好きなアルバムを自分勝手にダラダラ語る、そんなユルいコンセプトのブログです。

モータウンの良心、社会に怒る - Marvin Gaye 『What’s Going On』

e0267928_1117519 1971年に発表された、Marvin初のセルフ・プロデュース・アルバム。発表当時はビルボード最高6位という、今にしてみれば中途半端なセールス・アクションだったけど、その影響力は実際の販売枚数以上の威力があり、記録よりも記憶に残る名盤として、今でもソウル史の中でも重要な立ち位置にいる。同名シングルは全米2位(R&Bチャートでは1位)まで上昇しているので、ヒット・ソングとしては上々の成績だったので、モータウン的にも面目がついたんじゃないかと思う。
 ちなみにアメリカの雑誌「ローリング・ストーン」による「All Time Beat Album 500」でも、堂々の6位。Beatles、Beach Boys、 Bob Dylanと続く中でのランク・インなので、アメリカでもなかなかの知名度があることがわかる。ちなみに、いきなりスケールは小さくなるけど、ここ最近では、「レココレ」の「ソウル/ファンクの名曲ベスト100」にて、タイトル曲がNo.1を獲得した。 

 発表当時から名盤扱いされ、40年以上経ってもその地位が揺らぐことのない、永遠のマスター・ピース、ほんと優等生のようなアルバムである。ほぼ10年おきぐらいのペースで、最新鋭のリマスターが行なわれており、デラックス・エディションや高品質アナログ盤など、節目節目に出されるアイテムも多岐に渡る。それだけ根強いファンが多いこと、そして、このアルバム単体の求心力が、とてつもなく強いということなのだろう。 

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 モータウンのヒット曲製造システムのフォーマットに則って作られた、60年代初期のポップ・ソウルには、当時まだ大国としての威厳が残っていた、享楽的なアメリカの夢が詰まっている。
 最初はそのとっつき易さが良かったのだけれど、人工甘味料や着色料でゴテゴテ装飾された、ジャンク・フード的楽曲ばかりでは、あまりに他のシンガーと大差なく、飽きが来てしまう。
 大量生産(全盛期のモータウンでは、流れ作業的に次々とバック・トラックのレコーディングが行なわれており、入れ代わり立ち代わり次々とシンガーらが歌を吹き込んでいた)された音楽のレーンに乗ることを自ら拒否し、そして作り上げたのが、このアルバム『What’s Going On』である。

 ファルセットを多用したソフト・ヴォイシング、破裂音の少ないパーカッションやコンガによる柔らかいリズム、Marvin自身による、幾重にも重ねられた、薄く柔らかく奏でられる多重コーラス。 パワフルなホーンとバスドラでデコレートされていた、モータウン特有の、「前に出る」サウンドから一転して、音の感触としては、派手な部分はそぎ落とし、ヴォーカル、コーラス、バッキングそれぞれが前に出過ぎることなく、それぞれのパートの絶妙なハーモニーによって、サウンド総体を作り上げている。
 当たり前の話だけど、オーソドックスなサウンドでも、手間暇とコストをかけることによって、複合的な厚みが生じ、そこに普遍性が誕生する。そのため、どの時代においても音のテイストは古びることなく、確実に一定のアベレージを維持できる、ほんと不思議なアルバムである。

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 「名盤」と呼ばれる定義はいろいろあるだろうけど、俺が勝手に思ってる定義として、「数年に一度,何となく聴きたくなって、つい最初から最後まで聴き通してしまう」アルバムこそが「名盤」だと、勝手に思っている。
 コアとなる曲が数曲あり、誤解を恐れず言えば、多少クオリティの落ちる曲がいくつかあったとしても、トータルのサウンド・メイキング、またはコンセプトの妙によって、それらはアルバムの一構成要素として組み込まれることになる。ヒット曲やタイアップ曲、馴染みのあるカバー曲ばかりを寄せ集めれば良いというわけではない。そんなのは、トータルなテーマを無理やりこじつけただけの、ただのベスト・アルバムに過ぎない。

 このアルバムについては、発表当時から、既に多くのことが語り尽くされている。
 「ベトナム戦争を背景にした曲」、「ソウルとしては初めて社会問題に言及しているため、モータウンが発売に難色を示した」、など、様々なエピソード、逸話などが、まぁ出てくる出てくる。
 そのような時代背景、当時荒んでいたMarvinの私生活事情を念頭に入れながら聴くのも一興だろうけど、あまり肩ひじ張らず、心地よいサウンドに身を委ねるだけで良い。
 我々は、批評をするために音楽を聴いているのではないのだ。


What's Going on
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Marvin Gaye
Motown (2003-01-14)
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1. What's Going On
 夕映えの場末のバーの喧騒の間を縫って、高らかに響くソプラノ・サックス、Marvinのソフト・タッチのヴォーカル、Marvin自身の多重バック・コーラスがレスポンスしながら、終始入れ代わり立ち代わり鳴り響く、珠玉のナンバー。
 泥沼化したベトナム戦争などの社会的な状況、ロックの本格的な台頭、それに伴う商業主義による音楽ビジネスの肥大化にも呼応し、ダイレクトなメッセージ性を強め、ヴォーカルもリズムも等価に並んだサウンドが心地よい。
 まずはとにかく、サウンドを聴いてほしい。メッセージはその次だ。



2. What's Happening Brother
 ベトナム戦争に従軍した弟から聴いた逸話をもとに作られた、シリアスな歌詞。前曲から続く、軽いソフト・タッチのヴォーカルは、そんな重さを見事に中和させ、英語がネイティヴでなければ、普通に美しい一曲。

3. Flyin' High (In the Friendly Sky)
 妖しげなファンキー・ソウル。冒頭のドラっぽい打楽器の音色が、B級カンフー映画テイストを醸し出している。無国籍なサウンドを狙ったのかと思われるけど、そこは狙い通り。
 ベトナム帰還兵の事を歌っているのだけれど、今で言うPTSDによりドラッグ依存が強く、タイトルは底の中毒症状とかけている。

4. Save the Children
 冒頭から、Marvinの不穏さを予感させる語りから始まる、こちらもメッセージ性の強い一曲。レスポンスするのは、抑え気味ながらもソウルフルなMarvinのヴォーカル。
 あまり語られることはないけど、この曲に限らず、このアルバムはベースが聴きどころ。手数が多い割にはうるさくなく、きちんと曲を引っ張るベース・ラインというのは、こういったプレイを言うのだろう。全盛期モータウンの屋台骨を支えた、職人James Jamersonの技が堪能できる。

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5. God Is Love
 6.のInterrude的な小品。セッションの肩慣らしというか、あまり力を入れずにサラッとしたメイン・ヴォーカルが、歌詞の重苦しさを和らげている。短めだけど、コンパクトにポイントをまとめており、次の曲へ繋ぐブリッジで終わらせるには、ちょっともったいなかったかもしれない。

6. Mercy Mercy Me (The Ecology)
 最近CMでも起用されていたため、知らずに耳にしていた人も多い、Marvin初心者でも馴染みやすい曲。実際、カバーも多い。
 ピアノとギター・カッテイングが軽いタッチでリズムを引っ張り、ノン・リバーヴのマルチ・ヴォーカルが軽く、心地よいサウンドに乗せられている。  
 LPでいうところの、ここまでがA面となっており、ほぼ同じサウンドがシームレスにつながっており、一つの組曲として聴くことができる。このソフト・サウンディングの中に、深刻な社会問題やシリアスなメッセージを内包したことが、当時のソウル・ミュージックの中では画期的だったのだろう。
 時事問題も含めたメッセージは、現代人には通じにくい部分も多いが、サウンドだけはずっと普遍的なものだ。



7. Right On
 このアルバムの中では一番長尺の、ちょっとジャズ・テイストの入った、妖しげなコード進行のナンバー。全編に流れるグィロの響きがまたラテンの暗黒面を象徴するかのよう。比較的緩やかなセッション風のナンバーなので、演奏が進むにつれ、曲調が次第に変化してゆく。5分くらいから怪しげさが薄れ、このアルバムのカラーに戻ってくる。どちらかと言えば演奏主体のナンバーなので、Marvinのヴォーカルも構成楽器の一つとして捉えればわかりやすい。だけど聴いてる方にとっては、インパクトはちょっと薄い。

8. Wholy Holy
 タイトル通り、神を讃え、神に捧げる曲。欧米の人なら、神に対して無防備に惜しみない愛情を表明できるのだろうけど、やはり日本人にはわかりづらい世界。広い意味で捉えればゴスペルなのだけど、そこを超越した讃美歌の世界。荘厳としたストリングスに彩られたバックグラウンドは、実はスタンダード・ナンバーをこよなく愛するMarvinならでは。

9. Inner City Blues (Make Me Wanna Holler)
 ブルースというよりはジャズ・ヴォーカルっぽく聞こえる曲。他の曲にも共通するのだけど、スキャットの多用、ほとんどリード楽器と思われるくらい前面に出た、コンガとベースによるリズム・ライン。最後はオープニングとループするかのように、“Mother, Mother“で終わる。





 本編はここまでだけど、最近発表された 『40th Anniversary Edition』では、この後、延々と未発表テイクが続くのだけれど、やはりオリジナル・ヴァージョンと聴き比べると、完成度のレベルの差が大きいため、「だから当時は未発表だったんだな」と納得してしまうテイクが多い。タイトル曲のシングル・ヴァージョンなんて、あまりにもサウンドが素っ気なくて、よくこれで当時売れたものだと、逆に感心さえしてしまう。
 いやもちろん、掘り出し物もあるんですよ。ま、俺もめったに追加テイクは聴くタイプじゃないけど。

 アーティスト、サウンド・コンポーザーとしての名声を今作で得たMarvinだったけど、その後も自分の適性と理想とのギャップに、遂に最後まで折り合いをつけることができなかった。ジャズ・シンガーの夢潰えて落ち込んだかと思えば、今度はプロ・フットボール・プレイヤーに憧れる、という中二病を患うなど、さらに迷走。
 この後、離婚を挟んだり、親族との不和に疲れ果て、スイスに雲隠れした挙句、一世一代のソウルのマスターピース的名作『Midnight Love』を、ほんと最後の最後に生み出すのだけど、そこまで一気に書こうとしたら、とても体力と根気が続かない。。
 Marvinについては、また次回。




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孤高のポップ馬鹿、稀代の傑作 - Prefab Sprout 『Jordan The Comeback』

jordanthecomeback 1990年発表5枚目のアルバム。UKチャートでは最高位7位。時代はすっかりマンチェスター・シーンのまっただ中、Stone Roses なんかと対抗するには分が悪く、よって、セールス面だけ見れば、当時はそこそこの売り上げにとどまっている。
 
 Prefab Sprout が紹介される際、真っ先に挙げられるのは、大体が2枚目『Steve McQueen』(別名(『Two Wheels Good』、当然だけどアメリカでは遺族周辺からクレームがつき、原題ではリリースできなかった)であり、ディスコグラフィーの中では唯一、2枚組レガシー・エディションがリリースされている。何年か前に行なわれた「レココレ」の80年代アルバム・ランキングでも、確か上の方、トップ10には入っている。
 一般的な名作とされているのが『Steve McQueen』なら、長年のファンの中で心に残る名作と言えば、断然『Jordan The Comeback』の支持率が高い。

 前回のAztec Camera同様、このバンドも80年代ネオアコ・シーンから頭角をあらわし、デビュー当初は予測不能なコード進行と自由自在な転調、文学少年的にこじれすぎた抽象性の高い歌詞が話題となり、同じく中二病をこじらせていた、斜め上ばかり見ていた日本の若者(そのほとんどがロキノン読者とされている。うん、もちろん俺もそうだ)が食いついた。
 ただ若気の至りとも言える、ささくれ立ちヒリヒリしたサウンドはここで一旦幕を引き、次作『Steve McQueen』ではポップ職人としての覚醒がはじまり、一聴するとAORかと思われるメロディー・ラインと、今後長い付き合いになる、Thomas Dolby による凝ったサウンド・メイキングの妙によって、メジャー、マイナー・シーン共に高い評価を得ることになる。
 『Jordan the Comeback』とは、蒼き少年性のよじれた青臭い情熱が飽和点に達し、わずかに未成熟な部分を残すことによって、逆に完成度の高さを証明した、初期の秀作である。メイン・トラックでもあるシングル・カット「When Love Breaks Down」がUKチャート25位と、これまでの最高位を獲得したことも、大衆性を獲得できた一因である。
 
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 この後、3枚目『From Langley Park to Memphis』がリリースされるのだけど、これがかなりの難産で、完パケまで3年のブランクが空いている。彼らに限らず、近年になるに連れてアルバムのリリース・ペースは長くなる傾向にあり、3年くらいなら全然普通、決して長い方ではないけど、ポップ・スターのステップを昇り始めたばかりの若手バンドとしては、致命的とさえ言える異例の長さだった。
 ただ、サウンドの具体像が見えていたことによって、完成図はしっかりしており、よって長い時間をかけることは想定の範囲内であったこと、また、手間暇をかけることによって、それに見合う完成度をメンバー自身だけでなく、レコード会社もそれなりの理解を示していたことが、レコーディングの長期化を招いたと思われる。
 どういったコネクションだったかは不明だけど、なぜか Stevie Wonder や Pete Townsent など、あまり関連性はないけど、とにかく豪華なゲストを招き入れたことも手伝って、UKチャート最高5位と大健闘した。「Cars and Girls」「The King of Rock 'n' Roll」「Hey Manhattan!」と、シングル・カットも多い分、注目を浴びる期間も長かった。
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 決してライブには積極的ではない若手バンドのわりに、商業的には成功したと言えるけど、ここからリーダー兼ヴォーカリスト兼ソングライターである Paddy McAloon の迷走が始まることになる。
 同世代のソング・ライターの中では突出した能力を持った Paddy だからして、その作曲レベルの経験値は増し、技術的なスキルが上がってゆくことはもちろんだけど、それに伴って作品のクオリティの要求度合い、ジャッジメントのレベルも次第にアップしてゆくのは、自然の成り行き。盟友 Thomas と共に、試行錯誤を繰り返しながら、レコーディング・スタジオに籠りきりの日々が続く。
 先行きの見えないレコーディングがあまりに長引いたおかげで、次第にレコード会社からのプレッシャーは強くなり(多分レコーディング費用が思いの他かさんだおかげで、損益分岐ラインを割りそうになり、継続の条件として、何かしらのアイテム・リリースを要求されたのだと思う)、当時からすでに幻の名作扱いとなっていた『Protest Songs』をリリースすることになる。
 
