハッピーで楽しい曲。シングル・カットされたのも頷ける。売れなかったけどね。
 このアルバムのリリース当時、『ストップ!! ひばりくん!』という、今で言うBL系の先駆けだったマンガがあり、主人公のひばりくんがこの曲の歌詞を口ずさみながら原宿の街を歩いている、というシーンがあった。週刊少年ジャンプ連載だったので、それなりの影響力があった記憶がある。

someday

7. グッドバイからはじめよう 
 渡米前最後のシングルとなった曲。A面最後を締めくくる、これまでの喧騒とは打って変わって、ストリングスのみで構成された静謐なナンバー。余計な装飾を削ぎ落した、すごくシンプルな歌詞とメロディー、ほんの3分ちょっとの短い曲だけど、この時点での元春の集大成。何のギミックもテクニックも使用せず、ただ純粋に曲のクオリティを追求した結果が、これ。
 元春の曲の中でも、地味にコアなファンの間では人気が高いことで知られている。

8. アンジェリーナ
 パクリ疑惑も多い曰くつきの曲だけど(元曲は忘れた、調べればわかることだけど、どうでもいい)、ある意味オマージュと考えれば納得するくらい、それだけ瞬発力のある曲。ある程度下積みを経てからのデビュー曲だっただけに、それまで培ったすべてが詰め込まれており、元春本人としても特別思い入れの深い曲。
 長年のファンとしても同じ気持ちなのか、ライブ映像を見ていると、この曲のイントロが始まると、会場のテンションが一気に上がることがわかる。セット・リストでも、いくつかあるハイライトの中でも常に大一番的なポジションに配置されており、それだけ本人、そしてファンにとっても大切な曲。


 
9. So Young
 もともとは山下久美子に提供した曲で、後にセルフ・カバーとして、シングル1.のB面に収録された。
 まぁ元気いっぱいノリの良いポップ・ロック・ナンバー。ロックン・ロール・テイストの強い曲の場合、元春の歌詞は大体内容がない。これも前述したように、偉大なるロックンローラーへの敬意を表したものなのだろう。
 
10. Sugartime 
 3枚目のアルバム『Someday』の先行シングル・カットとしてリリース。ポップ・ロックの中でもややロック・テイストが強いので、系譜としては2.の流れにある。当時ナイアガラ・トライアングルで交流のあった杉真理がコーラス参加しており、一聴して彼とわかるスウィート・ヴォイスを披露しているのだけど、まぁセールス・ポイントとしてはちょっと弱め。俺は好きだけどね。
 
11. 彼女はデリケート
 オリジナルは『ナイアガラ・トライアングル Vol.2』に収録。アルバム・リリースと同時にシングル・カットされた。オリジナルはイントロ前に、空港の公衆電話での友人との会話が収録されていたけど、このヴァージョンではカットされている。
 こちらも8.同様、かなりの勢いで突っ走る、疾走感バリバリのロックン・ロール。ロックンローラー佐野元春としての一面が、かなり強調されている。
 ナイアガラ・トライアングル参加時、どちらかといえばポップス寄りだった大滝・杉とのサウンド・カラーに合わせるため、元春はこの曲を、一旦候補から外したのだけど、大滝のイチ押しによって収録に至った、というエピソードがある。敢えて自分とのミスマッチを選択することによって、逆にアルバムのトータル性に広がりを演出した、プロデューサー大滝のベスト・ワーク。

688321

12. こんな素敵な日には(On The Special Day)
 シングル・カットされた11.のB面としてリリース。ラウンジ・ジャズ・テイストの濃いナンバーで、初期はこういったあらゆるサウンドを実験的にプレイしていた感が強い。まぁ今としてはこういったのもアリだと思うけど、リリース当時は眠たくなる曲として、いつも飛ばしてしまうのが定番だった。
 
13. 情けない週末 
 
「もう他人同士じゃないぜ」

 田舎の中二にとって、それはすごく大人の言葉に響いた。響きはしたがしかし、だからといって実感が湧くはずもなく、アウトロのフリューゲル・ホーンの切ない咽びの方が、まだリアルに響いた。
 「生活という うすのろがいなければ」という歌詞も、当時はなんとなくカッコよく聴こえたが、アラフォーを過ぎた今にしてみれば、ちょっとう~んという気もしないでもない。純粋な恋愛だけじゃ、男と女の関係は続かない。そんなカッコいいものじゃないのだ。長く続けてゆくには、所帯じみてはいても、「生活感」というのも必要なのだ。
 
14. Bye Bye Handy Love
 パーティーももう終わり。みんなを家路へ送り出すためのエンド・ロール。でも最後は湿っぽくならず、楽しく別れよう、そんな歌。意味はあまり考えなくてもいい、ストレートなロックン・ロール。




 リリース30周年を経て、デラックス・エディションも発売されている。限定生産なので、もうかなり入手が難しいと思うけど、当時の貴重なライブ音源と映像が追加収録されているので、できればこちらも見て聴いてほしい。
 ライブCDとDVDには、これも初期元春の代表作なのだけれど、『No Damage』のコンセプトに合わなかったため収録が見送られた、"R&R Night"と"Heartbeat"が収められている。どちらも7~8分超の長い曲で、アーティスト佐野元春の人生観が凝縮されているので、必聴。
 
 バラエティに出てる時、見当違いのことを言って芸人にいじられても、不快な表情ひとつ見せることなく、いつもニコニコ笑っている元春を見ていると、こういった大人になるのも悪くないな、と思う。
 ベタな表現だけど、少年のように無邪気に笑える大人でい続けることは、とても難しいことだと思う。
 そんなことを思う、45歳の初秋の夜長。



NO DAMAGE:DELUXE EDITION(DVD付)
佐野元春
ソニー・ミュージックダイレクト (2013-12-25)
売り上げランキング: 8,428
EPIC YEARS THE SINGLES 1980-2004
佐野元春
Sony Music Direct (2006-06-28)
売り上げランキング: 51,279
カテゴリー
月別アーカイブ
記事検索
Twitter
北海道の中途半端な田舎に住む、そろそろアラフィフ男。ほぼ週1のペースで音楽ブログ更新中。節操ない聴き方と思われてるけど、自分の中では一貫してるつもり。 最近は蔵書の整理がてら、古い本を再読中。ジョン・アーヴィングから始まって、フィッツジェラルドやゾラ、モームなど、いわゆる古典の復習中。いつになったら終わることやら。新刊読めねぇや。
最新コメント

音楽 ブログランキングへ


にほんブログ村 音楽ブログへ
にほんブログ村

アクセス
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計: