好きなアルバムを自分勝手にダラダラ語る、そんなユルいコンセプトのブログです。

#Jazz Funk

バンブーズ、完全復活!! - Bamboos 『Night Time People』

folder 思えば5枚目のアルバム『Medicine Man』のあたりから、Bamboosのコンセプトはズレ始めていたのだった。
 「JB’sとMetersが合体したらどうなるんだろう?」といった、ディープ・ファンク・バンド結成にはありがちな、ていうか飲み屋のヨタ話みたいな動機からスタートした彼らではあったけれど、初っぱなからゴリゴリのスタンダード・インスト・ファンク「Tighten Up」で注目を集めた。その後も地道なライブ活動で地道な支持を集め、地味ながらも正統派バンドとして基盤固めをしていたのだったけれど。
 レギュラー・メンバーとしてKylie Auldistが加入して、基本のバンド・グルーヴに厚みを持たせることに成功したまではよかったのだけど、年を追うにつれ、ゲスト・ヴォーカルによるナンバーが多くなってゆく。ポピュラリティの獲得にそれは寄与したのだけれど、それと引き換えに初期の無骨さは削られて丸くなり、バンドのアイデンティティは希薄化していったのだった。

 メイン・ヴォーカル不在のディープ/ジャズ・ファンク・バンドの場合、インストばかりでは、アルバムの流れにメリハリがなくなるため、1〜2曲程度、ゲストを迎えてヴォーカル・ナンバーを入れることが多い。中にはBudos Bandのように、意地でもインストしかやらねぇ、というバンドもいるにはいるけど、CD/LPデビューを果たした大抵のバンドは、多くがこのセオリーに従っている。
 本来のBamboosはインスト・ファンクの要素が強く、ライブではバンドの存在感の方が強い。音源では大きくフィーチャーされているKylieも、ステージでは出ずっぱりというわけでもなく、バンド・アンサンブルがメインとなるナンバーでは、出しゃばらず引き立て役に徹している。
 ライブでは、無骨でアグレッシブな面を見せることも多い彼ら、なのに近年のかしこまり過ぎた音源では、存在感は薄れつつある。ゴリゴリのファンクネスを求めて近年の作品に手を出すと、肩透かし感がハンパない。そこで目立っているのは、バンドでもKylieでもなく、ゲスト・ヴォーカルだもの。これじゃまるで、二流のコンテンポラリー・ポップ・バンドだ。

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 ゲストの比率が多くなったということは、相対的にKylieの存在感が薄れてきた、ということでもある。
 Bamboos 参加前から、オーストラリアのジャズ・ファンク界隈では有名だった彼女、いわゆるゲスト・ヴォーカル職人として、あらゆるバンドからオファーが絶えなかった。アンサンブルのグレードをワンランク上げてしまうKylieの声は、どのバンドのサウンドにも有機的に溶け込んだ。
 Bamboosもまた、力強い彼女のヴォーカルによって濃密なグルーヴ感が生まれ、セールス・知名度とも飛躍的に上がっていった。ヒットの相乗効果として、Kylieの評判が上がると共に、客演やユニット参加も多くなってゆく。当然、レコード会社もそんな彼女を放っておくはずがなく、自然とソロ活動にも意欲的になってゆく。
 多忙によってセッション参加率の減ったKylieの代わりに、Bamboosは積極的にゲスト・ヴォーカリストを迎えるようになる。彼女の穴を埋めるのに、既存路線のインスト・ファンクだけでは、明らかに不足だった。
 ライブ・オンリーの趣味的なバンドなら、原点回帰もアリだったかもしれないし、実際、バンド・メンバーもそれでよかったのかもしれないけど、リーダーLance Fergusonは、もっと上のステージを狙っていた。一旦、上を見てしまうと、足元を見直すのは、恐ろしく勇気がいるのだ。
 Kylieによって拡大したファン層の維持、さらにオーストラリア国内でのメジャー化を進めるため、ゲスト・ヴォーカルとのコラボは欠かせぬ要素だった。

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 レコーディング主体のディープ・ファンク・バンドというのは、世界中にほぼ存在しない。ほとんどすべてのバンドは、ライブを中心に据えた活動形態をとっており、Bamboosもまた同様である。
 そのメインであるライブでは、その都度、音源と同じゲストを呼ぶことはできないため、ヴォーカルはKylieのみとなる。なので、きちんとイコライジングされたレコーディング音源とは一味違う、普段着のBamboosがライブでは堪能することができる。
 かっちりプロデュースされたCDやシングルで、幅広いライト・ユーザーへアピールし、コアなファンに向けては、いつも通りの荒々しいライブ・バンドとして。そんな表裏一体の使い分けでもって、円滑なバンド運営を図れるはずだった。の、だけど
 課外活動で引く手あまたのKylieがBamboosに割く時間は、ますます減っていった。レコーディングでは、ゲストでつなげばどうにかなるけど、ライブではそうはいかず、どうしても常駐ヴォーカルが必要になる。
 ネーム・バリューのあるKylieが参加するかしないかで、ライブ動員も全然違ってくる。彼女のスケジュール次第でライブ日程が組まれるため、自然とライブ本数は減ってゆく。
 リーダーとして調整役に回らなければならないLanceもまた、ソロ活動というかいろいろなユニットに顔を出したり客演したりで、Bamboosに専念できない状態が続いていた。また世話好きの好事家だから、何でもホイホイ引き受けちゃうんだよな。

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 そんなわけで、なかなかメンバー全員が顔を合わせることができず、レコーディング主体の活動になっていたBamboosだったけど、皮肉にも一般的な人気は高まってゆく。
 著名ゲストを揃えたクセの少ない楽曲は、ヒット・チャートとの相性も良く、セールスも着実に伸びていった。一応、ディープ・ファンクの本分として、アルバムにはインスト・ナンバーやKylieヴォーカルの曲も入ってはいたけど、それもほんの付け足し程度、全般的にファンク臭は薄れてゆく。
 6枚目の『Fever in the Road』では、長年在籍したTru Thoughtsから、海外進出を前提としたPacific Theatreに移籍、セールス的には成功した。国内でのポジションも固まり、ここから本格的に世界へ羽ばたく雰囲気だった。
 その後、これまでたびたびゲスト参加していたTim Rogersとのコラボ・アルバムでは、もう俺の知ってるBamboosは、どこにもいなかった。確かに国内でのポジションはTimの方が上だし、彼らもその心づもりだったんだろうけど、ディープ・ファンクの香りはどこにもなかった。そこにいたのは、無難な演奏をこなすバックバンドだった。
 これじゃ別に、彼らじゃなくてもいい。スタジオ・ミュージシャンを使っても、なぁんも変わらない。
 そんなわけで、彼らとちょっと距離を置くようになっていった。

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 流れが変わったのが、サイドプロジェクトのCookin' on 3 Burners、2016年「This Girl」の世界的大ヒットだった。厳密に言えば、彼ら単体名義ではなく、フランスのDJ Kungs によるリミックス・ヴァージョンが注目されたのだけど、まぁ細かいことは抜き。とにかく彼らの存在は世界中に知れ渡り、ゲスト・ヴォーカルKylie の株も大幅に上がった。
 そんな勢いも借りてリリースされたソロ・アルバム『Family Tree』は、80年代ユーロビート・リバイバルの時流に乗ったサウンドをバックに、テンションMAXで歌い倒す快作となった。同じオーストラリアの歌姫Kylie Minogueをビルドアップして泥臭くした、強烈なダンス・ビートは、世界中のパリピを狂喜乱舞させるはずだった。
 通常の流れだと、このまま世界ツアーや各国のメジャー・アーティストとのコラボでステップアップしてゆくのだけど、なぜか彼女、グローバル展開へはあまり積極的ではなかった。Bamboosの面々をバックに従えた国内ツアーを終えると、そのままアルバム制作に移行する。
 で、できたのがこの『Night Time People』。



 そこらの自称ディーヴァ程度なら、軽く蹴散らしてしまうポテンシャルを有するKylie。 プロトゥールスで無理やりかさ増しされたデジタル・ビートなら、いとも簡単にねじ伏せてしまう。長年に渡って鍛え上げたれた強靭な喉は、向かうところ敵なしである。
 だからこそKylie、キンキンして無機質のDTMサウンドは物足りなく感じたのだろう。自分のポテンシャルを最大限引き出すためには、やはりフィジカルなサウンド、生のバンド・グルーヴじゃないとダメなのだ。
 一旦、外の空気を吸ってみないと、わからないことはいくらだってある。久々に一緒にツアーを回って気付いたのは、彼女が先だったのか、それともバンドだったのか。とにかく思い立ったら即行動、バンド再始動に向けて動き出す。

 そんなわけで『Night Time People』。今回、恒例のゲスト・ヴォーカリストはなし、ほぼKylie出ずっぱりで、直球勝負のディープ・ファンクが展開されている。水を得た魚のように、これまで以上に好き放題がなりたてるKylie、そしてそんな野放図ぶりをしっかり受け止める、盤石のバンド・アンサンブル。前作で特に顕著だった、耳ざわりの良いポップ要素は抑えられている。代わりに強調されているのは、無骨かつしなやかなグルーヴ感。
 一応、新機軸として、DJをフィーチャーしたお遊びもあるにはあるけど、以前のようにそれが売りになっているわけではない。ここでの主役は、あくまでBamboosだ。


NIGHT TIME PEOPLE
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01 Lit Up 
 先行シングルとして、オフィシャルサイトでもいち早くアップされた、復活を大々的にアピールしたパワー・チューン。トイ・ピアノっぽいイントロから遊び心満載、そこから一気にボルテージ・アップ。だけどバンドはクレバーで、Kylieも余力を残した歌いっぷり。そう、ショウはまだ始まったばかりなのだ。
 ちなみにミックスを手掛けたのが、往年の名エンジニアBob Clearmountain。こういったメリハリのある音は、さすが堂に入ったところ。



02 Stranded
 一転して、Kylieソロでも行けそうなポップ・ナンバー。ソウル色はあまりないけど、サウンドのわりに重い響きのバスドラが、バンドの存在感を引き立てている。

03 Golden Ticket
 で、ここでちょっとソウル色が強くなる。ノーザン・ソウルだな、いい感じのストリングスも入ってるし。先人へのリスペクトを表した、軽快なナンバー。ブラス・セクションがずっと出ずっぱりなのも、通常営業のBamboosらしさ。

04 Salvage Rites
 少しダークな趣きの、ロックっぽさも加味したナンバー。以前だったらもっと甘めに仕上げていたんだろうけど、そこはKylieが歌うだけあって、ボトムの効いたロッカバラードとして成立している。

05 Pony Up
 ライブ映えしそうな、重めのファンク・チューン。演奏陣とのコール&レスポンスが聴きどころ。ほど良い緊張感が全体を支配し、一触即発予測不能のセッションとなっている。彼らとしては珍しく、オルタナ風のディストーション・ギターでのソロが聴ける。

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06 Night Time People
 タイトル・トラックは、モノローグ風に早いテンポのヴォーカルからスタート。ゴリゴリのファンクかと思ったら、案外凝った構成なので、聴き進めると面白い。

07 Backfired
 ルーズなタッチのモダン・ブルース。ブルースという性質上、演奏の方が目立っており、ブラスが特にあれこれ技の出しまくり。Lanceのギター・ソロも出てくる。でもこの人、ほんとブルース色は薄いよな。普通にリズム切ってる方がしっくり来る。あ、でもあんまりしつこくないから、それはそれでいいのか。

08 War Story
 ファニーなノーザン・ソウル風のイントロは、Kylieのソロっぽい。あれだけ豪快ななりをして、これだけパワフルな歌いっぷりだというのに、可愛らしさが漂うというキャラクターは、ある意味貴重。

09 You Should've Been Mine
 60年代ソウルへのリスペクトを踏まえながら、よりポップに、そしてパワフルさを付け加えた、壮大なスケールを想起させるミドル・バラード。今後、彼らのスタンダードとして残るべきアンセム。

http-365daysinmusic.com-wp-content-uploads-2013-09-The-Bamboos

10 San Junipero
 ラス前は恒例のインスト・ナンバー。たっだ1曲ではあるけれど、以前のアルバムのように、演奏陣が隅に追いやられている感はまったくない。Kylieの歌があってこそのBamboosであり、そして逆もまた同様。モダンでありながら、どこか泥臭い。そんな彼らの熱いステージがイメージできる。

11 Broken (feat. J-Live)
12 Broken (feat. Urthboy) 
13 Broken (feat. Teesy)
 で、ボーナス・トラック的なここから3曲、バンドによるベーシック・トラックをもとに、3人のラッパーが絡んだ珍品。よくこんなこと、アルバムでやるよな。普通、シングルの企画だろうに。そこら辺にも手を出すところが、また彼ららしい。普通には終わらせないぞ、という気骨のあらわれか。
 リズミックでオーソドックスなJ-Live、ちょっとギャングスタっぽくルーズなノリのUrthboy、Tessyなんてドイツ語で独特だし。ラップ系はあんまり詳しくない俺だけど、各人フィーチャーする箇所が微妙に違っているので、聴き比べるのもなかなか面白い。





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世界のジャズ・ファンク・バンド巡り - ワールドワイド編

aaa 気がつくと、ここしばらくジャズ・ファンク系のレビューを書いていないのだった。調べてみると、約1年半。まったく聴いていなかったわけではない。最近はロックに回帰、しかもブートレグ・サイトで昔のライブ音源を漁ることが多くなっているけど、不定期に各バンドのフェイスブックやツイッターをチェックしていた。新譜が出れば購入したり試聴したり、おおよその動向はつかんではいたのだ。
 言ってしまえば、ネタ切れ感が強い。いや単なる新譜紹介ならできるのだけど、このブログの通常サイズでレビューするには、あまりに情報が少なすぎる。
 だいたいジャズ・ファンク系のバンドというのは、「ミュージシャン」が多くて「アーティスト」というのは極めて少ない。強いカリスマ性を持つリーダーや、アクの強いキャラクターというのはほとんどいない。そのほとんどは、真摯でまじめでちょっぴりダラけた、演奏するのが好きで好きで仕方ない連中なのだ。強いエゴを押し通すより、ライブでプレイするだけで満足、という向上心のかけらもない、愛すべき連中でもある。
 そんな人たちなので、華やかなニュースというのはあんまりない。新譜リリースや大物コラボでもない限り、特筆すべきことなんてない。ないない尽くしなので、つい書かずじまいだったのだ。
 とはいえ、紹介したいアルバムはいくらでもある。特にここ1年半で、以前レビューしたバンドのニュー・リリースが続いたし、このサイズなら書けそうなので、まとめてここで書いてみる。

Electro Deluxe 『Circle Live』

electro deluxe 今年3月にリリースされた、2枚目のライブ・アルバム。アメリカ、日本を含め、全世界200公演に及ぶ『Circle』ツアーから厳選されたトラックが収録されている。EUを中心に大きなセールスを上げた『Circle』、またはその前の『Home』を中心とした選曲となっており、エレクトロ色が残っていた1、2枚目の曲は少ない。初期のライブ定番曲だった「Stayin' Alive」のカバーも、ボーナス・トラック的な扱いでラストに収録されているくらい。
 バンドが大きく飛躍する起爆剤となった、ヴォーカルJames Copleyがメインとなってからの曲で構成されているため、正直、初期とはまったく別のバンドである。生のホーン・セクションが使えないがゆえのエレクトロニカであって、それ自体が目的だったわけではない。「これがいまの俺たちなんだ」と自信を持って言える、そんな姿勢が選曲にもサウンドにもあらわれている。



 中心メンバーは5人だけど、ホーン・セクションやコーラスも含めると、20人前後の大所帯、ここにスタッフやローディが加わるので、とんでもない数の民族大移動となる。つい数年前までは、副業も抱えた各メンバーのスケジュール調整や、人数×移動経費の問題もあって、フル仕様「Electro Deluxe Big Band」でのステージは、ほぼフランス国内のみ、月に1、2回程度のペースだった。おととしの来日公演も、中心メンバーのみの構成で、あの迫力あるホーン隊までは叶わなかった。まぁ日本ではほぼ無名だったので、その辺は仕方ない。日本のことを想っててくれただけで充分だ、と割り切るしかない。
 それに引き替え、フランスだけにとどまらず、EU圏内ではライブのオファーが引きも切らず、現時点で11月いっぱいまで予定が埋まっている。ライブ動員の好調もあって、会場もホール・クラスからアリーナにグレードアップ、そのスケールに合わせてサウンドもゴージャス化、ホーン・セクションも常駐できるようになった。
 映像を見ると、国を問わずどの会場でも大盛況で迎えられている。派手な舞台装置もなければ、ビジュアル映えするメンバーもいない。あるのはただ、熱狂を呼び起こす音楽だけ。奇をてらった演出もエロさもないのに、アリーナいっぱいの観衆は彼らの音楽に狂喜し、そして涙を流す。なんだこのパワーは。
 ポップスでもなければジャズでもない、ロック的な要素はまるでなし。ダンス・チューンといえば言えるけど、いま現在のトレンドとはまるでかけ離れている。じゃあ何で?
 「それが俺たち、エレクトリック・デラックスさ」。
 James Copleyなら、きっとそう言うことだろう。




Speedometer 『Downtown Funk '74』

speedometer 昨年、何のインフォメーションもなく、サプライズ的にリリースされたインスト作。しかもダウンロードのみ。オリジナルとして制作されたのではなく、ライブラリー・ミュージック制作会社の大手、KPM Musicからの依頼によるもの。要するに、企業向けの音源請負。ある一定の料金を払えば、CMソングや店内BGMに使える素材を作ったらしい。こんなこともやってるんだな。
 妙にコンセプチュアルなタイトルやアートワークの雰囲気からして、映画のサウンドトラック、例えばブラックスプロイテーションの現代版、といったイメージでオファーしたんじゃないかと思われる。でも、かなりニッチなにーずだよな。
 数年前、彼らが手掛けたことによって、小さなジャズ・ファンク界の中ではちょっとだけ話題になった、三井住友VISAカードのCMソング。すごくざっくりと例えて言うなら、全編あんな感じ。ていうか1曲目の「Tomahawk」、あんまりちゃんと覚えてないけど、ほとんどそのまんま。竹ノ内豊の渋いスーツ姿を連想してしまう。
 上品でありながら、はみ出さない程度にワイルドネス、メンバーそれぞれまんべんなくソロ・パートが割り振られ、見せ場も公平にある。決して誰かが割り込んだり食っちゃったりすることはない。そこはさすが英国紳士の集まり、様式美を壊すようなことは恥、という教育が為されているのだ。



 破綻はないけど、その分、失望もない。トータル・バランスが取れているので、安心して聴くことができる。こうやって書いちゃうと、「進歩とか前身する気ねぇのかよ」と思ってしまいがちだけど、ジャズ・ファンクにそれを求めるのはお門違いである。深化することはあっても、進化はない。すでに大方完成されたフォーマットなので、前向きな姿勢を求めるのなら、他のジャンルを聴いた方がいい。中途半端に他のジャンルに色目を使ったりすると、「何か違う」感が強くなり、軌道修正が難しくなってしまうのも、このジャンルの特徴である。誰とは言わないけど。
 で、Speedometer。オフィシャル・サイトを見てみると、前回コラボしたJames Juniorとのコラボが復活、新曲のPVが流れてくる。ライブも行なってるようなので、やっぱり『Downtown Funk '74』自体がサイド・プロジェクト的な扱いで、いまの本流はこっち側らしい。





Bamboos 『Night Time People』

The_Bamboos_Night_Time_People_digital_album_cover これを書いている時点ではまだ未発売だけど、シングルがめちゃめちゃカッコいいので、フライングで紹介。実はBamboos、俺的には終わったバンドだと思っていたのだけど、いやいや全然だいじょうぶ、ゴメンちょっと舐めてたわ。
 ベスト・アルバムのリリース後、オーストラリアでは人気のロック・バンドのヴォーカルTim Rogersとコラボしたり、Robbie Williamsのオーストラリア・ツアーでジョイントしたりなど、コンテンポラリー色が強くなっていたBamboos。もともとメンバーそれぞれがサイド・プロジェクトでアク抜きをして、本体ではポップ・テイストが強くなりつつあった彼らだけど、いやいやそれもジャズ・ファンクっていうベースがあっての話でしょ。ここ最近の活動なんて、ほとんどバック・バンド扱いだし。
 前述のSpeedometerもそうだけど、メジャーで生き残ってゆくためには、あんまりカラーに合わない請負仕事もやんなくちゃならないんだろうな、と思っていたのだけど、ここに来てジャズ・ファンク・バンドとしての彼らが復活、ポップさもありながら、ソウル・テイストの濃いシングル「Lit Up」がリリースされた。



 ヴォーカルはもちろん、歌姫Kylie Auldist。近年は課外活動が多くなっていたけど、お互い収まりのいい場所は、やっぱりここだった。いいんだよ、これで。
 レーベル移籍のゴタゴタや多人数バンドの運営方針もあって、あんまり「らしくない」仕事も敢えて受け、ここ数年は基盤の確立に邁進していた彼らだったけど、ここにきて準備が整ったのだろう。やればできる人たちなのだ。様々な事情やしがらみが絡み合って、敢えてやらなかっただけであって。
 数えてみれば5年振りとなる、満を持してのオリジナル・アルバム『Night Time People』。まだ聴いてないけど、俺的に期待値は相当高い。来月だぞ、心して待て。
 と思っていたら、新たな音源がリリース、いわゆるシングル・カット第2弾がオフィシャル・サイトでもアップされていた。新曲「Broken」は、なんとBamboos初のラッパーとのコラボ。地元オーストラリアのUrthboyがフィーチャリングで参加している。Kylieが歌うパートは文句なしだけど、まぁ久しぶりだしこういったのもアリか。




Kylie Auldist 『Family Tree』

Kylie Auldist 前回のCookin' On 3 Burnersでもレビューした通り、DJ Kungsリミックスによる「This Girl」の世界的大ヒットにより、ソウル・ディーヴァのポジションを確立したKylieの2016年作。言っちゃ悪いけど、ほとんど棚ボタみたいなシンデレラ・ストーリーだったよな。
 とはいえ、まったくの偶然で転がり込んできたヒットではなく、オリジナルのトラックが良くできていたからこその結果である。リミックスする方だって、センスを問われるわけだから、下手な曲は選べないし。
 そんな流れがあったからなのかどうかは不明だけど、長年在籍していたTru ToughtsからFreestyleへ移籍、環境の変化と共にサウンドも一変した。これまでバッキングを務めていたBamboosとは一線を画し、80年代ユーロビートを思わせる、世界的なトレンドのエレクトロ・ファンク~ブギ路線に大きく方向転換している。これまではむしろオーガニックな生音主体のサウンドだったけど、ここにきて打ち込みサウンドの大幅導入と来た。



 多くのダンス・チューンの実例にあるように、「ソウルフルな女性シンガー」と「高速BPMビート」との相性は良いため、あながちミスマッチな組み合わせではない。むしろKylie自身もKungsのトラックを聴いて、今まで気づかなかった方向性に活路を見出したんじゃないかと思われる。チープ過ぎると目も当てられないけど、もともとファンク方面には強いFreestyle、ちゃんとしたプロの仕事で組み立てられたトラックに隙はない。不特定多数のユーザーを想定して作られた、手間ヒマと金のかかったサウンドに仕上がっている。
 ジャズ・ファンク原理主義の人には多分敬遠されるだろうけど、先入観を一旦よけて、素直にダンス・チューンとして聴けば、安易なユーロビートじゃないことは瞭然だ。「こ難しいこと言ってるけど、ほんとはこういうのが好きなんだろ?」と突きつけられているようなサウンドである。どれを聴いても貧祖に感じられないのだ。
 シングル・ヒットで有頂天になることもなく、いまも地道に国内ツアーを回り、またBamboosの活動も怠りなく続けるKylie。身の丈に合った活動はさすが苦労人だけれど、せっかくだから本体でもう一度、ひと花咲かせて欲しいよな。




Hubert Lenoir 『Darlene』

folder 最後はちょっと番外編。ジャズ・ファンクではないけど、最近見つけたのでここで紹介。
 家でSpotifyでElectro Deluxeを聴いてて、フランス語圏のおすすめアーティストを辿ってるうち、彼がヒットした。取り敢えず、一番人気の「Fille de personne II」を聴いてみた。あらいいじゃん、じゃあ次も…、って具合で、結局全曲聴いてしまった。
 ググってみても、日本語の記事がない。フランス語ばっかり。英語圏でもどうやら無名に近いらしい。どうにか翻訳してみると、カナダ出身の23歳。これがデビュー・アルバムらしい。アートワークや声から女性だと思ってたけど、実は男だった。こんな基本情報も知らないで聴いていたのだ。



 記事を読むと、DonovanとElton JohnとPink Floydに大きな影響を受けた、とのこと。うん、何となくわかる。それに加えて、QueenとELOとT. Rexだな、この感じ。どちらにしろ70年代までの音に強くインスパイアされているっぽい。ジジくさい趣味だけど、若い世代が聴いたら、こんな風に素直に表現できちゃうんだよな。
 小さなバジェットで作ったらしく、レコーディングも少人数で行なっているのだけど、音はすごく良い。この辺はやっぱり金のかけ方が違うというかセンスが違うというか、はたまた空気が乾燥している風土なのか電圧が違うからなのか、比べればキリがない。
 どの曲にも深いこだわりが反映され、メロディ主体の楽曲もまた、きちんと練り上げた末の成果が窺える。文科系のパワー・ポップといったイメージなので、日本人のメンタリティにも共感しやすいサウンドである。まだデビューしたてなので、行く末は未知数だけど、案外アニメ系なんかと親和性が高そうなので、そっち方面で誰かオファーしてくれないものか。




シャレオツ・フレンチ集団唯一のヤンキー、James Copley - Electro Deluxe 『Circle』

folder 先月、ついに行われたElectro Deluxeの初来日公演。Twitterやブログなどの反応から察するに、ブルーノート東京というハコが、彼らのエンタテインメント性を会場のすみずみにまで行き届かせられるジャストサイズであったため、相性的にはバッチリ。ホーンセクションを最小限に抑えたコンパクト編成も、彼らのダイナミズムを削ぐことなく、オーディエンスは充分満足した「らしい」。そう、これだけ彼らのことを取り上げておきながら、俺は行けなかった。
 しかし、なんで年末なんだよ…。繁忙期に休み取れるわけねぇじゃん。俺が彼らに逢える日は、いつ訪れるのか。

 というわけで、会場に行った人たちは興奮のるつぼだったらしいけど、その来日公演前に彼らの最新アルバムがリリースされた。ベスト・アルバムが発売されたり、ジャズ系のメディアでは来日公演に向けてのインフォメーションもそこそこ行われており、どうにか認知を広めようとした感はあったみたいだけど、ブルーノート自体がそれほど大きなキャパではなく、2日間は埋まったみたいだけど、年末ということもあって追加公演の話は持ち上がらなかった。結局のところ、年が明けると再び通常営業、いつも通りフランス界隈で時々ライブを行なう、いつも通りの彼らである。
 宣材写真やライブ・フォトで見てもらえれば伝わるように、クセは強いけど愛すべきビジュアル(いつの間にかヒゲ面だ!!)のヴォーカルJames Copley、大仰なステージ・アクションはビジュアル映えするので、見せかた次第では大化けするはずなのだけど、まぁ「待望の初来日」と思っていた人がごく少数だったため、メディアの露出もほとんどなかった。いま調べて知ったんだけど、J-Waveでセッション & トークしたんだね。まだYoutubeで見られるよ。
 ほぼ同時期にStingも来日していたけれど、まぁ扱いは全然レベルが違う。「めざましテレビ」や「Mステ」に出るには、ちょっと知名度足りないしね。

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 ただ、今回は顔見せ的、コンパクトな形でのショーケース的なライブだったため、今後の夏フェスあたりでの再来日の可能性は大きくなった。ジャズ・ファンク・バンドの多くが、アルバム・リリースを軸に活動しているわけではなく、ほぼ恒常的にライブを行なうスタイルのため、今回はたまたまニュー・アイテムもあったから日本に呼びやすかったこともあるのだろう。
 ちなみに今回のライブの後援元としてクレジットされているのが、在日フランス大使館とアンスティチュ・フランセ日本(フランス政府公式のフランス語学校・フランス文化センター)。もともと文化事業へのバックアップは惜しまないお国柄ではあるけれど、国家のお墨付きとは彼ら、フランスではかなりのポジションとなっている。

 日本を含む、スイス・ドイツ・ポーランドを回る小規模ワールド・ツアーも無事終わり、年明けからは再びフランスを拠点として活動する彼らだけど、今のところ、本格的にグローバル展開する気はなさそうである。今回の来日公演のように、主要メンバー5名+少数ホーン・セクションならまだしも、総勢18名(いま何人だろう?)を数えるElectro Deluxe Big Band体勢ともなれば、何かと身動きも取りづらいだろうし。
 まだそれほどの回数ではないけれど、世界各地を回って上々の反応は得たのだから、あらゆる場所でのライブも考えてはいるだろうけど、何しろスタッフを含めれば修学旅行クラスの大移動となるし、経費に見合うリターンがあるかと言えば、場所によってはそれもちょっと微妙である。
 フランスで時たまライブを行ない、数年に一度、じっくり練り上げたアルバムをリリースしてゆく、というルーティンをこなしてゆけば、それなりのポジションでマイペースな活動は保証される程度のポジションを築いているElectro Deluxe。
 ただ、そこに安住するのを嫌ったのか、それとも外部の横やりをシャットアウトしようと目論んだのか、この『Circle』からはハンブルグのインディ・レーベルBroken Silenceからの配給となっているのは、ある意味、彼らの積極的な自己防衛手段である。

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 実のところ、今どき彼らクラスのセールス・ポジションでメジャー所属というのは、ほとんどメリットがない。もともとジャズ・ファンクという音楽自体、マス・セールスをターゲットにしたジャンルではないので、売り上げ見込みや初回ロットもかなり低いレベルに設定されている。いくらフランス・ジャズ・ファンク界のスーパースターと言っても、テレビ露出の多いポップスターやアイドルには太刀打ちできないのだ。なので、販促費などは微々たるもの、宣伝もあまりしてもらえない。前回レビューしたように、今年の夏はKungs効果でCookin' On 3 BurnersがEU圏内でバカ売れしたこともあったけど、あれはほんと天文学的確率、棚ボタみたいなもんだし。

 もともとバンド名から由来するように、ベーシックなジャズ・ファンク・バンドのフォーマットに、エレクトロ/ダンス系のエフェクトやBen l'Oncle Soulらをフィーチャーしたジャジー・ラップを有機的にミックスさせたサウンドが、彼らの初期コンセプトだった。フィーチャリング・アーティストやEDM機材の多用は、少人数編成を前提としたものであって、3枚目の『Play』ぐらいまでだったら、もっとフットワークは軽かったことだろう。
 ただ、その『Play』リリース後に、もともとゲスト扱いだったCopley が正式メンバーとして加入した辺りから、バンドの方向性が変わってくる。
 ちなみに、これも今回初めて知ったのだけど、このCopley、なんとオハイオ出身のアメリカ人。そりゃフランス人でJamesなんて名前、聞いたことないよな。しかも純粋なミュージシャンだったわけではなく、本業はオフィス勤めのサラリーマン。たまたまバーでお遊び半分で歌っていたところを店のスタッフがYoutubeにアップ、それが人伝てにバンドに伝わり、加入となった次第。なんだそりゃ。
 それまではEDMのテイストが強く反映されて、テクノ側へのアプローチも多かったElectro Deluxeだけど、ある意味無粋とも大らかとも取れるヤンキー気質がバンド・スタイルに変化をもたらすようになる。ただ気持ちよさそうに歌ってるだけなのに、つい目が釘付けになってしまう独自のエンタメ性は、EDM系が俄然強いフランスにおいても評判を呼ぶようになる。そんなCopleyのキャラクターを前面に押し出すため、バンドは大編成ホーン・セクションを導入して大所帯となり、逆にEDM成分は減少してゆくことになる。
 フル稼働すると総勢18名に及ぶ大所帯ゆえ、メンバーのスケジュール調整も含めて頻繁なステージはこなせない。だけど、ただ気持ちよく歌うだけ、そんなCopleyに引きずられるように笑顔でプレイする演奏陣らによって繰り広げられるライブは、確実にオーディエンスの心を強く揺さぶる。
 こうしている今もライブ動員は増え続け、キャパは次第に拡大している。理想的なライブ・バンドの成長ストーリーである。

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 でも、メジャーではそんなDIY戦略にも制約がかかり、横やりが入る。新人ピッチャーがベテラン・コーチのアドバイスを真に受けてフォームが崩れ、ワンシーズンをフイにしてしまうように、助言やアドバイスなんてのは話半分で聴くものである。それを強要しようとするのなら、何もメジャーでいるメリットは何もない。
 今回の『Circle』も近年に倣い、ほぼスタジオ・ライブ的なレコーディング・スタイルを取っている。Copleyによるライムが多少ある程度で、ヒップホップやEDMのテイストは一掃されている。残ったのは純粋な、純正のElectro Deluxeサウンドである。60~70年代のヴィンテージ機材や楽器をふんだんに使い、メンバー総出で狭いスタジオに顔を突き合わせ、「せーの」で出す音は、とても分厚く強固な音の壁となってリスナーに立ちはだかる。その生音の迫力には、生半可なEDMでは太刀打ちできない。デスクトップ上の切り貼りとは無縁の世界である。

 そんなコンセプトを貫いてゆくため、彼らはメジャーから離脱、インディーズを併用した自主配給の道を選んだ。アーティスト自身によるレーベル運営は、煩雑な事務手続きなど、何かと面倒なことも多いけど、中間搾取を圧縮できる分、逆に利益配分が多くなる事例もある。各メンバーへの還元が多くなる分、課外活動は縮小、本業に専念もしやすくなる。現代ジャズ・ファンク・バンドの多くが選択している道だ。
 手の届く範囲/目の行き届く範囲での活動を生真面目に行なってゆくことを選択したElectro Deluxe。まだまだ彼らの活動からは目を離せない。

 だからお願い。できれば、年末をはずして再来日してね。


CIRCLE
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1. All Alone
 ファンクというよりソウル色が強い、Copleyとコーラス隊とのコール&レスポンスも絶妙。「Gatta,Gatta」のパートがOtisへのオマージュを思わせる。やっぱヤンキーだな、この辺は。



2. Keep My Baby Dancing
 こちらもヴォーカル主体、同じくソウル・チューンだけど、泥臭さが抜けてディスコ寄り。ホーン・アレンジがEarthっぽいので、キラー・チューンとして今後もラインナップに長く残ると思われる。



3. K.O
 来日公演2日間ともオープニングを飾った、タイトル通り挑戦的なファイティング・ポーズを思わせるナンバー。Copleyのヴォーカルも力強く、ちょっとラフな感じ。むしろここでの主役はホーン・セクション。中盤以降の金管楽器の洪水は目もくらむ豪快さと美しさとを併せ持つ。