 いわくつきのアルバム『Protest Songs』の制作は実は古く、『Steve McQueen』完成後、2週間で一気に作り上げたアルバムである。
 Thomas の緻密なコントロールによって練り上げられた『Steve McQueen』完成後、解放感に満ちあふれたメンバーらが、勢いの余っているうちに、今度はまったく逆のコンセプト、もっと肩の力の抜けた作品を作ろうと、一気呵成に制作された。メンバー(ていうか Paddy )側の意向としては、『Steve McQueen』と陰陽の関係で、間髪入れずにリリースしたかったのだけど、意外に『Steve McQueen』がチャート上で健闘したこと、またヒット・アルバムの次回作としては、あまりに地味な印象だったため、レコード会社がリリースを拒否する事態になってしまった。
 で、月日は流れ、当初は不満タラタラだったメンバー達でさえ、すっかり存在を忘れていた頃、レコード会社の都合によって、さもニュー・アルバムかのようにプロモートされてリリースされた、という経緯。
 長く待たされたファンは「あの幻の作品!」と歓喜し、相変わらず高いソングライティング・クオリティに満足した。Paddy 自身としては、もはやすっかり忘れていた作品を、今ごろになってニュー・アルバムまでの繋ぎとして持ち出されたことが不本意だったらしい(実際、プロモーションを拒否した、とのこと)。
 
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 リリース直前までゴタゴタが続き、長い長いレコーディング期間を経て完成したのが、この『Jordan The Comeback』。発表当時からすでに名盤の呼び声が高く、雑誌レビューでもほぼベタほめの内容が多かった。
 それぞれの曲のクオリティがとても高い。練り上げられたソング・ライティング、丹念に磨きこまれたサウンド・プロダクション。どれも一流の仕事である。個々の完成度は恐ろしくハイレベルだけど、良い意味でどの曲もアルバム中のワン・オブ・ゼムとなっており、すべてがこのアルバムのために構成されており、すべての音が大きな括りである『Jordan The Comeback』の世界のために鳴っている。
 なので、シングル・カットされた「We Let The Stars Go」が、このアルバムの中では比較的有名な曲だけど(実際、俺もこの曲のPVを見てファンになった)、シングル一曲だけを取り出して聴くより、アルバムを通して聴いて、前後の流れも把握しながらの方が、Paddy の創り上げた世界観を堪能できる。
 
 ジャケット裏を見ると全4パートで構成されており、それぞれにコンセプトもあるのだけど、あまり歌詞の内容にはこだわらず、心地よいサウンドとメロディに身を任せてる方がよい。このように全体を俯瞰した構造のアルバムは、コンセプト系が強いプログレのアルバムでよく見受けられるのだけど、そこまで一貫したストーリー性があるわけではない。理屈よりはまず、耳で心で聴いて、感じてほしい。
 コンポーザー Paddy McAloon 、プロデューサーである Thomas Dolby とのタッグで作り上げた、極上のポップ・ソングの集合体である。


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1.Looking For Atlantis
 軽快なドラムからアコギのかき鳴らし、紅一点である Wendy Smith による、透明感のあるコーラスで幕を開ける。アルバムの始まりとしては最適。明快な言い訳なしのポップ・サウンドは、メロディ自体はそれほどフックは聴いていないのだけど、やはりこのサウンド、そして Paddy のちょっぴりハスキーなヴォーカルによって、つい口ずさみたくなるようなラインが散りばめられている。
 なのにシングルはUK最高51位。世間はもっとハードでダンサブルな音を求めていた時代である。
 
 

2.Wild Horses
 Paddy といえばよくメロディ・センスが取沙汰されるけど、これは珍しくリズム・パターンに特徴のある曲。このアルバム以降、Paddy の嗜好によって、サウンドの質感を重視するがあまり、必然的にメロディー重視となってゆくのだけど、ここではまだ、リズムとメロディーの遊びがうまく融合している。
 
 

3.Machine Gun Ibiza
  なぜかプロモEPのみが存在してるのだけど、結局本リリースには至らなかった、謎の経緯を持つ曲。ドゥーワップ調のコーラスとリズムの調和が美しい。とてもポップな曲調なのだけど、タイトルがマシンガンって…。
 
4.We Let The Stars Go
 アコギのストロークの使い方、音像処理がうまい。このアルバムの中では。比較的知名度の高い曲。
 少し熱のこもったハスキーなPaddyの声質は、時にJohn Lennonを連想させる。『星をきらめかせて』という邦題はちょっと恥ずかしいけど、曲のイメージを端的にあらわしてる点で見れば、名邦題だと思う。
 
 

5.Carnival 2000
 4曲入りEP『Jordan:The EP』にも収録された、バック・トラックはほんと明るいカーニバルなのだけど、普通に歌っても、どこか憂いを感じてしまうPaddyのヴォーカルにウキウキ感は少なく、どこか狂騒から疎外されてるような、第三者的な視点を感じる。どうもポジティヴに考えることができない人なのだろう。と思ったら、そういえばPrefabってイギリスのバンドだった。なるほどね。
 
6.Jordan: The Comeback
 こちらも『Jordan:The EP』に収録。タイトル・トラックのくせに地味というのは、やはりどこか変化球を好む英国人気質のあらわれか。半分近くをナレーションのようなモノローグで埋めており、このアルバムが単なるポップ・ソングの寄せ集めでなく、きちんと考え抜かれたコンセプト・アルバムであることを暗示させている。
 
7.Jesse James Symphony
 出だしはマーチのリズムから始まるのに、次第に曲調が微妙に変化し、遂にはタイトル通りSymphonyになる、不思議な曲。
 うちの妻がこれを一聴して、「水戸黄門みたい」と評した。確かにその通りだ。
 
8.Jesse James Bolero
 7.とのメドレー。やはり水戸黄門が頭を離れない。
 
9.Moon Dog
 地味な曲だけど、サビに向けて少しずつ盛り上がりを作っていくのは、ポピュラー・ソングとしては非常にまっとうな構造の曲。なので、すごく地味なメロディ・ラインが続くのだけど、変にクセがないので、ずっと聴いてられる点として、俺の中で『Jordan』の中ではベスト・トラック。
 
 

10.All The World Loves Lovers
 コンパクトにまとめた3分間のエレ・ポップ。このアルバムの中では珍しくメロディが立っており、だいぶ後になってからシングル・カットされている。UK最高61位。まぁ地味な曲だけど、アルバム・リリース1年以内だったら、もうちょっと上に行ってたかもしれない。
 
11.All Boys Believe Anything
 とは言っても、この曲も同じく1分足らずで終わってしまう。普通に1曲にすればよかったのに、と思ってしまうのは、ちょっと合理的な考え過ぎる。あえて前・後半と分けたことに、コンセプト・アルバムとしての意図があるのだ。あるのだろうけど、でも、やっぱまとめちゃっても良かったんじゃない?
 
12.The Ice Maiden
 Thomas Dolbyのプロダクションが強いのだろう、曲としては地味なのだけれど、サウンドの妙で、ついつい最後まで聴いてしまう曲。
 どの曲もそうなのだけど、メロディ・メーカーとしては一流のPaddy、ただヒット・メーカーとしてはちょっと難があって、フックの効いたメロディが書けない。それとも書くのを恥ずかしがってるのかは知らないけど、アレンジという肉づけを取り払ってしまうと、案外素っ気ないメロディの曲も多い。
 そういったウィーク・ポイントを、自分でもわかっているのだろう。敢えてThomasに丸投げすることによって、これもきちんと楽曲として成立している。
 
13.Paris Smith
 
前曲から切れ目なく続く、同じく武骨なメロディ、ていうかモノローグっぽく始まる曲。でもサビはキャッチーなメロディを使用している。これも3分足らずの短めの曲なので、もう少し展開して長尺にしたら、シングルでもありだったんじゃないかと思うけど、まぁ売れないよな、きっと。
 
14.The Wedding March
 往年のハリウッド映画のサントラみたいな小品。アルバムの流れの中ではうまくはまってるけど、単品だとちょっとキツイ。アメリカを意識すると、こういった曲も入れてバラエティを持たせないとダメなのだ。

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15.One Of The Broken
 『Jordan:The EP』1曲目を飾る、このアルバムの中でも屈指の名バラード。基本Paddyのアコギ弾き語りなのだけど、薄く被さっているサウンド・メイキングが絶妙。キリスト教が基盤となった社会において、神を讃える歌というのは日常であり、ましてやPaddy世代ともなると、こういった荘厳とした曲を、しかもポップに聴かせることができるのは、ヨーロッパ人ならでは。
 