4. Liar
 ジャジー・ポップといった趣きの、少し軽みのあるライトなナンバー。リズムとホーンばかりがここまでフィーチャーされていたけど、ここではバンドの創始者のひとり、Gael Cadouxによる鍵盤系がアンサンブルをリードしている。Copleyも力の入ったヴォーカルが多かったけど、『Play』くらいまではこういった曲も半々で入っていたのだ。ジャズのテイストはなるべく残してほしいよな。

5. Paramount
 やっぱりフェンダー・ローズとホーンが入ると、ほんと60年代のジャズ・ファンク、ソウル・ジャズっぽくなるよな。Herbie HancockやRamsey Lewisなど、鍵盤系を扱う人がファンクをやると、ほんとカッコいい。

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6. Oh No
 ネオ・ソウルっぽく、イイ感じで肩の力の抜けたライト・チューン。FMのパワー・プレイにでもクローズアップされれば、結構いいところまで行くかもしれない。そうなんだよ、こういったAOR臭いのもできるんだよこの人たち。でも、やりたがんないんだよな、プレイしてても在り来たりになっちゃうしね。

7. Circle Of Life
 ここに来て真っ当なピアノ・バラードをぶっこんできたElectro Deluxe。『こんなこともできますよ』的に、まぁアルバム構成にメリハリをつけるためと割り切ればこういったのもアリなのかな、と納得してしまいそうだけど、でもそうじゃないんだよな。誰もJohn Legendみたいになってほしいわけじゃないし。でも、間奏のホーン・ソロは絶品。それだけで十分満足。

8. Bad Boys On The Run
 ちょっとガレージ・ロックっぽさの漂う、疾走感が増したソウル・ナンバー。中盤のナンバーはどれも、彼らとしては新機軸・未開のジャンルのサウンドが多く収録されている。変に不慣れなジャンルに手を染めることはないと思うけど、あらゆるジャンルの吸収によって、新たな方向性が見いだせるのなら、それはバンドとしては良い方向なのだろう。

9. Cut All Ties
 黒いよなぁ、これは。ほぼすべてのジャズ・ファンク・バンドがリスペクトする、OtisやAl Greenを想定したかのような、メロウでありながら、とても強いパッションを持つナンバー。これってやっぱユーラシア大陸の人間じゃなく、ヤンキー人種だからこそ出せるものだと思う。



10. Majestic
 コッテコテのファンキー・チューン。軽快なギター・カッティングに手慣れたホーン・アンサンブル、よく聴くと高度で複雑なリズムを刻むドラム・ワーク。もちろんジャズ・ファンク・バンドだから、こういったインスト・チューンはお手の物であることは当然だけど、大編成のホーンを自前で持っている分だけ、シンクロ率がまるで違っている。こういうのが大好物な俺、これならいつまでも飽きることなく聴き続ける自信がある。

11. Eye For An Eye
 ソウルだジャズだファンクだとカテゴライズするより、むしろ楽しいパーティ・チューンと見る方がしっくり来る、そんな軽快で踊りだしたくなるアッパー・チューン。サビメロもカノン進行でしっかり作り込まれてるし、演奏陣にも見せ場はタップリ。特に中盤のコール & レスポンス、世界中を探しても、ここまで能天気かつグルーヴィー、それでいてシャレオツなサウンドはなかなか見当たらない。

12. Through My Veins
 今度はブルース・タッチ。こういうのもアリなんだな、このバンドは。今回のアルバムは特に、コーラス陣とのレスポンスが大きくフィーチャーされている。この分だとElectro Deluxe Big Band、次はコーラス部門も増設か?そうなるともう、バンドじゃなくてオーケストラだな。

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13. Fnk Live
 ラス前なのに、なぜかファンファーレっぽいフレーズを奏でるホーン、コッテコテに黒く歪んだギター。全盛期のEarthがもっとジャズっぽかったら、こんな感じだったんじゃないかと想像してしまうインスト。後半のサックス・ソロ、これももう、いつまでも聴いていられるな。あとパーカッション。あんまりこのバンドではフィーチャーされないけど、途端にラテン・テイストが強く出て、これはこれで好き。

14. Heaven Can Wait
 メロディが立っている分だけ、これまでよりAORっぽさが際立っている。これをラストに持ってきたというのは、やはり今後の方向性、グローバルな方面もちょっとは視野に入れているよ、という意思表示なのかもしれない。日本人のメロウな感性にもアピールする泣きのサビは、ソウル臭さが苦手な人にもピッタリ。
 だからCopley、ヒゲ剃れよ。充分イイ男なんだから、そっちで勝負してよ。Sean Conneryになるには、まだ若すぎるよ。



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北海道の中途半端な田舎に住む、そろそろアラフィフ男。ほぼ週1のペースで音楽ブログ更新中。節操ない聴き方と思われてるけど、自分の中では一貫してるつもり。 最近は蔵書の整理がてら、古い本を再読中。ジョン・アーヴィングから始まって、フィッツジェラルドやゾラ、モームなど、いわゆる古典の復習中。いつになったら終わることやら。新刊読めねぇや。
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