16.Michael
 シングル"Looking for Atlantis"B面ににも収録された、Paddyのモノローグから始まり、次第にゴスペルめいたコーラスが加わり、そして大団円へと収束してゆく。このように神を直接取り上げたテーマ、アメリカなら大人数のゴスペルとなって、次第にテンポも速くハイ・テンションになるのだけれど、ヨーロッパでは畏れ多い存在として、へりくだった姿勢が垣間見えてくる。
 
17.Mercy
 15.から続く組曲の締めくくりとなる、Paddyによるアコギの弾き語り。ほんとこれだけ。飾りも何もない、ほぼ素のままのPaddyの祈りが刻まれている。
 
18.Scarlet Nights
 このアルバムの中では、唯一バンド・サウンドっぽいポップ・ソング。前作『From Langley Park to Memphis』収録"Golden Culf"とサウンドのテイストが似てるので、もしかしたら制作時期は近かったのかもしれない。
 なかなかテンションの上がる曲なので、アルバム構成的には、もう少し前の方に入れてもよかったんじゃね?と勝手に思ってしまうけど、Paddy的にはここでOKなのだろう。
 
19.Doo-Wop In Harlem
 Paddy風ゴスペルの完成形。このアルバムにもゴスペル的要素を含んだ曲はいくつかあるけれど、これはゴスペル・ミュージックと、そしてキリスト教的信仰と正面切って向かい合って作られた曲。ゴスペルと言えばもっとアップ・テンポの、多勢によるアカペラが連想されてしまうけど、Paddyにとってのアカペラはどちらかと言えば讃美歌に近く、そしてすごくパーソナルなもの。宗教的体験を皆で共有するのではなく、あくまで神と対峙の姿勢というのが、Paddyのスタンスである。

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全19曲60分超。大作。一年に一度くらいは、特に"Looking For Atlantis"と"Moondog"が聴きたくなり、かけたら結局、最初から最後まで通して聴いてしまうことになる。
 そしてまた、一年が過ぎてゆく。
 
 どの曲もクオリティは高いのだけれど、ヒット・チューンとしては必須となるフックのメロディが少ないので、単体では地味な曲ばかりである。ただ、緩やかでもコンセプトを設定し、テーマに沿って曲順を構成することによって、個々の曲の輝きが増し、結果、全体のクオリティも向上する、という構造は、昔から『Abbey Road』や『Sgt.Pepper’s』などでも使われた手法だ。
  一曲だけを抜き出すより、通して聴きたくなるアルバムなので、時間のある時に、じっくり聴いてみてほしい。

  このアルバムの完成後、バンドとして一つの頂点を極めた、と判断したのか、Prefab Sproutは活動自体が縮小、遂にはPaddyのソロ・プロジェクトへと変貌していく。



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今までより、ちょっぴりチャラくしてみました - Aztec Camera 『Love』

love 1 1987年リリース3枚目のアルバム。UKチャートトップ10入りした、最初で最後のアルバムでもある。
 1983年、Roddy Frame (Vo,G)を中心とした、普通の5人編成バンドとして、当時メジャー・レーベルに対抗するインディー新興勢力だったラフ・トレードより、『High Land, Hard Rain』でデビュー。この頃はまだそれなり、ごく普通のギター・ポップ・バンドだった。シングル「Oblivious」(間奏ギターソロは必聴!)で脚光を浴び、「おっ、チョットそこらのバンドとは違うんじゃね?」と注目を浴びるとすぐ、メジャーWEAとワールドワイド契約、さらにネオアコ~ギター・ポップ路線を突き詰めた佳作『Knife』をリリースした。

 当時「Money For Nothing」の大ヒットによって、一気にメジャー・シーンに躍り出た Dire Straits のリーダー兼コンポーザー Mark Knopfler がプロデュースしたことも、大きな話題となった(なぜこの人選に至ったのか、今となっては経緯は不明。多分レコード会社主導で企画されたコラボだったと思う)。
 ちなみにこの辺りから、他メンバーの影は次第に薄くなってゆく。もともとほとんどの曲を自作、しかもメイン・ヴォーカルでありフロント・マンでもあった Roddy 、サウンド・メイキングにバンドの力を借りる必要はなかった。ほとんどのトラックを Mark と共に作りこんでゆき、バンド・メンバーも辛うじてクレジットはされているものの、ほぼサポート扱いだったことが、当時のメディアでも報道されている。わかりやすく言えば、 ZARD みたいなもの(これしか思い浮かばなかった)。
 
 バンドとしての Aztec Camera の活動は次第にフェード・アウトしてゆき、心機一転、 Roddy のソロ・プロジェクトとして再スタートを切った初めてのアルバムが、この『Love』である。この時代から、レコーディングやライブ毎に適時メンバーを編成する手法がスタートする。今でこそあまり珍しい形態ではなくなったけど、ここまでフレキシブルなバンド編成は、当時あまり類を見なかった。

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 それまでの Aztec Camera で思い浮かぶのが、「ネオアコ・ポップ界のギター・ヒーロー」、「青臭く繊細な文化部系バンド」という一般的なイメージである。俺個人としても、「Walk Out To Winter」を聴いていると、真冬の朝、白い息を吐きながら、静かな街中を軽快に歩く Roddy のビジュアルが思い浮かぶ。ツルンとした中性的な顔立ち、ユニセックスなビジュアルも、当時の洋楽オタク女子、今で言う腐女子らにアピールしていた。
 
 1980年代中盤から後半のブリティッシュ・シーンにて興ったムーヴメントの一つとして、ブルー・アイド・ソウル現象が挙げられる。もともとは Daryl Hall & John Oates に端を発する、アメリカが発端のムーヴメントなのだけれど、緻密なメディア・イメージ戦略とMTVパワー・プレイを最大限に活用することによって、メジャー・レーベルの思惑通り、イギリスを始めとした全世界に飛び火し、後追いするミュージシャンが続いた。
 既存のロックに"No"を突きつけた、パンク/ニュー・ウェイヴ・シーンが無残な末期を迎え、一転して先祖返りしたオーガニックなネオアコ・サウンドの流れが続いたのだけど、その路線も行き詰ってしまい、方向性を見失った彼らが目を付けたのが、ブリテッィシュの視点でブラック・ミュージックを消化(模倣)したサウンドだった。
 
 積み重なる人件費と、その他諸々の経費(主に酒・女・ドラッグなど)によって、多人数編成のバンド維持が困難になりつつあったソウル・ミュージシャン達にとって、簡易型のシンセサイザーの普及は、大きな革命に値するものだった。演奏機材の技術的向上、大量生産によるコスト・ダウンに伴う爆発的な普及化によって、多人数のホーン・セクションを雇わなくても、そこそこのクオリティのサウンドを作ることが可能となり、それが80年代 R&B の基本フォーマットとして定着した(その発端となったのが Marvin Gaye であり、機材の使い方によっては Zapp にもなった)。

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 多かれ少なかれ、アメリカへのコンプレックスを抱いていたイギリスの文化系ミュージシャンたちが、「これなら俺にもできそう!」と勘違いして、ヤマハDX7やフェアライトCMIのプリセット・サウンドを用い、プラスチック・ソウルを演じた。サクセス・ストーリーのまだ途中だった Jam を解散してまで  Style Council を結成した Paul Weller 、ソロでは Paul Young 、Dr. Robert  率いる Blow Monkeys  などが典型である。
 ただ、あまりにも時代の要請に応えすぎたあまり、そして当時の演奏機材のスペックの限界もあって、ほとんどのサウンドが、ヴォーカルを抜くと、どれを聴いても金太郎飴状態となってしまう。そうなれば行き着く先は決まっており、他アーティストとの差別化が困難なため、無理やり路線変更を強いられるか、はたまた空中分解してしまうか、どちらかである。
 結局のところ、最後に優劣を決めるのは曲そのもの、バンドやヴォーカル自体の地力の差という、当たり前の結論に落ち着くこととなる。
 そう考えると、サウンドは徹底的に作り込みながらも、ヴォーカルは線の細いままの Scritti Politti が成功を収めたのは、理に適っている(同様のコンセプトのサウンド・メイキングでありながら、さらにリズムを強調した New Order  は、更に大きな成功を手にした)。
 
 ほんの一瞬ではあったけど、時代の寵児であった Roddy  もまた、そんな尻馬に乗った一人である。メジャー・レーベルから提示されたビッグ・バジェットを最大限活用し、時代を象徴する、きらびやかなサウンド、悪く言えばチャラい路線を彼は選んだ。
 それまでは、イギリス国内でカレッジ・チャートを賑わせる程度の存在でしかなかった Roddy だったけど、同時代のアーティストの成功を横目で見て野心が湧いたのか、はたまたレコード会社の要請だったのか、有名どころの Steve Gadd (Dr)、Dan Hartman (B.Vo), Steve Jordan (Dr), Will Lee (Bass)などをそろえ、アメリカ市場を意識したゴージャスなサウンドを創出している。


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1.Deep And Wide And Tall
 一発目から80年代特有リヴァーブ・ドラムがさく裂する、さらに今回初導入したソウルフルな女性コーラスと共に、Roddy が爽やかに歌い上げる。当時のMTVでヘビロテされてもおかしくないレベルに仕上がった、Roddy 流メジャーポップ。
 
2.How Men Are
 俺が Aztec Camera に興味を持つきっかけになった曲なので、思い入れも一段と強い。
 Peter Barakan が深夜にやっていた「ポッパーズMTV」にてこのPVが流れ、そのセンチメンタリズムに魅了され、即座にファンになった。もともとセミ・アコを用いたギター・プレイに定評のあった Roddy だけど、このアルバムではサウンド・クリエイターの面を強く押し出しており、ギター・サウンドを前面に押し出した貴重な曲。
 セミ・アコによって奏でられる、間奏のソロの切なさ否たさがたまらないのだけれど、アウトロ前からかぶってくる、R&B風女性コーラスがちょっとクドい。でも好きな曲。

 

3.Everybody Is A Number One
 タイトル通り、アッパーで前向きなポップ・チューン。軽快なギター・リフと、時代を感じさせるシンセ・ブラスが特徴。間奏の女性コーラスとによるコール&レスポンスも、当時のヒット・チャートを意識したかのようなハデな作り。
 
4.More Than A Law
 ウエットなメロディとスウィートな旋律が日本人の感性にもフィットする、ネオ・アコ的なナンバー。この腹から声の出ない Roddy のヴォーカルは、当時のバンド系腐女子らのハートを狙い撃ちして、イチコロにした。
 
5.Somewhere In My Heart
 Aztec Camera としては最大のヒット曲。全英シングル・チャート3位。
 シンセ・ブラスとリヴァーブの利いたドラムで構成された曲。このアルバムのためにボイス・トレーニングを受けたのだろう、線は細いけど声が十分前に出ている。
 掻きむしるかのような、間奏のギター・ソロが絶品。

 

6.Working In A Goldmine
 UKシングル・チャート31位まで上昇した、切ないラブ・ソングっぽく聴こえる曲だけど、歌詞は金鉱で働く労働者の嘆きを歌っている、別な意味で切なくなってしまう曲。間奏のギター・ソロもまた郷愁を誘うようにドラマティック。淡々としてはいるけれど、メロディのフックも効いており、そこそこの売り上げだったことは理解できる。
 
7.One And One
 一転して、これまでの Aztec Camera の流れからは想像できないダンス・ナンバー。ファンキーなギター・カッティング、女性ヴォーカル Caroll Thompson との掛け合いは完全に気迫負けしてはいるけど、アメリカのコンテンポラリーなサウンドを背伸びして狙っていたことが想像できる。「プラスティック・ソウル」という形容がピッタリはまる曲。

8.Paradise
 80年代の典型的なフォーマットに則って作られたポップ・ソング。破綻も少ない凡庸なバラードなので、これって、別に Rodyy じゃなくてもいいんじゃね?といつも思ってしまう。Rick Springfield にでも歌ってもらった方が、こういった曲はずっとチャラくウエットに仕上げてくれるはず。
 
9.Killermont Street 
 ネオアコ風味が残ったラスト・ナンバー。後に自らのホームページのタイトルにもなっている、本人の思い入れも強いと思われる名バラード。



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 この時代のほとんどのアーティスト同様、思いっきりアメリカン・チャートを意識した音作りにもかかわらず、ビルボード最高193位という、どうにも不本意な結果に終わってしまう。この後、ほんとに神経質になったのか、まんま『Stray』というアルバムを作ったり( Clash の Mick Jones とコラボした「Good Morning Britain」がオススメ)、坂本龍一をプロデューサーに迎えてAORっぽいアルバムを作ったりと、しばらく迷走の日々が続く。
 それでも日本ではウケがよかったのか、アルバム未収録曲やライブ・ヴァージョンで構成された独自企画盤が2枚もリリースされており、Roddy 自身も温かく迎え入れてくるオーディエンスに応えて、何度も来日公演を行なっている。
 
 永遠の少年性を漂わせる、ツルンとした顔立ちと風貌、ライブでの気さくな人柄が功を奏したのだろう、名義を Roddy Frame 単独にして、地道に活動を継続、インディーズに戻ったことによって、余計なプレッシャーから解放され、自由かつマイペースな活動を続けた。リリース・ペースは長くなったけど、時々思い出したようにアルバムを制作、今年に入ってからも秀作『Seven Dials』を発表してくれた。
 今年50歳を迎え、さすがに童顔だった Roddy も寄る年波には抗えず、今回のジャケット写真では、年相応の老け込み具合が長年のファンにショックを与えた。しかし、何かを振り切ったのだろう、決してかつての名曲たちにはかなわないけど、極上のメロディを携えてシーンに帰ってきてくれたことを素直に喜びたい。




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北海道の中途半端な田舎に住む、そろそろアラフィフ男。ほぼ週1のペースで音楽ブログ更新中。節操ない聴き方と思われてるけど、自分の中では一貫してるつもり。 最近は蔵書の整理がてら、古い本を再読中。ジョン・アーヴィングから始まって、フィッツジェラルドやゾラ、モームなど、いわゆる古典の復習中。いつになったら終わることやら。新刊読めねぇや。
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